テレワークは通常のオフィス勤務とは環境が異なるため、さまざまな課題が生じます。
顔が見えず、お互いの状況がわからないテレワーク下では情報共有の課題を抱えている企業も多いでしょう。
効果的なテレワークでの情報共有方法とテレワークにおける情報共有の課題を整理し、課題を解消する方法を解説します。
テレワークは情報共有が鍵になる
テレワークは、通常のオフィス勤務と異なる環境で仕事をすることになります。
オフィス勤務と比べたテレワーク環境の特徴としては以下が考えられるでしょう。
- 従業員同士が顔を合わせられない
- 書類や資料が手元にない
- 使用できるデバイスに限りがある
このようなテレワーク環境においても、効率よく業務を進めていくには情報共有の徹底が必要です。
デジタルツールを使って離れた場所でも手軽かつスピーディーに情報共有をおこなうことで、テレワークでも効率を落とすことなく業務を遂行できます。
対面でのコミュニケーションで済ませていた部分を、テレワークでの情報共有方法はより効果的かつ気軽におこなえるように考える必要があります。
テレワークの情報共有に適したツール・方法
テレワークに適した情報共有ツールを紹介します。
メールに代わる手軽なコミュニケーションツールをお探しの方はビジネスチャット、メールでは送れない大容量ファイルを共有したい方はオンラインストレージがテレワークでの情報共有方法としておすすめです。
ビジネスチャット
ビジネスチャットとは、ビジネス用に設計されたチャットツールです。
チャットによるコミュニケーションや、ビデオ通話、タスク管理、ファイル共有などの機能が備わっています。
メールと違って署名などの文末の定型文も不要なため、気軽でスピーディーなコミュニケーションを実現できます。
また、ビデオ通話やタスク管理などテレワークに役立つ機能が多数備わっているため、1つのツールでさまざまな作業が完結するのも魅力です。
メールで送信できない大容量ファイルも共有できますが、後述するオンラインストレージに比べると容量は小さいことが多いです。
そのため、オンラインストレージと併用し、コミュニケーションはビジネスチャット、ファイル・データ共有はオンラインストレージと使い分けるのもおすすめです。
オンラインストレージ
オンラインストレージとは、インターネット上でファイルやデータを共有・編集・保存できるサービスです。
インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、テレワークにぴったりです。
また、ほとんどのオンラインストレージでは、利用人数や容量に応じた料金体系が設定されているため、導入・運用コストを安く抑えられます。
ほかのファイル共有サービスと比べて、導入の手間が少ないのもメリットです。
オンラインストレージは、テレワークを強力にサポートする情報共有ツールといえます。
グループウェア
グループウェアとは、チャット・タスク管理・ファイル共有・文書管理などの機能がひとまとめになったサービスです。
インターネット環境があればアクセスできるため、テレワークの情報共有に役立ちます。
また、1つのツールでさまざまな情報共有ができるため、複数のツールを導入しなくて済む点もメリットです。
一方、多くの機能が備わっているばかりに既存のツールとの使い分けが問題になることもあります。
タスク管理ツール
タスク管理ツールとは、タスクを可視化してプロジェクトの円滑な進行をサポートするツールです。
タスクの期限設定やタスクの割り振り機能があり、タスクの遅れや情報共有漏れを防ぐことができます。
いちいち従業員に進捗を報告させなくても進捗が把握できるため、テレワークのように離れた場所で1つのプロジェクトを進めていく際に効果的です。
また、テレワークの課題として挙げられる「ほかの従業員が何をしているか分からない」といった問題も解消できます。
テレワークの情報共有に適さないツール・方法
一般的に使われている情報共有ツールや方法の中には、テレワークに適さないものもあります。
これまで利用していたからと言って、テレワークでも同じように効果的に使えない可能性もあることは考えておくべきでしょう。
メール
多くの企業で使われているメールですが、テレワークの情報共有にはあまり向いていません。
以下の理由から、メールがテレワークの情報共有に適さないと考えられます。
- 大容量ファイルが送れない
- 定型の挨拶文が多く、送信するのに時間と手間がかかる
- やりとりを見返しにくい
- ほかのメールに埋もれて情報共有漏れが発生する可能性がある
通常のオフィス勤務では、声をかけて確認すれば済むような些細な内容であってもテレワークでは何らかのツールを使ってコミュニケーションを取らなければいけません。
メールは、堅苦しい表現になりがちで定型の挨拶文も多いため、そのような場面で使うと非常に手間がかかります。
メールをメインの情報共有ツールにすると、コミュニケーション不足や業務効率の低下に繋がる可能性があるのです。
そのため、メールはテレワークにおける情報共有に向いていません。
電話
電話はその場でコミュニケーションのやりとりが完結し、緊急の場合には非常に役立つ情報共有の方法です。
しかし、テレワークにおいては「いつ電話がかかってくるか分からない」という精神的負担を従業員に与えかねません。
テレワークにおいては電話代を企業・従業員のどちらが負担するのかという問題や、外部とのやりとりが発生する場合は、個人の携帯番号を知らせてしまうというプライバシーの問題も発生します。
また、やりとりの記録が残らないのも電話のデメリットです。
緊急の場合をのぞき、電話はテレワークの情報共有として使うべきではないでしょう。
FAX
FAXは、そもそもFAX機がないと使えない情報共有の方法です。
携帯電話が普及したなかではFAX機がない家庭も多く、物理的に情報共有ができないという点でテレワークには向いていません。
また、電話と同様、通信費を企業・従業員のどちらが負担するかという問題や、電話番号を外部に伝えてしまうという問題もあります。
なお、取引先との関係でどうしてもFAXが必要な場合は、インターネット回線を使用したインターネットFAXを利用するとよいでしょう。
テレワークの情報共有課題とは?
テレワークは物理的・精神的な壁により情報共有の課題が生じやすい環境です。
テレワークにおける情報共有課題として代表的なもの紹介します。
情報共有のスピードが落ちる
テレワークでもメールや電話などオフィス勤務と同じ情報共有手段を使用する場合、情報共有のスピードが落ちることがあります。
なぜなら、直接話すことのできないテレワークでは、必然的に電話やメールを使った情報共有が増えるからです。
情報共有の回数が増えたのにデジタルツールによる効率化を図らなければ、回数が増えた分だけ情報共有のスピードは落ちてしまいます。
情報共有のスピードが落ちれば業務効率の低下や残業の増加などに繋がり、従業員のモチベーションも下がってしまいます。
精神的なハードルがある
テレワークにおける情報共有は、オフィス勤務と比べて精神的なハードルが高いのが特徴です。
例えば、顔が見えるオフィス勤務であれば「〇〇さん手が空いてそうだから、この仕事をお願いしよう」というように相手の状況を見た上でコミュニケーションができます。
一方、テレワークでは相手の状況が分かりません。
「こんな些細なことを聞いてもいいだろうか?」「忙しいかもしれないから、仕事を頼むのはやめておこう」といった気持ちが、円滑な情報共有を妨げてしまうのです。
その結果、コミュニケーション不足や業務効率の低下、情報共有漏れによるミスの発生など、ほかの問題に発展してしまいます。
情報が属人化しやすい
テレワークは、情報共有スピードの低下やコミュニケーション不足といった問題が起こりやすい環境です。
その二次的なデメリットとして、情報が属人化しやすいというものがあります。
情報共有が十分におこなわれないことで「〇〇の案件については△さんしか知らない」「上司から仕事に必要な情報が十分に共有されない」といった状況が発生するのです。
情報の優先順位がわかりづらい
テレワークでメールを使った情報共有をおこなっている場合、情報共有漏れがないようにと【重要】【必読】などのメールが増える可能性があります。
その結果、本当に優先度の高いメールがどれか分からなくなってしまいます。
テレワークに適したツールを使わずに情報共有を密にすると、このような弊害が発生することがあるのです。
テレワークの情報共有課題を解消する方法
テレワークにおける情報共有の課題を解消するには、情報共有のハードルを低くし、精度の高い情報共有をおこなうことが大切です。
テレワークの情報共有課題を解消する方法を紹介します。
手軽にコミュニケーションをとれる環境を作る
まずは、情報共有のハードルを下げる工夫が必要です。
手軽にコミュニケーションをとれる環境を作るには、以下のような方法があります。
- ビジネスチャットを導入する
- 定期的にビデオ通話をおこない、顔を合わせたコミュニケーションの機会を作る
- 日報に仕事とは直接関係のない雑談のような欄を設ける
情報共有の物理的なハードルと精神的なハードルの両方を取り除く工夫をしましょう。
中でも、ビジネスチャットは対話のような感覚でコミュニケーションが取れるため、情報共有のハードルを下げる方法として特におすすめです。
オープンな情報共有を心がける
個人間で情報共有をするのではなく、グループチャットやオンラインストレージなどを活用してオープンな情報共有を心がけましょう。
オープンな情報共有をすることで情報の属人化を防ぐことができます。
5W1Hを意識した情報共有をおこなう
テレワークにおける情報共有では、5W1Hを意識することが大切です。
5W1Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「 Who (誰が)」「What (何を)」「Why(どんな目的で)」「How(どのように)」を明確に記載する情報共有の方法です。
5W1Hを意識した情報共有をおこなうと、再度聞き直す手間が省けたり情報の優先度が把握できたりするなど、テレワークでも情報共有の質が落ちません。
5W1Hの意識はテレワークだけに必要なものではありませんが、気軽に質問できないテレワークだからこそ5W1Hを意識することが大切です。
情報共有のルールを決める
お互いの状況が見えないからこそ、テレワークにおける情報共有のルールを決めておく必要があります。
ルールの例としては、
- ツールの使い分け
- 情報共有の時間帯
- 情報共有の範囲(必ず上司を含めるなど)
- 業務報告の方法
- 情報共有の回数(1日に1度はおこなうなど)
ルールをあらかじめ決めておくことで、コミュニケーション不足や情報の属人化を防ぐことができます。
なお、新たなルールを増やしすぎると従業員の負担になる可能性があるため、従業員の負担を最小限に抑えつつテレワークの情報共有課題を解消できるルール作りが重要です。
テレワークでの情報共有の課題解決にオンラインストレージ
テレワークはオフィス勤務と違う環境だからこそ起きる課題がたくさんあります。特に、情報共有の課題は業務効率に直結するため、必ず解決しておきたい項目です。
テレワークに適したツールを活用し、手軽で効率的な情報共有ができる環境を整えましょう。
導入しやすく、テレワークの情報共有課題の解決に役立つツールとしておすすめなのがオンラインストレージです。
中でも、中小企業に1番選ばれているオンラインストレージ「セキュアSAMBA」は、ローカルフォルダのような操作感で誰でも手軽に利用できます。
テレワークにおける情報共有の課題を解決するツールとして、無料から使えるセキュアSAMBAの導入をご検討ください。