増え続ける書類、分厚いファイルから紙が溢れるほどになっていた
もともと所内にはサーバーというものがなかったので、業務に必要な書類は紙でのファイリング管理でした。手続きに関連する控え書類を、印刷をしてファイリングしていき、そのファイルが戸棚にずらっと並んでいるようなイメージです。ファイルはお客さんごとで管理していましたが、手続きの種類や雇用人数などお付き合いの年数が増えると、1冊の分厚いファイルでも書類があふれてしまうほどの量になってました。このまま(紙でのファイリング管理)だと、まずいと感じましたね。
社労士事務所ではどのような書類を扱うのでしょうか。
就業規則はもちろん、入退社時に関する資料もあれば、雇用中の手続き書類など多岐にわたります。例えば、入社時であれば、社会保険・雇用保険に関する控えや、入社手続きで顧客からいただく資料一式もあります。退職時の手続き書面、業務中に怪我をしたなどの労災保険や、育児休業に関する手続きの資料も存在します。社会保険の資料は取得や喪失手続きなど枝分かれしていく感じです。なので、手続きの種類や事業所の雇用人数が増えると、書類も増えていく構造でした。
対応した書類には社労士側で一定の保管期間があるでしょうか。
本来は、ほぼすべて事業所側で保管するべきものになります。ですが、「過去の書類を再送してほしい」など、再送の依頼が頻繁にあるため、お客さんで保管すべき書類も全てコピーをして保管するようにしています。
1顧客あたり、どのくらいの書類の量になるのでしょうか。
ちゃんと数えたことはなくて、対応人数や手続き数により一概にいえませんが、数年のお付き合いになると1,000枚は超えると思います。なので分厚いファイルでも収まらないほどの量でしたね。
手続きのたびに控えを残していくため、会社用の控え、本人に渡す控えと、1つの手続きで3~4種類あり、それが5~6人など増えていくとそのくらいの量になりますね。
それだけの手続きの種類や人数分のファイル内から、必要な書類を見つけるには匠の技があったのでしょうか。
ファイルは手続きごとにカテゴリを分けて管理していたのと、従業員数が少ないお客さんも多かったのでそこまで難しくはなかったです。従業員の個人情報は社労士の専用システムへ登録があるのですぐに確認できますが、過去の手続きを基にした書類を作るときは、昔の情報を掘り出す必要があるので、社会保険>取得と喪失くらいまでは分けていました。例えば、育児休業で2人目の場合は、1人目の情報を引き継ぐとかですね。
社内共有ができてなく、テレワーク環境が整備不足だった
他にも紙の書類をデータにした後に、各々のPCに保管していたので、社内共有ができていなかったのも課題でした。在宅勤務の社員を採用したのですが、当時は紙での管理でしたので、在宅勤務も(内勤社員と)同じように働ける体制を作ることが急務と感じていました。
話を聞いて、「今と同じ感覚でいける」
もともとは過去に働いていた社労士事務所で使用していた別のサービスを思い出して、それを調べていました。調べてみたら大企業向けのシステムになっていました。同じクラウドサービス(オンラインストレージ)ではあったのですが、システム構築から始めて100万円からとのことでしたので、費用感が合わずやめました。
そのあとに調べていたらセキュアSAMBAを知り、営業の方に話を伺いました。
話を聞いて実際の画面をみせてもらい、「今と同じ感覚でいける」と思いましたね。フォルダ構造については、これまでと同じくやり慣れている構造であったので、アナログなメンバーでも問題ないと感じ、即決しました。
もともと社内サーバーのようなものでも良かったのでしょうか。
第一優先は、社内共有ができればいいと思ってました。なので、それでもよかったのですが、もともと別社労士事務所が使っていたサービス(クラウド)を見ていて、外から使える便利さを知っていました。在宅社員も(サーバーを)使えるようにしたかったので、できればクラウドがいいなと考えてました。
セキュアSAMBAの導入について、メンバーの方にはどのように伝えましたか。
セキュアSAMBAを調べている段階から、Webサイト上の情報を見せて話しながら進めていたので、改めて、展開するという感覚はありませんでした。実際、営業の方と打ち合わせした後に、「このサービスでいこう。」となっていたので、メンバーからすると「導入がはじまったんだ~。」という感覚だったと思います。
教えることもないほどの簡単さ、だから導入はスムーズでした
使い方に困ることはなかったですね。営業の方から受けた説明と、マニュアルをさらっとよんだら、使えてしまいました。事務所内のメンバーへも、PCへの導入時に一緒に対応したくらいで、マンツーマンでレクチャーをしてということはありませんでした。教えることもないほど簡単でしたので、導入がスムーズにできてしまったって感じですね。事務所内にいるメンバーは僕含めてアナログなメンバーではありましたが、問題ありませんでしたね。
もともと紙の書類を電子データにする移行作業があったと思います。どのように進められましたか。
業務で忙しい時期とそうでない時期があるため、対応できそうな時期に段階的に移行作業を進めてたので、導入初期はSAMBAと紙管理を平行して運用をしてました。
書類のなかでも、直近1~2年内で共有すべき必要のあるものを対象範囲として、所内でひたすらスキャンをしていく作業をおこないました。書類をひたすらスキャンしていく係と、セキュアSAMBAにアップロードしていく係と分かれ、最後に対応した書類をチェックしていくような流れです。
2年以上前の古い書類が必要な時は、これまでどおり過去のファイルから書類を探してスキャンすることがありますが、そういった作業はほとんどなくなりましたね。
定着のコツは、アナログ方式をそのまま受け継ぐフォルダ分け
フォルダ分けはこれまでのアナログ方式を受け継ぎました。紙が電子データに置き換わっただけなので、メンバーは今までと同じ感覚で運用できた点が大きいと思います。新入社員の入社時も、メンバーからすんなり説明することができていて、スムーズに定着しています。
ファイル名などの命名規則は何か工夫されましたでしょうか。
年別日時をいれて、時系列が分かる形で整理するようにしています。過去の書類をもとに作成する資料もあるため、「いつ実施した手続きか」であったり、「いつ入社した人の手続きか」がわかると調べやすいんです。
社労士事務所向けの専用ツール(社労夢)を利用されているとのことでしたが、
セキュアSAMBAとの使い分けについて教えてください。
専用ソフトで手続きが完了したものを出力して、セキュアSAMBAに保管してます。電子申請したデータをツール内にそのまま保管もできますし、PDFに出力しての保管もできます。ツール内にそのまま残しておいてもいいんですが、顧客から頻繁に控え書類・原本についての問い合わせや、再発行依頼をいただいたり、退職に関する手続きですと行政から書類の話になることもあるのでツールから出力しておいたほうが、何かと便利なんです。
また、出力する行為は手続き対応完了日が明確になるため、完了を証明する控え書類にもなるんですよね。
社内共有が円滑になったことで、業務時間の短縮に。
今では必要な書類が全てセキュアSAMBAにあるので、とても助かっています。
これまでは過去の書類を確認するのに、一度ファイルから必要な紙を取り出してスキャンをする。出先から確認する場合は、社員に書類のスキャンを依頼し、メール添付で送ってもらう流れでした。導入してデータ管理にしてからは、それがなくなったので、以前と比べて、過去の書類確認が速くなり、社内共有ができるようになったので、業務時間が短縮できました。
出張や出先の打ち合わせでも、これまでは全て紙の書類を持って行っていたのですが、今では顧客とPC画面内でデータを見せながら会話をしてます。外から、内勤社員に仕事を依頼したいときも、「今、共有フォルダの○○に入れてあるから」と、同じ書類を確認しながら進めることができるようになりました。
ちなみに、あふれかえっている過去の書類はそのままでしょうか。
昔のものは保管しなくてもいいのですが、一応何かあるといけないので保管したままです。見られてしまうと、本当にひどい量なんですよね。ただセキュアSAMBAを使ってからは、事務所として保管すべき書類がほぼセキュアSAMBAに入っている状態です。これが、また紙になると思うと恐ろしい量になりそうです。
在宅社員も内勤社員と同じように働ける環境に
これまでは在宅社員と内勤社員で共有をする際は、書類をファイルから出し、スキャンしてメ―ル添付という流れで、社内共有がしづらい状況にありました。課題に思っていたことなので、在宅勤務も社内と同じように働ける体制をつくれた点は本当によかったです。
最後になりますが、セキュアSAMBAを検討している皆様へ一言、お願いします。
私のようなアナログな者でも、うちのアナログなメンバーでも、使いこなせたサービスなのでセキュアSAMBAはおすすめできるサービスです。私以上にアナログである職員もいる中で、今後もっといい使い方がないか、日々模索している部分もありますが、職員全員が前向きに考えて取り組めています。年齢、経験に関係なく気軽に使用できるところが良いところなので、検討されている方はまず問い合わせていただいて、体感いただくと良いかと思います。