数十名と対面でデータ共有。紛失リスクが高く、調整にも時間がかかっていた
これまで、制作データの受け渡しはすべて対面で行っていました。制作に関わるメンバーは約30名。受け渡しのために業務時間が削られてしまっていたり、データの紛失や漏洩のリスクが高い状態であることに危機感をもち、改善を考えました。
大学の制作物としてどのようなデータを扱うのでしょうか。
大学の広報活動や学生募集活動で用いるパンフレット等の印刷物のデータです。公開前情報を含む重要なデータも取り扱うので、データの紛失や漏洩が発生しないよう取り扱いには非常に気を遣っています。
これまでどのように重要なデータを取り扱っていたのでしょうか。
データの紛失や漏洩を防ぐため、必ず対面でデータ共有をするようにしていました。データの受け渡しや保管の際に紛失してしまうリスクが高いことが気になっており、安全な方法がないか考え始めました。
どれくらいの関係者とデータのやりとりが発生するのでしょうか。
約30名の担当者とデータのやりとりをしています。受け渡す担当者と顔をあわせてのやりとりとなるため、受け渡しのための日程調整も必要ですし、受け渡し日時に必ず約束した場所にいる必要もあります。ほかに多くの業務を抱える中で、データの受け渡しにかかる時間が長く、効率化が必要だと感じていました。
知ってから1ヶ月で導入に至った理由は「欲しい機能が揃っていて、価格も手軽」
初めは学内ネットワークも検討していましたが弊害が多く、他の方法も探す中で、周囲の人に聞いてセキュアSAMBAを知りました。営業の方に色々と質問をする中で、押さえておきたいポイントを全部クリアしていて、かつ大きな予算もなしで導入できるとわかったため、すぐ導入を決めました。
学内ネットワークの利用も検討されていたのでしょうか。
やはり学内ネットワークでの運用が望ましいと考えてはいました。しかし担当部門に相談を進めるうちに、要件を満たす運用だと大掛かりになり、業務手順も今より複雑になってしまうことがわかりました。また、学内ネットワークでの作業は、場所や時間が限られてしまい、実際に利用する人たちの業務スタイルにそぐわないなどのデメリットもあります。そのため、外部サービスも含めて要件を満たすサービスを探しました。
セキュアSAMBAを知ってから1ヶ月で導入完了されましたが、スムーズに検討や導入が進んだ理由は何でしょうか。
学内ネットワークや外部サービスなど、新しい運用を考えるにあたって必要な要件が明確になっていたため、スムーズに検討が進みました。営業の方へ質問して、必要な要件がすべて揃っていることが確認でき、かつ大きな予算が必要ない程度の価格だったため、すぐ導入を決めました。
クラウドサービスを使うことに対して、学内の反対はあったのでしょうか。
外部のサービスを利用することに対して、当初は学内の関連部署からセキュリティ面に懸念を示されていました。しかしセキュアSAMBAでは、IP制限をはじめとするセキュリティ機能や、フォルダごとにアクセス権限を設定できる管理機能が備わっていることを伺っていたため、その点を資料などを用いて説明しました。その結果、セキュリティが担保できているという判断になり、導入に至っています。
直感的に使えるので、勉強会をしなくてもスムーズに浸透
導入した年は、まず1チーム内のみで試していました。勉強会を開催したのは、この一番最初のチームだけです。業務で使う基本の操作のみ、ポイントを押さえて制作メンバーにレクチャーしました。翌年には3~4チームに導入を拡げましたが、どのチームも問題なく利用できています。利用者は40~50代のメンバーがメインですが、直感的に使えるため、担当者である私に質問がくることはほとんどないですね。だいたい月に一度、ログインに関する問い合わせがくる程度です。
アクセス権限を細かく設定することで、安全な運用を実現
データの漏洩リスクを最小限にするために、制作チームごとにフォルダを分け、フォルダごとにメンバーのアクセス権限を設定しています。IP制限などの、アクセスできる環境を制限する管理も行っています。これにより、制作メンバーの業務できる場所や時間などの自由度を維持しつつ、安全にデータを管理できる状態になりました。
アクセス権限は私が設定しているのですが、従来のデータ管理と異なり簡単に操作ができるため、業務効率化にもつながっています。
用途別のフォルダ分けで、データの制作や納品をスムーズに
チーム内で制作したデータは私が集約して業者に発注しています。このデータを回収する業務を効率化するため、セキュアSAMBAを導入する際にチームごとに「納品用フォルダ」を作成しました。
制作チームは完成データが出来たらこの納品用フォルダにデータを格納します。私は期日が近づいたらこのフォルダを確認し、格納されているデータを集めるだけで効率的にデータ回収ができます。
制作データの管理をセキュアSAMBAに移行したことで、制作メンバーも管理者も業務効率がアップ
現在は、制作に関するデータのやりとりはすべてセキュアSAMBAに移行しています。制作チーム内でも、内容をブラッシュアップする際これまで対面の打ち合わせを実施していましたが、現在ではそれがほぼゼロになったと聞いています。
これまでは、制作チーム内で何度か打ち合わせしてデータを完成させ、そのデータを回収するための日程と場所を調整し、データを受け取ってから外部業者に渡すまで私が管理する、という流れでした。導入してセキュアSAMBAで受け渡すようにしてからは、これらの対面で会う手間、そのための調整がなくなり、スムーズに業務が進むようになりました。この「データを管理する業務」が効率化されたことで、他の業務に集中して取り組める時間を確保できています。
ミスによる事故を抑止する運用で安全性が向上。
データの管理をセキュアSAMBAで行うようになって、データを持ち運んだり、手元で保管する機会がなくなりました。このような、データの紛失や漏洩が発生しづらい運用方法になったことで、「自分がミスをしてデータを紛失してしまうかもしれない」「漏洩してしまうかもしれない」と不安に感じることが少なくなり、安心しています。従来の方法でも管理できなかったわけではないですが、やはり気を遣って、手間もかかる方法で運用していると、そのほかの業務などどこかに皺寄せがいっていたのではないでしょうか。そう考えると、自分がこの管理業務を引き継いだタイミングで、より安全で手軽な運用に改善できてよかったと感じています。
最後になりますが、セキュアSAMBAを検討している皆様へ一言、お願いします。
既存の手順ややり方を守る、というのはもちろん大事なことですが、それは目的ではなくあくまでも「手段」であることを忘れてはいけないと思います。「手段」は外部環境や組織要因で日々変わっていくため、「今だとこういうやり方がいいのではないか」と考えることも重要だと考えています。
今回のセキュアSAMBAの導入でも、やはり新しい仕組みを導入するということで様々なリスクを考える必要がありました。しかし既存の手順とのリスクを比較した上で今回新しい仕組みに変更したことで、ミスの心配がなくなったり効率化につながったりと良い結果になったと感じています。
新しいことを取り入れる際は様々な難しさがありますよね。私も今回の導入をひとつの成功事例として自分の中に留め、改善の視点を持って他の仕事に向き合っていきたいと思います。