ビジネスや生活に欠かせないものとなっているインターネットですが、便利な反面、リスクについても考えておかなければいけません。
一方で、会社のPCやネットワークを利用する際は情報セキュリティに気を配っているものの、個人用のPCやスマートフォン利用においてはあまり考えたことがないという方もいるかもしれません。
個人でおこなうセキュリティ対策にはどのようなものがあるのか、その必要性と方法について解説します。
セキュリティ対策は個人でも必要不可欠
ビジネスシーンにおける情報セキュリティの重要性はすでに広く知られています。
個人情報を取り扱う会社からの情報漏えいや、ランサムウェアによる特定の会社を狙った攻撃が定期的にニュースになり、会社でセキュリティの見直しがおこなわれたり、PCを使う際に気を引き締めているという方は多いでしょう。
また、プライベートの使用という面だけでなく、テレワークの普及やBYODなどを導入していればセキュリティ対策は会社に任せるだけでなく個人としても必要性は高まってきています。
ワンクリック詐欺やアカウントの乗っ取りについて耳にしたことはあっても、どこか他人事のように感じていたり、費用をかけてまでセキュリティを強化する気になれず「きっと大丈夫」と油断したまま使い続けている方もいるかもしれません。
しかし、インターネットを利用している限り、ウイルス感染や不正アクセスなどのトラブルは誰にでも起こりうるものです。
巻き込まれてからは取り返しがつかない事態になる可能性もあるため、早急にセキュリティ対策を実施することが必要でしょう。
セキュリティ対策を個人でもすべき理由:リスクへの備え
個人のセキュリティ対策は、主に以下のような理由から、リスクへの備えとして必要といえます
日常生活におけるインターネットの重要性の高まり
日常生活におけるインターネットの利用頻度は高まる一方で、すでに生活インフラのひとつになっています。
その分セキュリティのトラブルに接する機会も増えており、何らかの事象に巻き込まれてインターネットが使えなくなってしまうと生活に大きく支障をきたすでしょう。
デバイスの複数利用によるリスク増
スマートフォンの2台持ちや、スマートフォンとタブレットの使い分けなど、今やデバイスの複数利用はめずらしくありません。
複数の端末を利用する以上、紛失や盗難はもちろん、ウイルス感染や不正アクセスのリスクも増えるため、従来以上にセキュリティに気を配る必要があるでしょう。
テレワークの普及
テレワークの普及により、個人が自宅のインターネットやPCを利用して業務をおこなう機会が増えています。
個人の端末や回線が、会社の情報やネットワークに侵入される経路になる可能性もあるため、会社の情報セキュリティを守るためには個人によるセキュリティ対策も重要になっています。
セキュリティ対策を個人でもすべき理由:攻撃への備え
インターネットを介した悪意のある攻撃、個人を狙ったものも多くあります。
以下のようなトラブルに備えるためにも、セキュリティ対策が必要です。
ウイルス感染
個人のPCやスマートフォンにもウイルス感染のリスクはもちろんあります。
その経路はメールの添付ファイル開封、Webアクセス、LANやUSBの使用など多岐にわたるため、正しい知識を身につけリスクのある行動をとらないことが大切です。
アカウントの乗っ取り
どこかからログイン情報を得た攻撃者にオンラインアカウントを乗っ取られると、個人情報の流出、同組織内への内部からのフィッシング、金融詐欺などに悪用される可能性があります。
また、パスワードを使いまわしている場合は、他のサイトや会社のシステムなどへの侵入にも利用され、第三者への被害が広まってしまう恐れもあります。
不正アクセス
不正アクセスのターゲットのほとんどは企業とされていますが、ウイルス感染やパスワードの不正入手から、個人のPCやスマートフォンに不正アクセスされる可能性もあります。
インターネットバンキングやインターネットショッピングの不正利用、企業への攻撃の踏み台にされるなど、さまざまな被害が考えられます。
ブラウザークラッシャー
閲覧している人に精神的なダメージを与えるため、またPCやスマートフォンに負荷をかけるために作られたWebページをブラウザクラッシャーといいます。
一時的に不快な思いをするだけでなく、なかには別のサイトに誘導するものもあるため、ブラウザクラッシャーを経路としてウイルスに感染する可能性もあります。
フィッシング詐欺
ショッピングサイトや銀行、クレジットカード会社を装ったメールから偽サイトに誘導し、個人情報を入力させる詐欺行為をフィッシング詐欺といいます。
メールの文面やサイトの偽装などの手口は年々巧妙になっているため、最新の事例を知るなど予備知識を得ることが大切です。
ワンクリック詐欺
メールやWebサイトで特定のURLをクリックさせるよう誘導し、アクセスした人に対して料金の振り込みをするよう脅迫する手口をワンクリック詐欺といいます。
支払い理由の確認や解約手続きのためであっても相手に連絡をとることは危険なため、無視することが総務省のホームページでも推奨されています。
情報セキュリティ対策で個人でもできるもの
実際に個人でおこなえる情報セキュリティ対策についてみていきましょう。
ID・パスワードの管理を徹底する
英数字と記号を混合させて推測されにくいパスワードを作る、定期的にパスワードを変更するなどは、最も基本的で重要なセキュリティ対策です。
パスワードを使いまわしていると、1カ所で情報が漏れたときに他のアカウントやシステムにも被害が及ぶ可能性があります。
自宅の無線LANに侵入されると通信内容を盗み見られる恐れがあるため、自宅の無線LANにパスワードを設定することも重要です。
ウイルス対策ソフトを導入する
PCをウイルスから守ったり、侵入したウイルスを駆除したりするには、ウイルス対策ソフトが必要です。
無料のウイルス対策ソフトもありますが、よりウイルス検出率が高いソフトを利用するには、プロバイダなどが提供している月額サービスをダウンロードするか、量販店でパッケージ製品を購入するとよいでしょう。
ファイアウォールを設定する
ファイアウォールとは、不正アクセスや外部の攻撃からPCやネットワークを守るためのソフトです。
WindowsのPCにはファイアウォール機能があり、コントロールパネルから有効化させることができます。
また、ウイルス対策ソフトにファイアウォールが組み合わされているものや、プロバイダがサービスとして提供しているものもあります。
フィルタリングソフトを導入する
ウイルス感染やワンクリック詐欺など、メールを経由した攻撃や詐欺を防ぐためには、フィルタリングソフトの導入が有効です。
受信自体を止める設定をしておくことで、リスクを大きく減らせます。
フリーWi-Fiは利用しない
コンビニやカフェなどの公共の場所で利用できる無料Wi-Fiには、通信を盗み見られたり情報を抜き取られたりするリスクがあります。
利便性が高いものではありますが、基本的には利用しない方がよいでしょう。
OSアップデートをこまめに実施する
PCやスマートフォンのソフトウェアを最新の状態にするOSアップデートは、日々進化するサイバー攻撃の手口から端末を守ってくれる重要な役割を果たしています。
OSアップデートによる新たに発見された脆弱性の修正をおこなわないでいると、気づかないうちに脆弱性を持ち続けることになるため、OSアップデートの通知が出たらこまめに実施するようにしましょう。
知らないメール・ファイル・URLは開かない
知らないメールやファイル、URLを開かないというのはごく初歩的なセキュリティ対策のため、意識せずとも問題なくできると思っている方は多いでしょう。
しかし最近では、一度メールの情報を抜き取ったうえで、実際にやりとりしたことのある相手からの返信を装う「Emotet」など、手口が巧妙化しています。
「あやしいメールは一目見ればわかるはず」と過信せず、タイトルや文面がもっともらしいものであっても、心当たりのないものは開かないようにしましょう。
セキュリティ対策を個人でも徹底しよう
生活におけるインターネットの重要性が増し、利用頻度と比例してリスクにさらされる機会も増えていること、個人をターゲットとした攻撃や詐欺があることなどから、個人でもセキュリティ対策の実施は不可欠です。
会社のシステムや第三者への攻撃の起点として利用されると、被害が広がり社会的信用を失うことにもつながるため、早急にセキュリティ強化に取り組みましょう。
パスワードの管理を徹底する、フリーWi-Fiは利用しないなど、無料ですぐにおこなえるセキュリティ対策も多くあるため、まずはできることから始めてみてはいかがでしょうか。
また、ビジネス使用という面だけでなく、個人利用をするサービスであってもセキュリティ対策が充実しているサービスを利用しましょう。
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