ファイルサーバ―の利用は情報共有が快適になり便利ではありますが、適切にファイルサーバーの管理をしないと生産性が落ちて業務支障が出てしまうことがあります。
ファイルサーバー管理の目的と必要性を理解し、適切な運用ルールを策定・実施することで業務効率化による生産性の向上を遂げることが可能です。
ファイルサーバー活用のために、正しいファイルサーバーの管理方法を身につけましょう。
ファイルサーバー管理の目的と必要性
ファイルサーバーを導入したあとに、「導入したので後は自由に使ってください」ということは厳禁です。
利便性と業務効率化のために導入したファイルサーバーが原因で、逆に生産性が落ちて業務に支障が出てしまう可能性があるからです。
業務効率化によって生産性を向上するためには、ファイルサーバーの適切な管理は必須事項です。
まずは、ファイルサーバーの管理目的を正しく理解することで必要性を認識しましょう。
ファイルサーバー管理の目的:業務効率化による生産性の向上
ファイルサーバー内のどこに何があるかわかりやすく整理することで、目的のファイルへ素早くアクセスできたり、スムーズなファイル共有が可能になります。
無駄な時間をかけてファイルサーバー内を検索したりフォルダ徘徊することを防ぎ、検索コストの削減につながります。
結果的に業務効率化になり、削減された無駄な時間を本来の作業に充てることで、生産性の向上にもつながります。
ファイルサーバー管理の目的:容量不足トラブルの防止
業務に無関係なデータを格納したり、使わなくなった古いデータが蓄積されていくことでファイルサーバーはあっという間に容量不足になります。
使用用途や古いファイルの取り扱いについてルール化することで解消できます。
また、定期的に監視したり、将来のデータ量を予測したりすることで、突然容量不足になって業務に支障がでるということに陥る心配もなくなります。
ファイルサーバー管理の目的:セキュリティ対策
フォルダやファイルに適切なアクセス権を設定することで、情報漏洩などのリスクが削減できるようになります。
フォルダやファイルに対して誰が参照、編集が可能なのか、きちんと設定をしましょう。
また、ファイルサーバーでは「誰がいつどのような操作をしたのか」という記録がログとして残ります。
ログを定期的に監視することで、不正アクセスを発見したり、情報の持ち出しリスクを軽減させることができます。
さらに、セキュリティ事故の発生時の原因特定も容易になります。
ファイルサーバーの管理が不適切な場合の影響
ファイルサーバーの管理が不適切だった場合、大きく2つの影響を及ぼします。
業務の非効率化により生産性が低下する
古いファイルの扱いなどの取り決めをしないことによって、経年によりファイルは増える一方です。
さらに、命名規則やフォルダ構成も決めていないことで、ファイルを探しづらくなって検索コストが増大します。
また、ファイルが見つからないことは従業員のストレスにもなるため、さらに効率が下がる可能性もあります。
結果的に、ファイルを探している時間分、本来の作業が停滞して生産性も低下することになります。
データの流出・消失リスクがある
適切なアクセス権の設定やログの監視をしないことで、データが流出するリスクがあります。
事故が起きることで会社の社会的信用が失墜し、業務に多大な影響を及ぼすことになり、場合によっては行政指導が入ったり、刑事責任や損害賠償責任に問われる可能性もあります。
また、ログがなければ流出した場合に原因の究明が困難になります。
適切なファイルサーバーの管理方法と運用ルール
ファイルサーバーを適切に管理するためには具体的に何をする必要があるのでしょうか。
代表的なファイルサーバーの管理方法を確認していきましょう。
ルール策定
まずはファイルサーバーを適切に運用するためのルール策定が必要です。
どこにどのようなファイルを格納するのか、使わなくなったファイルはどうするのかなど、細かい取り決めを行います。
ルールは作っておわりではなく、マニュアル化など利用者全員にしっかり教育して徹底させることが重要です。
アクセス権限の設定
誰もがどのファイルにもアクセスできる状態だと、意図しない編集や削除をされてしまうリスクや、機密情報の持ち出しなど、様々なリスクが発生します。
フォルダやファイルに適切なアクセス権限を設定して、制限することが重要です。
ファイルを参照することだけ許可して編集はできないようにしたり、そもそも参照もできなくしたりと、部署や人毎に正しい権限を設定しましょう。
ログの確認
ファイルサーバーには多くの人がアクセスするため、悪意のある人間によってデータを持ち出されたり不正利用される可能性があります。
いつ、誰が、どのデータに対して何をしたのか、ログを定期的に取得してチェックすることが大切です。
何か発生した際にはそこから原因を特定することもできます。
ファイルサーバー管理・運用ルール策定のポイント
適切なファイルサーバー管理のためには、運用ルールが必須です。
実際にどのようなファイルサーバーの運用ルールを策定すれば良いのか見ていきましょう。
ファイル名やフォルダ名のルール化
ファイル名やフォルダ名に命名規則をつけることによって、ファイルを効率良く探せるようになるほか、利用者がファイル名をつけるときに悩むこともなくなります。
誰が見ても理解できるようなわかりやすいファイル名になるようなルールにしましょう。
たとえば、見積書のファイル名を「文書番号_取引先_”見積書”_見積作成日」というルールにすることで、「M001_株式会社ABC_見積書_20220101」というファイル名になり、誰が見ても「2022/01/01に作成した株式会社ABCへの見積署」ということがわかるようになります。
フォルダ名は、「01_〇〇」のように冒頭に連番をつけることで、数字の小さい順にフォルダが並ぶことになって探しやすくなるため、おすすめです。
フォルダ構成
フォルダ構成を統一することで、常に整理された状態でファイルサーバーを利用することができます。
ファイルを格納する人も悩まずに済み、探す人も見つけやすくなります。
たとえば、見積書を格納する場所の構成を「部署」-「年度」-「取引先」というルールにすることで、どこの部署がいつ誰に出した見積書なのかわかるようになります。
ファイルへのタグ付け
タグ付けはファイルを検索したり、何のファイルなのか一目でわかるようになるため便利です。
フォルダを分けることでどのフォルダに置けば良いのか難しい場面もあると思います。
たとえば、取引先のA社とB社に対して使用した提案書のファイルがあったとき、「A社」フォルダと「B社」フォルダに同じファイルを置くことは好ましくありません。
一方に修正があった場合には両方のファイルに対して同じ修正するなど、常に同期を取る手間があるためです。
そんな時は「取引先共通」フォルダを作成してその中にファイルを格納し、「A社」と「B社」というタグ付けをすることで、ファイルは1つで済み、A社とB社に対して使用したファイルということもわかるようになります。
タグ付けは活用されていないことも多いですが、とても便利なので活用するためにルール化しておきたいテクニックのひとつです。
フォルダの作成条件
置き場所がよくわからないファイルを「一時フォルダ」や「Workフォルダ」、「個人名フォルダ」などを作成して格納することは、結構ありがちなことだと思います。
こういったフォルダは時間が経つと、必要かどうかの判断が難しくなり、消すに消せないファイルがいつまでも残ることになり、ファイルサーバー容量を圧迫してしまうことにつながります。
定められたフォルダ構成以外のフォルダを作成する場合は、管理者に申請するルールにするなどの制限をした方が、円滑なファイルサーバー運用をすることができます。
古いファイルの取り決め
経年とともにファイルの数は増えていきます。
不要なものをいつまでも残していては、いずれはファイルサーバの容量は不足してしまいます。
フォルダやファイルごとに保管期限を決めて、期限を迎えたものは削除するかアーカイブ保存するかなど、古いファイルに対してのルールをしっかり決めましょう。
オンラインストレージで効率的なファイル管理をしよう
オンラインストレージサービスは、ファイルサーバー管理にかかる手間やコストを削減できます。
どこからでもアクセスできることによる利便性向上はもちろん、機器の故障や災害などのBCP対策にもなります。
オンラインストレージ「セキュアSAMBA」ではアクセス経路とファイルが全て暗号化されるため、安心して利用できます。
アクセス権の設定はもちろん、緊急時にアカウントをロックしたり、端末認証や二段階認証もできたりと、セキュリティも強固で安心して利用することができます。
アカウント毎にマイフォルダという個人フォルダ機能があるため、ルール化したフォルダ構成内に勝手に作成されることもなくなります。
ストレージの容量もご利用状況に合わせたプラン選択やプランのカスタマイズも可能なため、臨機応変にご利用いただけます。
適切なファイルサーバーの運用を行うためにも、無料から使えるオンラインストレージ「セキュアSAMBA」をご検討ください。