ビジネスシーンで「紙ベース」という言葉を聞いたことのある人もいるでしょう。
「紙の資料」や「アナログな状態」をさす意味で使われる紙ベースは、企業の競争力向上をさまざまな面で妨げるものでもあり、脱却が不可欠であると考えられます。
あらためて知っておきたい紙ベースの意味とあわせて、紙ベースがもたらす弊害や紙ベースからの脱却方法について解説します。
紙ベースの意味とは
紙ベースと意味を指すことは、シーンや前後の文章によって異なりますが、おおむね以下の3つのどれかに当てはまります。
電子データとの比較:紙の記録や印刷した資料をさす
「この資料は紙ベースでください」「この記録は紙ベースで管理している」などと言われた場合、「電子データでなく印刷したものをください」「電子データでなく紙の記録で管理している」という意味になります。
「紙ベース」という言葉がもちいられるシーンとしては最もよくあるもので、ある程度デジタル化が進んでいる環境や、デジタルとアナログが混在している環境で使われることが多いでしょう。
デジタル環境との比較:アナログな状態やデジタル化が遅れている環境
「この業務は紙ベースでやっている」「あの会社は紙ベースだから」などと言われた場合は、「この業務はデジタルではなくアナログ主体でやっている」「あの会社はデジタル化が遅れている」という意味になります。
デジタルでの業務ややりとりに慣れている場合は、このような意味で「紙ベース」という言葉が出てくると、「効率が悪い」「時代の変化に追いついていない」などのネガティブなイメージを抱くこともあるでしょう。
口頭との比較:書類での処理や契約をさす
「まだ紙ベースになっていない話」「この発注はすでに紙ベースでもらっている」などと言われた場合、「まだ口頭で話している段階で契約書等は交わしていない話」「口頭での依頼だけでなく書類でもらっている」という意味になります。
また、「企画書や契約の段階で、まだ実行段階に入っていない」との意味で、「これはまだ紙ベースの段階」といった用いられ方をする場合もあります。
仕事を紙ベースで続けていると起こる弊害
紙の記録や印刷した資料、またデジタル化が遅れている状態という意味で「紙ベース」という言葉が使われる環境は、業務効率化を考えると望ましいものではないでしょう。
ビジネスシーンで紙ベースを続けていると起こる弊害を確認していきましょう。
生産性の向上が図れない
仕事の記録や処理を紙ベースで続けていると、データの一元管理や事務作業の効率化ができず、生産性向上に取り組むことができません。
また、時間の短縮や作業負担の軽減ができていないということは、ミスが起こりやすい環境であるとも考えられます。
テレワークができない
受発注や社内申請、記録の保管などを紙ベースで続けていると、仕事をおこなうのに出社が必要となってしまうため、いつまでたってもテレワークの実施ができません。
災害などの緊急事態がおこったときに、出社できないと業務を継続することができず、事業への影響が大きくなってしまう点でも、紙ベースから脱却する必要があるでしょう。
記録の保管や検索の負担が大きい
ビジネスにデータを活かすというという手法は当たり前のものとなりつつありますが、紙ベースで記録を扱っている場合、記録の保管や検索の負担が大きく、データの活用にはつながりにくいでしょう。
人手不足対策や優秀な人材の確保ができない
紙ベースはデジタル化した状態と比べ、作業時間が長く業務が煩雑になるため、効率化ができず人手不足はいつまでたっても解消できません。
効率が悪い業務フローを続けている限りは、優秀な人材が入ってきても会社にとどまる可能性は低いでしょう。
DXの推進ができず競争力が低下
経済産業省が中心となっておこなっているDXの推進ですが、デジタル化抜きには推進ができないため、紙ベースを続けていると同業他社に後れをとることになります。
「これまでも紙でやってきたし、これからも変える必要はない」と旧態依然を続けていると、将来的に取引や収益が減ることはあっても増えることはないでしょう。
環境に配慮していない企業と認識される
環境に配慮したペーパーレス化が広がっているという観点からも、紙ベースを続けることは時代に逆行することになり、顧客や取引先から環境に配慮していない企業と認識されるリスクがあります。
ビジネスにおける紙の消費を減らすためには、資料保管や業務プロセスをデジタル化することが必要です。
紙ベースからの脱却が不可欠な理由
紙ベースを続けることは、現状のやり方や業務を維持することにはなっても、業務効率化や人手不足の解消、DXによる競争力強化につなげることはできません。
生産性、データ活用、働き方の多様化、BCP対策など多くの面で同業他社に後れをとることになり、企業としての成長を停滞させることになってしまうでしょう。
今後も人手不足やDX推進の流れは加速していくと考えられるため、その最も基本的な対策として、紙ベースからの脱却が不可欠なのです。
紙ベースから脱却しデジタル化を進める方法
紙ベースから脱却するための具体的な方法を紹介します。
最終的にはすべての面でデジタル化を完了させることが望ましいですが、できることから徐々に紙エースの脱却、デジタル化を進めていきましょう。
書類電子化を進める
まずは資料の保存を紙ベースからデジタルデータに変換する書類電子化を進めましょう。
手書きや印刷された文字を読み込みデータ化するOCRを活用し、紙の帳票を電子化すると、検索が容易になり業務効率化が図れます。
データの保管にオンラインストレージを活用すれば、場所を選ばず会社のデータにアクセスができるようになり、テレワーク推進の第一歩にもなります。
業務フローのデジタル化を進める
そもそも紙資料を生まないためには、PC上で発注や申請、資料のやりとりや保管などができるよう、業務フローを変える必要があります。
業務フローをデジタル化すると、定型作業を自動化することができ、業務効率化が進められます。
承認申請・勤怠管理・顧客管理・電子契約・人事管理など用途にあわせたさまざまなシステムやツールがあるため、機能を比較して導入を検討しましょう。
自社に適したシステムを利用する
デジタルで業務をおこなうためのシステムやツールにはさまざまなものがあり、同じ用途であっても、機能や操作性、セキュリティの高さには違いがあります。
必要な機能がない場合や逆に不要な機能が多い場合、また操作性が悪い場合には、紙ベースからの脱却がスムーズに進まない原因となり得ます。
試用期間を設けたり、社員向けのマニュアルを作成したり、ときには別のシステムへの移行も検討するなどして、自社に最適なものを選択しましょう。
データ活用の方法を考える
電子化したデータをサービスの向上や業務効率化にどう活用していくか、今後どのようなデータを収集していくかなどを考えることが、DXの推進につながります。
紙ベースで仕事をおこなっていた会社が急にデジタル活用を考えたりIT人材を確保したりすることは難しいため、コンサルタントや人材派遣などの外部サービスを利用するのも方法のひとつでしょう。
紙ベースから脱却しオンラインストレージを利用しよう
紙ベースには「紙の資料」や「アナログな(デジタル化が遅れている)状態」などの意味があります。
業務効率化やDX推進などを考えると望ましい状態ではないため、紙ベースを脱却するために書類電子化や業務フローのデジタル化を進める必要があるでしょう。
電子化したデータの保管や社内外のやりとり、テレワーク導入などに活用できるのが、インターネット上にデータを保管するオンラインストレージです。
中小企業で多くの導入実績がある国産オンラインストレージ「セキュアSAMBA」は、マニュアルを読まなくても直感的に扱える操作性のよさが特徴で、アクセス経路とファイルは全て暗号化されるためセキュリティ性にも優れています。
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