ビジネスにおいて、メールは必要不可欠なツールとなっていますが、宛先を間違えたり、ファイル添付の間違いなどのメール送信ミスや情報漏洩は後を絶ちません。
メールの送信ミスの多くはヒューマンエラーが原因だと言われており、企業ごとにメール送信ミスの対策が求められています。
たかがメールの誤送信と考えずに、メールの送信ミスは企業の信頼を落とすことにも繋がる大きなリスクやトラブルに発展する可能性もあるため、徹底的に対策をおこなうことが大切です。
メール送信ミスが起きてしまう理由から、メール送信ミスの対策について解説します。
メール送信ミスはなぜ起きる?
メールの送信ミスはなぜ起きてしまうのでしょうか。
よくあるメール送信ミスが起きる原因を確認していきましょう。
使用しているメーラーの機能をつかいこなせていない\
使用しているメーラーの機能を使いこなせていないことが、メールの送信ミスにつながっています。
一般社団法人日本ビジネスメール協会が発表した「ビジネスメール実態調査2021」によると、企業で使用されているメールソフトは以下のとおりです。
- Outlook
- Gmail
- Thunderbird
- サイボウズoffice
これらのメールソフトにはどれもメールの送信ミスをしないよう、誤送信防止機能が搭載されています。
しかし、誤送信防止機能を使いこなせていない人も多く、メール送信のミスが起きてしまっています。
従業員の意識が低い
従業員の意識が低いことも、理由として考えられます。
「自分は誤送信なんかしないだろう」、「ざっと確認したところあっているだろう」などの考えをもっていると、いつかメールの送信ミスをしてしまうことがあるでしょう。
ニュースなどでよく聞くメール送信ミスを自分事と考えずに他人事のように考えている人は多くいるはずです。
メールのやりとりはビジネスにおいて日常ともいえる行為であり、毎日こなすことだからこそ注意を怠りがちです。
実際、メール送信ミスの多くは、少しでも確認をしておけば防ぐことができたものは多く、当事者としては流れ作業であったことも考えられます。
このように、従業員の危機管理への意識が低くなる理由は、企業側の教育にも原因があるでしょう。
送信前にしっかりと確認できるよう、危機管理意識を高められる教育をおこないましょう。
社内での運用ルールが徹底されていない
社内での運用ルールが徹底されていないことも、メール送信ミスにつながっています。
メール送信ミスをしないよう、従業員への教育も大切ですが、運用ルールがあるだけでも意識改革に繋がるでしょう。
運用ルールを作るためには、使用しているメールソフトの機能などについて企業側がしっかりと把握し、全ての従業員のパソコンにインストールさせる必要があります。
運用ルールとして決めておくべき事は、送信方法を決める必要があるでしょう。
使用しているメーラーには誤送信防止対策機能が搭載されており、その機能の活用方法を明記させておくと良いです。
これらの運用ルールが定まっていないと、メール送信ミスを引き起こす可能性は高まるでしょう。
細かいところまで徹底することで、はじめてメール送信ミスの対策へ繋ります。
メール送信ミスをしてしまう影響とは?
メールの送信ミスは間違って送ってしまったというだけで終わるわけではありません。
メールの送信ミスをしてしまったことが原因でどのような影響が及ぼされるのかを確認していきましょう。
業務の進捗や連絡に遅れが出る
メールの送信ミスをすることで、業務の進捗や連絡に遅れが出てきます。
正しくメールを送れていないため、業務の進捗具合を把握することができません。
さらに、送信ミスをしたことに素早く気づけなかった場合、謝罪や報告をする必要もあり、より遅れが生じてくるでしょう。
このように、メール送信ミスをすると仕事にも影響を及ぼすため、注意が必要です。
情報漏洩を引き起こす
メール送信ミスは、個人情報や機密情報の漏洩に繋がります。
たとえば一斉送信のメールを、間違えてCcに宛先をいれてしまっただけで、個人情報の漏洩です。
ファイルを添付しているメールを、違う企業へ送ってしまった場合は機密情報の漏洩につながり、最悪の場合は賠償金を求められることもあるでしょう。
このようにメールの送信ミスをしただけで、甚大な被害を出してしまうこともあります。
会社の信用を落とす
メール送信ミスをしたことにより、会社の信用を落としてしまうでしょう。
メールの送信ミスは、会社の運用ルールが徹底されていないこと、さらに危機管理能力が低いことを露呈するのと同じです。
個人情報や機密情報の漏洩は会社の信用を落とすだけではなく、売り上げにも影響を及ぼします。
一つのミスが大きな損害に繋がることもあることを、理解しておきましょう。
メール送信ミスの対策のためにできること
さまざまなリスクやトラブルにつながる可能性のあるメール送信ミスを引き起こさないためには対策が必要です。
メール送信ミスの対策として効果的なものを確認していきましょう。
メーラーの機能を使いこなす
メールソフトには、あらかじめ誤送信防止機能が備わっています。
- 添付ファイル暗号化機能
- 送信保留機能
- アラート機能
- 上長承認機能
- 送信先チェック機能
これらの機能を使いこなすことでメール送信ミスの対策につながります。
添付ファイル暗号化機能
添付したファイルが自動的に暗号化され、暗号を解除するためのパスワードがまた別のメールで送信される機能です。
送信時にいちいち暗号化するのは面倒なので、自動的に暗号化するツールが多くあります。
この機能はPPAPと言われる手法ですが、もしも宛先を間違えていた場合、パスワードも盗み見されることになるので、セキュリティ対策としては疑問がある手法です。
そのため、2020年より一部の官公庁では使われなくなり、使っている企業も減少傾向にあります。
送信保留機能
送信保留機能は、送信ボタンを押してから1分以上、未送信ボックスに保存される機能のことです。
送信が保留されるため、途中で間違っていることに気づいた場合すぐに取り消すことができます。
業務の効率も考えて、保留時間は5分程度にするのが良いでしょう。
アラート機能
アラート機能とは、注意喚起を促すメッセージをポップアップで表示させる機能です。
メッセージによって気づくことができるので、誤送信防止に繋がりますが、流れ作業になりやすい点があります。
上長承認機能
送信メールを一時的に保留にし、上長に確認してもらう機能です。
宛先や本文の内容、添付ファイルについて確認してもらい、大丈夫だったら上長が承認し、送信される仕組みになっています。
一見最も安全な機能に見えますが、上長がその場にいない時は待たなければいけないので、業務の効率が悪くなることもあるでしょう。
そういった時は、上長に気づいてもらえるようアラート機能をつけたり、優先順位をつけてもらう必要があります。
送信先チェック機能
送信時に、宛先のメールアドレスを確認する機能です。
一つひとつ確認し、チェックを押して確定しなければ送信されません。
そのため、最後の確認でアドレスの間違いに気づくこともできるため、利用している企業は多いでしょう。
この機能を使うだけで、宛先の確認を最後に必ずおこなえるので、誤送信防止に繋がります。
メール利用のルールを作る
メール送信ミスを防ぐためにメール運用に関するルールを定めましょう。
ある程度、手順やマニュアルがあることで防げるミスもあります。
社外に送るときは第三者をBccにいれる
社外にメールを送信するときは、社内の第三者をBccにいれないと送信されないようにするといいでしょう。
社内の人間にメールを見てもらう事で緊張感も生まれますし、万が一誤送信したときもすぐに気づくことができます。
誤送信しないことが最も重要ですが、誤送信後の対応も大切です。
運用ルールを徹底することが、会社の信用にも繋がります。
メールにファイルは添付しない
そもそもファイルはメールに添付させない運用も効果的です。
メールでファイル送信をしなくても、オンラインストレージサービスが豊富にあるので、取引先と共有できるストレージを利用し、その中へファイルを格納するといいでしょう。
ファイルは別で共有することでメールを誤送信した場合でも、ファイルは添付されていないので、機密情報の漏洩を防ぐことができます。
メールセキュリティの意識を高める
セキュリティ意識の欠如がメールの送信ミスを引き起こしている可能性があります。
メールをはじめとしたITリテラシーの向上や情報セキュリティの知識を得られるような機会や取り組みをするといいでしょう。
教育をおこなう
従業員への教育や研修は、定期的におこなうようにしましょう。
入社時に研修をおこない、あとは教育をおこなわない会社が多いですが、定期的に研修をおこなわない体制が危機感を下げている恐れがあります。
常に意識を高めてもらうためにも、月に一度は教育のメールを流すなどして、従業員の危機感を高める努力も大切です。
メール送信ミスによる具体的な影響を考える
メール送信ミスによる具体的な影響を、従業員に説明することも危機感を高める上で重要となります。
実際に、誤送信による個人情報漏洩や機密情報漏洩は頻繁に起こっており、調べるといくつもの事例が出てきます。
具体的な事例をしることで、何が起こりうるのか従業員も理解でき、より一層危機感を高めることに繋がります。
メール送信ミスの対策にはメールからの移行も重要
メール送信ミスの対策のために、メール以外の方法やサービスを利用することも検討しましょう。
そもそもメールでおこなわなくても済むものはメールの使用を止めることでリスク回避にもつながります。
ファイル共有はストレージ機能を使用する
ファイルの共有にはメールではなく、ストレージ機能を利用しましょう。
メールにファイルを添付する場合、ファイルの容量は20MBまでのメールソフトがほとんどです。
しかし、オンラインストレージの場合は容量無制限の場合が多く、ファイルの容量を気にすることなく共有することができます。
さらに、取引先しか見れないようにセキュリティ対策もできるので安心です。
このことからも、ストレージ機能を使えば漏洩のリスクがなくなるので、ファイル共有をしたい場合はストレージ機能を利用することもおすすめです。
コミュニケーションツールを使用する
メールではなくチャット機能をつかって、連絡をとるのも良いでしょう。
ビジネスチャットは、メールのような長文ではなく短い文章が基本です。
簡潔に伝えることができる点がメリットなので、スピーディーに対応できます。
さらに、グループ機能を使えば関係者全員が見れるようにもなります。
メールを利用する場合はCcやBccに誰をいれるか、一つひとつ確認する必要があり、誤送信に繋がりかねません。
しかし、チャットツールのグループ機能を使えば、そのような確認はなく、さらに誤送信もなくなります。
また、メッセージを削除することもできるので、万が一誤送信した場合でも安全な対策がとれるでしょう。
メール送信ミスを防ぐ適切な対策をしよう!
メールは、社会人であれば誰もがおこなう作業ではありますが、日常的に使用する反面、ミスが起こる可能性も高いといえます。
ヒューマンエラーを完璧になくすことは難しいですが、メール誤送信防止機能や対策をすることで意識を高めていきましょう。
また、そもそもメールを使うのではなく、オンラインストレージ機能を活用するのも効果的です。
メールでのファイル共有部分からオンラインストレージへの移行をすることで、セキュリティ強化だけでなく利便性も改善される可能性があります。
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メールから別の手段でのファイル共有を検討しているのであれば、無料から使えるセキュアSAMBAを試してみてはいかがでしょうか。