アナログ業務・アナログ作業は、デジタル化が進行する現在でも多くの職場に存在しています。
しかしながら、アナログ業務は仕事の効率を低下させ、職場にさまざまな負の影響を及ぼすことがあるため、アナログ作業からの脱却と業務の改善に早期に取り組むことが重要です。
アナログ業務の例と問題点を確認しながら、アナログ業務からの脱却に成功するためのポイントについて考えていきましょう。
アナログ業務・アナログ作業とは
アナログ業務・アナログ作業とは、デジタルツールを十分活用せずに行われる業務や作業のことを指します。
アナログ業務・アナログ作業の多くはデジタル化によって業務の質や効率の改善が可能であるため、早期のデジタル化が望まれます。
しかし、一部の業務のなかには、あえてアナログな方法を取ることで成果が上がりやすくなったり、良好な人間関係を維持しやすくなったりすることもあるので、すべてのアナログ業務が悪いというわけではなく、無駄が多いものや手間がかかるもの、改善できるのにしていないものを洗い出して対処する必要があるでしょう。
アナログ業務・アナログ作業の例
デジタル化によって改善できるアナログ業務・アナログ作業の代表的な例は、紙を使った業務・作業です。
書類の手書きはもちろん、FAXによる通信やタイムカードを用いた勤怠管理もアナログ作業に挙げられます。
メールはデジタル化されているように思われますが、添付ファイルの保存や整理、過去のメールの検索など、アナログ的な作業が付随しています。
このようにアナログ業務は人の手に大きく依存しているのが特徴です。
アナログ業務の多い職場では、仕事の効率や質を高める努力や工夫が十分に行われていないとも言えるでしょう。
アナログ業務・アナログ作業のデメリット
業務のデジタル化を怠りアナログ的なやり方を継続すると、企業にはどのような影響があるのでしょうか。
アナログ業務の主なデメリットを確認していきましょう。
情報共有が非効率
仕事上の情報共有をアナログ的方法で行うと、一連の共有作業に時間がかかったり、情報の伝達が遅れたりすることがあります。
例えば紙で作成された契約書のやり取りは、印刷や製本、郵送の作業を経て相手に届き、相手が署名や捺印をして返送するまで、一連のプロセスに時間を要します。
関係者がオフィスに不在であれば、さらに多くの時間がかかり、業務の遅延につながります。
これに対し電子契約書は互いの書類確認と電子署名を除く作業が省略され、契約までの時間が短く済むため、効率的な業務の進行に役立ちます。
書類の適切な管理が難しい
紙で作られた書類は保管スペースが必要であるのに加え、誰もが必要な書類を見つけられるよう整理するのに労力がかかります。
また、経年劣化や紛失、消失にも注意が必要です。
特に難しいのはバージョンが更新される場合の書類管理です。
古いものと新しいものが混在してしまい、どれが最新の情報かわからなくなるおそれがあります。
社員の時間と労力が費やされる
人の手で行うアナログ業務は、社員の時間と労力を費やします。
例えば紙の書類を使っていると、印刷などを含む作成の手間や管理の手間が生じます。
また、書類を回覧する場合、回覧の進捗状況を把握したいときや承認を急いで得たいときには自分の足で紙の書類の在処を探し回らなければなりません。
書類を持っている人を探すという行為には生産性がなく、アナログ業務の負の要素の最たるものと言えるでしょう。
不正のリスクが高い
アナログ的な方法で処理される業務には不正が生じやすいことも知っておかなくてはなりません。
例えば書類への捺印は、権限者本人でなくてもハンコが手に入れば可能です。
このような職場環境では、定められたワークフローが守られない風潮が作られてしまうリスクに注意が必要です。
アナログ業務・アナログ作業をデジタル化するメリット
デメリットの大きいアナログ業務・アナログ作業から脱却するためには、デジタル化を進めることが重要です。
アナログ業務をデジタル化することで期待できる業務改善について見ていきましょう。
人為的なミスを減らせる
デジタルツールを使うことで単純なミスの予防ができることがあります。
人の手を使うアナログ的方法で作業をする限り、ミスを完全になくすことはできません。
ミスを防ぐための確認作業にも時間と労力がかかります。
しかし、メールの宛先を手入力する代わりに共有されたオンラインストレージで情報交換すれば、宛先間違いによる誤送信のリスクを低減することができます。
ワークフローを標準化できる
ワークフローのデジタル化によって、業務が決められたフローに沿って行われるように整備することができます。
ワークフローのシステム化は、不適切な承認ルートや権限の逸脱を防ぎ、業務の正しい処理に役立ちます。
また、デジタル化されたワークフロー上では当事者以外でも業務の進捗状況を知ることができるため、過度に個人に依存した仕事のやり方から脱却することもできます。
フォーマットの標準化によって申請や承認の作業が円滑になるため、ミスによる差し戻しなどの減少も期待できるでしょう。
業務の処理スピードが早まる
業務がデジタル化されると、オフィス不在時に業務を停滞させることがなくなります。
処理が必要な書類を時間や場所を問わずいつでも把握でき、システム上で必要な作業を行うことができるためです。
デジタル化されたワークフローシステムからの通知を使えば「うっかり忘れていた」というミスも防げるでしょう。
作業が遅延することが減り、計画に従った業務の遂行につながります。
人的リソースを重要な業務に振り分けられる
デジタル化によって作業が効率化されると、その作業を行っている人の時間と労力に余裕が生まれ、より重要な業務に注力できるようになります。
最適な形で人材を活用することは、効率化による企業の生産性向上はもちろん、社員の働きがいにもつながります。
社員のモチベーションの向上はよりよい仕事を生み、さらに企業の生産性を上げる力になるでしょう。
適切なデータ管理が行える
デジタル化された環境ではデータを適切に保管・更新しやすくなります。
例えば、データをオンラインストレージのフォルダ内で管理すれば、すべての人が正しいファイルにアクセスできるようになります。
オンラインストレージの共有範囲によって閲覧権限も守られます。
関係者間で最新の情報が常に共有され、担当者でなくても必要に応じてデータを取り扱える環境が整います。
アナログ業務・アナログ作業から脱却するポイント
アナログ業務・アナログ作業から脱却しデジタル化を成功させるには、どのような点を押さえておくべきでしょうか。
業務のデジタル化に取り組む際の心構えとして大切なポイントを見ていきましょう。
慣れない社員にも負担がかからないようにする
デジタルツールを導入したばかりの時期は社員がツールに慣れていないため、逆に業務効率が悪くなることがあります。
そのため、できるだけ直感的に操作できる仕組みを作りましょう。
書類のデジタル化においては、既存の紙の書類から見た目が大きく異ならないようにするなどの工夫も検討しましょう。
運用しながら改善する
社員の声を反映させながら改善することを前提に運用を始めましょう。
最初から完全な形を目指す必要はありません。
デジタル化された業務を職場に定着させるためには、社員に強制するのではなく、社員が自然と使いたくなるような仕組みに近づくよう努力することが近道です。
すべての業務を対象にしない
段階的なデジタルツールの導入も重要なポイントです。
改善すべきアナログ業務がたくさんあっても、一度にすべてをデジタル化しようとすると社員の負担が大きすぎたりフォローが不十分になったりするため、失敗の原因になることがあります。
導入にも時間がかかるため、まずはデジタル化しやすい業務から取り組むことが望ましいと考えられます。
例えばオンラインストレージによる書類共有のデジタル化は、小さなチームでも取り組むことができる上、複雑なツールの理解が不要なので、最初に行うデジタル化の取り組みとして適しています。
オンラインストレージの導入でアナログ業務の脱却を始めよう
アナログ業務・アナログ作業から脱却しデジタル化を目指すときには、できるだけ現場に負担をかけずに小さな取り組みから始め、徐々に育てていくことがポイントです。
そこで、最初の取り組みとして適しているのがオンラインストレージの導入です。
オンラインストレージを使うとクラウド上でファイル共有ができるようになり、効率のよい情報共有や書類管理が可能になります。
国産のオンラインストレージ「セキュアSAMBA」は多くの中小企業に利用されており、セキュリティが充実しています。
また、プランが分かれているので、まずは少人数に導入し、利用者を段階的に増やすことも可能です。
アナログ業務からの脱却は、無料から使えるセキュアSAMBAを使ったファイル共有のデジタル化から始めてみてはいかがでしょうか。