バックアップとは、データ破損や紛失に備えて、データを複製して別の場所に保存しておくことを言います。
機器が故障してしまったり、ミスでファイルを削除してしまったりと、データが失われてしまう機会は誰にでも起きる可能性があります。
バックアップを取っておくことで、万が一、不測な事態が起きた場合にも被害を抑えることができます。
不測の事態に備えるためにもバックアップのやり方や取り方を確認していきましょう。
バックアップのやり方は範囲によって種類がある
バックアップのやり方の前に、まずバックアップの範囲を決める必要があります。
バックアップは二種類の取り方があります。
ひとつは「システムバックアップ」、もうひとつは「データバックアップ」です。
それぞれの意味と特徴を解説いたします。
システムバックアップ
「システムバックアップ」は、PCをまるごとバックアップすることを言います。
WindowsやMacなどのOSや設定、インストールしているソフトウェア、保存しているデータなど、丸々バックアップをすることです。
PCに何かトラブルが発生した場合も、システムバックアップをした時点の状態へ戻すことができます。
イメージファイルと呼ばれるファイルに圧縮して保存するため、イメージバックアップとも呼ばれています。
ただし、PCを丸ごとバックアップするため、圧縮するとはいえ、バックアップファイルはかなりの大容量になります。
容量の少ないUSBメモリやSDカードなどには保存することができないのでバックアップ先を確保することが必要になります。
データバックアップ
「データバックアップ」は、特定のデータファイルのみをバックアップすることを言います。
個々のファイルのバックアップのため、システムバックアップほどの容量にはならないほか、バックアップ時間も早いです。
システムバックアップは常にPC全体のバックアップですが、データバックアップは差分バックアップや増分バックアップにより効率的にバックアップをとることが可能です。
バックアップデータの方法の前にまず保存先を理解しよう
バックアップはデータの複製です。
元のファイルと同じところに保存していては、PCが故障した場合には一緒に消失してしまうので、あまり意味がありません。
バックアップファイルは元々の媒体とは別の場所に保存することが基本です。
保存先は、外付けハードディスクやUSBメモリ、SDカード、CDやDVDなど様々な媒体が存在しますが、最もおすすめなのがオンラインストレージです。
オンラインストレージへバックアップファイルを保存するということは、外付けハードディスクやUSBメモリと違って手元にあるハードディスクに保存するわけではなく、インターネット上にあるハードディスクに保存するということになります。
バックアップ方法をオンラインストレージにするメリット
バックアップ方法や保存先として最もおすすめであるオンラインストレージのメリットを紹介します。
まずは「気軽に使用できること」が一番のメリットになります。
外付けハードディスクやUSBメモリの場合、使用時に接続する必要があったり、CDやDVDの場合はライティングソフトなどを使ってデータを焼く必要があります。
ハード自体もどこかに保管しておく必要があるため、保管場所が必要だったり、必要なときにすぐに使用できない可能性もあります。
オンラインストレージはインターネットにさえ繋がっていれば、外付けのハードは一切不要なので気軽に利用することができます。
また、「容量」の拡張性も大きなメリットです。
外付けハードディスクやUSBメモリの場合は、容量の上限が決まっていていっぱいになると使用できなくなるため、古いデータを整理するか新しいデバイスを購入する必要があります。
オンラインストレージはオプションで簡単に容量を増やすことができるため、臨機応変に利用することができます。
ほかには「災害対策」にも有効です。
外付けハードディスクやUSBメモリなどに保存しても、災害という避けることができない事態が発生した場合には、PCもバックアップ先も両方破損してしまうリスクがあります。
オンラインストレージの場合は、インターネット上のどこか、実際には別の地域のサーバーにデータが保存されるため、万が一の場合のリスク分散になります。
バックアップ方法をオンラインストレージにするデメリット
とても便利なオンラインストレージですが、デメリットもあります。
インターネットにさえ繋がっていればいつでもどこでもアクセスできますが、逆にインターネットに繋がっていなければ、バックアップどころかアクセスすることもできません。
また、安全なオンラインストレージを使用しないとセキュリティリスクも高まります。
データをオンラインストレージに保存するということはクラウド事業者に自分の大切なデータを預けるということになります。
セキュリティ対策をきちんとおこなっていないオンラインストレージの場合は情報漏洩の危険性があります。
ほかには、障害やメンテナンス発生時には使用できないリスクもあります。
その際には復旧を待つことしかできないため、何もできなくなってしまいます。
システムバックアップのやり方:Windowsの場合
Windows10の場合のシステムバックアップのやり方を解説します。
- 外付けハードディスクや外付けSSDに保存する場合はPCに接続します。
- タスクバーの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力して表示される検索結果の「コントロールパネル」をクリックします。
- 「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックします。
- 「バックアップと復元(Windows 7)」ダイアログが表示されるので、「システムイメージの作成」をクリックします。
- バックアップの保存先を問われるので、保存先を選択して「次へ」をクリックします。
- バックアップするドライブを問われた場合は、バックアップ対象のドライブにチェックをつけて「次へ」をクリックします。
- バックアップ対象のドライブが暗号化されている場合は、バックアップ先が暗号化されない旨のダイアログが表示されるので、「OK」をクリックします。
- 「バックアップの設定を確認します」と表示されるので、内容を確認して「バックアップの開始」をクリックします。
- しばらくすると「システム修復ディスクを作成しますか?」と聞かれるので必要な場合は「はい」、不要な場合は「いいえ」をクリックします。
- 「バックアップは正常に完了しました。」と表示されたら完了です。「閉じる」ボタンをクリックしてください。
システムバックアップのやり方:Macの場合
つづいて、Macの場合のシステムバックアップのやり方を解説します。
- 外付けハードディスクや外付けSSDに保存する場合はPCに接続します。
- メニューバーにある時計マークをクリックして、Time Machineの環境設定をクリックします。
- 「バックアップディスクを選択」をクリックします。
- バックアップディスクを選択して「ディスクを使用」をクリックします。
- バックアップが自動的に開始されます。
データバックアップのやり方:Windowsの場合
Windowsには、データファイルを定期的にバックアップしてくれる「ファイル履歴」という機能があります。
はじめて「ファイル履歴」を設定する場合の手順を解説します。
- スタートメニューの歯車マークの「設定」をクリックします。
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 左側の「バックアップ」をクリック後、右側の「ドライブの追加」をクリックして、バックアップ先を選択します。
- 「その他のオプションをクリック後、「今すぐバックアップ」をクリックします。
- 自動的にバックアップが開始されます。
データバックアップのやり方:Macの場合
Macの場合のデータバックアップの方法はいくつかありますが、iCloudを使用したバックアップ方法を解説します。
- Appleメニューの「システム環境設定」をクリックします。
- 「ICloud」のアイコンをクリックします。
- 「Apple ID」と「パスワード」を入力してサインインします。
- 「写真」や「メール」など、バックアップしたいものを選択します。
- 自動的にバックアップが開始されます。
データバックアップのやり方:手動バックアップ
手動バックアップという言い方をしていますが、他のデバイスにファイルをコピーするだけです。
外付けハードディスクや外付けSSD、オンラインストレージなどにバックアップしたいファイルをコピーしてください。
ファイルを選択した状態で、Windowsの場合はキーボードの「Ctrl + C」、Macの場合は「command + C」を押すとコピーすることができ、Windowsの場合はキーボードの「Ctrl + V」、Macの場合は「command + V」をバックアップ先で押すことによって貼り付けができます。
適切なバックアップのやり方・取り方を実践して備えよう
適切なバックアップのやり方・取り方を実践して万が一の事態に備えることが大切です。
また、バックアップの保存先の選択も重要です。
便利だけど無くしやすいUSBメモリやSDカードや、大容量だけど嵩張る外付けHDDなど、選択肢は様々ですが、その中でも、オンラインストレージを強くおすすめします。
パソコン内にデータを置かずにオンラインストレージ上にデータを保存することで紛失や情報漏洩などのリスクが抑えられます。
オンラインストレージ「セキュアSAMBA」ではアクセス経路とファイルが全て暗号化されるため、セキュリティも強固で安心して利用することができます。
また、シンプルで操作が簡単なため、直感的に利用することができます。
オンラインストレージを活用した適切なバックアップ運用を検討してみてはいかがでしょうか。