メリットの多いテレワークですが、じつは心身ともに不調をきたすケースも少なくありません。
腰痛や肩こり、運動不足に悩まされたり、孤独の作業でメンタルが落ち込んだりと、テレワークに悩みを感じてしまう場合もあるのです。
厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」でも、勤務中の移動や中抜け問題など、テレワークならではの注意点などが記載されています。
テレワークの悩みをどのように解決するべきか、具体例とともに解説します。
テレワークでも悩みは出てくる?
テレワークといえば、「通勤時間がない」「飲み会に付き合わなくて済む」など、メリットばかりあるように見えます。
しかし、実際には、テレワークという働き方によって、身体的な痛み、健康面の悪化、精神的な苦痛を生じるケースもあり、テレワーク特有の悩みというものもあるわけです。
企業の労務管理が甘いテレワークの場合は、個人の自己管理に依存するため、結果として超過労働になったり健康問題を悪化させてしまう場合もあります。
テレワークはメリットが多いことは確かですが、テレワークの悩みを生じさせないためにはしっかりした管理体制や運用体制が必要になります。
つまり、適切な運用や管理ができていなければ、さまざまなテレワークの悩みが生まれてしまうこともあるのです。
テレワークの悩み:業務面での悩み
テレワークの悩みとしては業務面の悩みがまず出てくるでしょう。
業務を進めるにあたって、なかなか快適な環境が作れず、集中力が続かない、結果的にやることが増えてしまうといった悪循環に陥ることがあります。
業務面においてテレワークの悩みにどのようなものがあるかを確認していきましょう。
集中力が続かない
集中力が続かない原因として、デスク周りが散らかっている、同居する家族の騒音がする、動画やスマホゲームなど誘惑されるものがたくさん目に付く、といったことがテレワークの場合は挙げられます。
オフィス勤務ではありえない環境に置かれるため、仕事に向き合う工夫や環境の整備を意識する必要があるでしょう。
オン・オフの自己管理が難しい
テレワークは仕事とプライベートの境界があいまいになりがちです。
上司がそばにおらず、全体の動きも見えないので、どこからどこまでが仕事で、どこからがプライベートなのかを自己管理しなくてはいけません。
曖昧なままだと集中力が続かず、だらだらと勤務時間ばかりが増えてしまったり、プライベートでも仕事に追われたりとストレスを感じる原因となるでしょう。
進捗具合がわかりにくい
個人で淡々と仕事を進めるだけだと、全体としての進捗具合がわかりにくいという点がテレワークには特にあります。
オフィス勤務であればチームでのコミュニケーションがすぐにとれるため、進捗具合の把握や軌道修正も簡単にできます。
テレワークでは、Chatworkなどのチャットツールを利用して対処しないと不安やストレスを感じてしまうことも多くあるでしょう。
進捗がわからないことで、自分の仕事に不安を感じてしまう、思うように仕事を進められないなどの悩みを感じてしまうかもしれません。
時間外の業務が増える
テレワークの場合は労務管理がしっかりなされていても、つい仕事を続けてしまうことがあります。
やる気があり、マジメな人ほど時間外労働や隠れ残業をしてしまいがちです。
その結果、心身の疲労が増してしまったり、プライベートの時間が減ってしまいテレワークの悩みにつながってしまうことも考えられます。
勤務時間外は業務にアクセスできないようにするなど、セキュリティ面においても制限が必要です。
同居人の生活音が気になる
自宅でテレワークをする場合は、同居人の生活音との共存をしなければなりません。
別室のテレビの音や子どものきょうだい喧嘩の声、掃除機の音など、オフィス勤務では聞こえない音ばかり聞こえると、集中力が乱れます。
耳栓をするといった雑音のシャットアウトをする、同居人と仕事のスケジュールを共有し、仕事中はなるべく静かにしてもらうなど協力を依頼しましょう。
セキュリティ面の不安
パソコンがセキュリティインシデントを起こした場合、オフィスであればすぐに相談し対処できますが、テレワークだと連絡がつかない、対処法がわからないといった不安があります。
自宅で、一人でいるときにインシデントが起こった際はどのように対処するのか、マニュアルに沿って素早く行動できるよう、事前の準備が大切です。
その上で、マルウェア感染を許す、不正アクセスや情報流失するといった脅威を防ぐためにも、根本的なセキュリティ対策は必須となります。
ウイルス対策ソフトを入れる、怪しいメールは開かないなど、セキュリティ対策の意識を高めましょう。
テレワークの悩み:健康面での悩み
テレワークの悩みとして、運動不足になりやすい点があります。
また、自宅でのテレワークの場合は環境や機器の利便性や快適度によって生じる悩みもあるので確認していきましょう。
腰痛・肩こりなど体の痛み
テレワークの悩みには、腰痛・肩こりなど身体の痛みを感じるものも含まれます。
通勤しない、オフィス内を動き回る必要がないといった具合に、自宅でのテレワークの場合は座ったままでいるということが多いからです。
同じ体制や座りっぱなしでいることやデスクや椅子などの作業環境によっても、体の不調や運動不足を招く可能性があります。
運動不足による生活習慣病のおそれ
テレワークが増えると、明らかな運動不足となり、体重や体脂肪率が増加します。
1日の歩数が減り、つい間食が増えるため、必然的に肥満になりやすい環境となります。
運動を意識しないと、生活習慣病が増えていくのは必至でしょう。
生活サイクルの乱れ
始業時間と終業時間があいまいだったり、自己申告制だったりすると、起床・就寝や食事をする時間が乱れ、生活サイクルが狂いやすくなります。
メリハリのある生活を送るためにも、企業側が労務管理を徹底する、労働側も自己管理を自主的に行うといった努力が必要となります。
気づきにくい超過労働
「いつでも仕事ができる環境にある」ため、勤務時間外にうっかり業務連絡をとってしまうことがあります。
生活時間との境界が不明瞭なので、長時間労働をしていてもその自覚がないままで、体力や精神を自覚のないままに消耗していく可能性があります。
テレワークの悩み:精神面での悩み
テレワークならではの精神的ストレスにさらされ、メンタルが疲弊するという悩みがあります。
オフィス勤務でも精神的ストレスによるメンタル不調は多くありますが、テレワークならではの精神面の悩みにつながる原因を確認していきましょう。
気分転換をするタイミングがない
テレワークでは気分のリフレッシュをするタイミングがなく、気持ちがふさぎやすくなり、能力を発揮しにくくなります。
例えば散歩が脳を活性化させ、記憶力や思考力に良い影響を与えることは有名です。
しかし、部屋にこもりがちのままでは、なかなか脳をフル活用できません。
オフィス勤務であれば通勤のために否応なく外へ出ることになり、それが結果的に気分転換にもつながっています。
能力を最大限に生かし、気持ちの落ち込みを予防するためにも、テレワークでは自ら気分転換の機会を作る必要があります。
張り合いがなくなる
テレワークでは周囲の状況がわかりにくく、張り合いがなくなりモチベーションが下がる可能性があります。
仕事をしていても周りの同僚たちがどのくらい進み、どのくらいの成果を出し、どう評価されているか見えにくいため、進捗具合を比較しにくいという悩みがあります。
オフィス勤務であれば同じフロアのライバルたちを可視化できるので、悔しさや憧れから仕事を頑張ろうという気持ちも芽生えるはずです。
ツールを使ったこまめなコミュニケーションや、クラウドファイルを使った進捗状況の共有などで、頑張りの目安を作りましょう。
メンタルヘルスの悪化の恐れがある
ちょっとした会話や相談事など、周囲にいるはずの同僚とコミュニケーションをとる機会がなくなるため、孤独感を感じやすくなります。
黙々と作業するのが好きな人はともかく、一人でストレスを発散できないタイプの人はメンタルの落ち込みが悪化するかもしれません。
人事評価への不安が高まる
雇用主が直接勤務態度を見ることがないため、「人事評価が正しく行われているか?」が不安材料となります。
企業側はこれまで以上にオンライン面談やチャットツールを利用し、進捗状況や成果までの過程を聞くなどして、コミュニケーションを図っていくべきです。
テレワークの悩みを抱えたままで働くリスク
テレワークの悩みやマイナス要素を放置したまま業務を続けると、労働者は作業能力を100%発揮できない状態になり、心身ともに健康を害します。
その結果、どれだけ優秀でも離職してしまう、仕事に復帰できないといった状況に陥る可能性があるのです。
一方で、管理体制の甘かった企業は優秀な人材を確保できず、中長期的な業績の低下を被る可能性があります。
企業も個人も、どちらも成果を出せる運用をするためには、テレワーク体制の基盤を整えるのが重要です。
テレワークの悩みを解決するには?
テレワークの悩みを解決するには、就業規則の見直しや経済的な補助、労務管理やコミュニケーションツールの共有などが必要です。
例えば、テレワーク特有の現象としてあるのが「中抜け」です。
この中抜け時間を「休憩」扱いにして終業時間を遅らせるのか、有給休暇の消化に充てるのかなど、あらかじめ告知して対処するのが望ましいでしょう。
そのほか、雇用側がセキュリティ対策を施したパソコンを貸与したり、周辺機器の購入費用を補助したりすれば、労働者の経済的負担を軽減できます。
同居家族の問題で効率が下がるようなら、サテライトオフィスやワークスペースを確保するとより働きやすくなります。
上司と部下、本社と作業場所の距離が離れているからこそ、信頼関係の構築が要となります。労務管理には一日数百円から利用できる勤怠管理ツールがおすすめです。
また、Zoomなどの会議ツールやChatworkなどのビジネスチャットツールを活用して、積極的に双方向のコミュニケーションを取るのも効果的でしょう。
テレワークの悩みが出ないように運用しよう
テレワークでの悩みを「なかったことにする」「先送りにする」のは良くありません。
さまざまなテレワークの悩みに対して解決に向けた行動をしなければ、当面は大丈夫でも、長期にわたって高いパフォーマンスを発揮することができなくなるでしょう。
テレワークの悩みの一つでもあるセキュリティ面や情報共有の不安は、オンラインストレージ「セキュアSAMBA」を活用することで解決につながるかもしれません。
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