誰もがパソコンやスマートフォンを持ち、SNSで情報発信できる現代社会の中で、ITリテラシーは必須の知識・スキルといえます。
企業にとってもITの有効活用やトラブル回避のため、社員のITリテラシーを高めることは欠かせません。
ITリテラシーとは何か、ITリテラシーの基礎知識や重要性、高め方をわかりやすく解説します。
ITリテラシーとは何か
ITリテラシーという言葉をよく耳にしてはいても具体的にどのようなものか理解できていない人もいるでしょう。
また、「リテラシー」という単語自体に馴染みが薄く、詳しくわからないという方も多いかもしれません。
リテラシーは英語で「literacy」と書き、もともとは「読み書きする能力」を意味する単語です。
そこから転じて、現代では「ある分野に関する知識や使いこなす力」をあらわす言葉として使われています。
ITリテラシーのほかには、金融リテラシーや文化リテラシーなどの言葉が浸透しています。
ITリテラシーとは、文字どおり「IT」と「リテラシー」を組み合わせた言葉で、パソコン・スマートフォンなどのIT機器や、インターネット・SNSなどの情報ツールを理解し、使いこなす力を指します。
「ITリテラシーが高い、低い」「ITリテラシーを身につける」といった使い方をします。
高度に情報化した現代社会では、社員のITリテラシーは、企業の信用や競争力を左右する重要な要素になっており、ITリテラシーを持つことが多くの場面で求められます。
ITリテラシーの3つの要素
ITリテラシーには次の3つの要素があります。
- 情報基礎リテラシー
- コンピュータリテラシー
- ネットワークリテラシー
ITリテラシーのそれぞれの要素について確認していきましょう。
情報基礎リテラシー
情報基礎リテラシーとは、情報を適切に扱う力のことで、次の3つの要素からなります。
- 情報を探す力
- 情報を見極める力
- 情報を使う力
インターネット上は膨大な情報で溢れています。正しい情報ばかりではなく、古い情報や誤った情報も多くあります。
欲しい情報を早く探し出し、情報の正しさを見極め、適切に活用する力が求められています。
コンピュータリテラシー
コンピュータリテラシーとは、コンピュータを操作するための知識や技術のことです。
現代では、ほぼすべての企業がパソコンなどのIT機器を使っています。
リモートワークの広がりでスマートフォンを業務で利用している企業も多いでしょう。
最低限でもキーボード・マウスの基本操作や業務効率を高めるビジネスツールの活用は、必要不可欠な能力となっています。
ネットワークリテラシー
ネットワークリテラシーとは、インターネットやセキュリティーに関する知識や技術のことです。
インターネット利用により、企業はサイバー攻撃や顧客情報流出、SNSでの炎上などのリスクにさらされています。
企業をリスクから守るには、個人の知識や意識の向上が欠かせません。
ITリテラシーの重要性
いつでもどこでも利用できるインターネット環境や、誰もが情報発信できるSNSの広がりで、ITリテラシーの重要性はますます高まっています。
- 情報格差の観点
- 生産性の観点
- セキュリティリスクの観点
- 人材価値・企業価値の観点
これらの4つの観点で、ITリテラシーの重要性をわかりやすく解説します。
情報格差の観点
情報を使いこなす力の有無は、人や企業の情報格差を生み、業務やビジネスの差につながります。
インターネット上の大量の情報から、必要な情報を探し・見極め・活用できる人とできない人では、業務のスピードや、生み出す付加価値に差が出ます。
そして、人の集まりである企業のビジネスにも差がつきます。
例えば、業務中にわからないことがあるときに、インターネットで素早く正確に調べられる人とそうでない人では、業務効率や知識に差がつきます。
また、企業レベルでは、SNSを活用して最新の市場動向を把握できる企業とそうでない企業では、マーケティング力に差がつくでしょう。
このように、情報を使いこなす力の有無が人や企業の情報格差となり、業務やビジネスの差を生みます。
生産性の観点
企業の業務効率化には、進歩し続けるIT技術やサービスに適応し、使いこなすことが欠かせません。
なぜなら次々と便利で使いやすいサービスが生み出されており、うまく活用できる人や企業と、使いこなせない人や企業の間で生産性の差が広がっていくからです。
紙と鉛筆で事務作業をしていたころと比べると、WordやExcelの登場は生産性を大きく向上させたことでしょう。
さらに、CRM(顧客管理ツール)、SFA(営業支援ツール)など、さまざまなビジネス向けのツールが登場し、WordやExcelの業務より格段に生産性を向上させることが可能です。
このように、新たな技術やサービスを活用するITリテラシーは、ビジネスの生産性を高める上で欠かせない時代になっています。
セキュリティリスクの観点
ITリテラシーの低い社員の存在は、企業のセキュリティリスクになり得ます。
セキュリティ対策には、システム的な仕組みを整えるだけでなく、それを使う社員一人ひとりのITリテラシー向上も欠かせません。
なぜなら、企業のサイバー攻撃被害や情報流出は、ITリテラシーの低い社員の不注意やミスから起こることも多いからです。
例えば、セキュリティに対する意識が低いことで、標的型攻撃メールのリンクを不用意に開いてウィルスの侵入を許したり、大量の顧客情報を誤ってメールで取引先に送ってしまったり、といったケースが考えられます。
このように、企業のセキュリティリスクを軽減するためには、社員一人ひとりのセキュリティに対する知識と意識を高めることが重要です。
企業価値の観点
インターネットやSNSで誰もが情報発信できる昨今、その使い方ひとつで企業価値を高めることにも、下げることにもつながります。
なぜなら、インターネットやSNSは適切に活用すれば企業の情報発信やイメージ戦略に有効な反面、使い方を誤ると情報流出や炎上によって信用失墜を招くからです。
アルバイト従業員による不適切な行為をSNSで発信し社会問題化したバイトテロや、企業担当者の不用意なSNSでの発言による炎上などの報道を頻繁に目にします。
これらは、自身の言動が及ぼす影響を把握できていない、ITリテラシーの欠如がもたらすものです。
このような企業価値を下げるリスクを回避するために、社員のITリテラシーを高めることは重要なのです。
ITリテラシーを高める方法をわかりやすく紹介
企業にとって大変重要なITリテラシーを高める方法を紹介します。
ITリテラシーは次の2つの方法で効果的に高めることができます。
- 研修や資格取得
- 実際にITを活用
それぞれ詳しく解説します。
研修や資格取得
ITリテラシーを組織的に高めるには、研修の実施や資格取得の推進が効果的です。
研修や資格取得によって知識や技術を身につけるのはもちろん、会社としてITリテラシー向上に力を入れていることを社員に周知し、意識を向上させる効果も期待できます。
ITリテラシー研修では、サイバー攻撃や情報流出の事例と対処法や、SNSの不適切利用の影響などを周知することで、社員のセキュリティや企業を守る意識を高めます。
また、ITを使いこなす力を身につけるためにITパスポートや情報セキュリティマネジメントなどの国家資格や、P検やIC3などの民間資格の取得を推進するのも有効でしょう。
このような地道な積み重ねが、企業としてのITリテラシーの底上げにつながります。
実際にITを活用
知識や技術を習得するだけでなく、実際に業務でITに触れることが重要です。
どれだけ研修や資格取得で勉強しても、その後に活用しなければ、いずれ記憶は薄れます。
実際に自分で手を動かして経験することで、知識や技術の定着や本質的な理解が図れます。
そのためには、企業として積極的にITを導入し、リテラシーの低い人を現場でサポートすることが大切です。
最初は負担が大きくても、組織的なITリテラシーの底上げは、生産性向上やセキュリティリスクの軽減につながり、企業にとってプラスの効果を生みます。
このように、実際にITを導入・活用することがITリテラシー向上のためには重要です。
ITリテラシーを高めて情報をうまく使いこなそう
情報化の進展とともに、ITリテラシーの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。
ITリテラシーの欠如は個人の問題だけでなく、業務の生産性の低下やセキュリティリスクを招き、企業にとっても大きな脅威となります。
その重要性を認識し、組織的にITリテラシーを高めることでビジネスのリスクを取り除き、企業価値を高めましょう。
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