大切なデータを守るため、いざというときに備えるためにバックアップは企業にとって必須のセキュリティ対策です。
しかし、バックアップはただ取っておけば良いというわけではなく、いつでも復旧できるようにしておくことが重要であり、バックアップが失敗してしまっては意味がないものとなってしまいます。
バックアップが失敗する原因とバックアップが失敗してしまう影響を確認していきましょう。
バックアップは失敗する場合がある
簡単に言うとバックアップとは、データの破損やデータの紛失に復旧できるように、あらかじめデータを複製しておいて別の場所に保存しておくことを指します。
不測の事態に備えてバックアップをとることはとても重要で必ず行っておくべきものではありますが、バックアップ自体が失敗する可能性もあります。
バックアップが失敗してしまうと、いざというときに復旧できなくなるので、バックアップの失敗についても対策が必要になります。
バックアップが失敗した場合の影響
バックアップが失敗した場合に、どのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。
バックアップが失敗したことで起こり得る影響を確認していきましょう。
人的ミスが起きた場合の影響
人にミスはつきもので、完全にミスを防ぐことは困難です。
操作ミスによって誤ったデータ更新やデータ削除をしてしまった際にバックアップが失敗していることで、バックアップデータから復旧することができなくなります。
復旧できなくなることで、最初からデータを作成する手間やコストが発生し、万が一、再作成できないようなデータの場合には業務や業績にまで影響を及ぼす可能性があります。
機器が故障した場合の影響
機器は経年とともに劣化して故障する確率が高くなっていきます。
そうならないために計画的にリプレイスやメンテナンスを実施する必要がありますが、そうしていても突然故障してしまう可能性はあります。
バックアップが失敗していると機器が故障した際に復旧することが難しくなりますし、バックアップのための機器が故障している場合は、バックアップ自体ができていないことでさまざまな部分で影響が生じてしまうでしょう。
災害発生がした場合の影響
自然災害は機器の故障以上にいつ起きてどのような被害をもたらすか推測することは難しいものです。
突然の災害によってデータが消失してしまった場合にも、バックアップがあれば復旧が可能ですが、失敗していれば復旧することができなくなるだけでなく失われてしまったという結果になる場合もあるでしょう。
ランサムウェアへ感染した場合の影響
ランサムウェアとは、ファイルを暗号化して利用不可な状態にして、復旧と引き換えに金銭を要求する悪質なマルウェアのことを指します。
ランサムウェアによって暗号化されたファイルを元に戻すことは困難であり、だからといって身代金を支払ったところで復旧してもらえる保証もないため、バックアップデータから復旧することが最善の方法となります。
バックアップが失敗していることで、費用をかけて業者に復号化を依頼してみたり、それでも駄目な場合はそのファイルを諦めざるを得ない状況になってしまいます。
サイバー攻撃の被害にあった場合の影響
サイバー攻撃によって、データの改ざんや破壊された場合、バックアップデータから復旧するしか元に戻す方法がありませんが、バックアップが失敗しているとそれができなくなります。
適切な状態に戻せないのであれば、情報を失ってしまっただけになり、今後の企業活動にも大きな影響が生じてしまうでしょう。
バックアップが失敗する原因とは
そもそもなぜバックアップは失敗する可能性があるのでしょうか。
バックアップが失敗する原因を確認していきましょう。
保存先の容量不足
バックアップデータは、HDDやSSD、USBメモリやオンストレージなどの媒体に保存することになりますが、それぞれ容量には上限があります。
容量が足りない状態でバックアップを実施すると、当然バックアップができずに失敗することになります。
負荷がかかりすぎている
バックアップデータの数が膨大だったり、バックアップデータのサイズが大きい場合、バックアップ処理の負荷がかかって失敗することがあります。
スペックの低いマシンは処理が追いつかなくなって固まってしまったり、ネットワーク帯域を占有してしまって超低速になって失敗することもあります。
ファイルが破損している
バックアップ元のデータが破損している状態でバックアップを行うと失敗することがあります。
バックアップの途中でバックアップを停止したり、PCの強制終了を行うとファイルが破損することがあるので注意が必要です。
バックアップ設定に問題がある
自動でバックアップを取る際に、バックアップ対象を誤っていたり、存在しないバックアップ先を設定していると失敗してしまいます。
バックアップ設定が正しいかどうかをよく確認する必要があります。
ネットワークに問題がある
ネットワーク経由でバックアップを行っている場合は、ルーターやLANケーブルなどのネットワーク環境に問題が発生した際に、バックアップが失敗します。
バックアップソフトによっては、ネットワークが切断された場合に再接続を試みる機能を備えているものもあるので確認してみましょう。
保存先のシステム破損
外付けのHDDやUSBメモリ、ファイルサーバーなどにバックアップ先をしている場合、ファイルサーバーのOSの破損やウイルス感染によってシステムが破損しているとバックアップに失敗することがあります。
この場合は、バックアップ元やネットワークに問題がなくても、バックアップに失敗することがあるので注意が必要です。
バックアップ失敗を防ぐためのポイント
最も多いバックアップ失敗原因は、保存先の容量の圧迫です。
保存先の残容量とバックアップ対象の容量を事前に確認して問題ないことを確認しましょう。
保存元と保存先のスペックやシステムエラーが発生していないかの状態確認を行い、バックアップ設定に問題がないかどうかを確認し、破損したファイルが予めわかっていれば取り除いておくことも重要です。
ネットワーク経由でバックアップをする場合は、安定したネットワーク環境かネットワーク工事や計画停電などがないかを事前に把握しておきましょう。
バックアップソフトを利用している場合は、失敗した場合にはエラーの旨が表示されているので検知しやすいです。
Windowsのファイル履歴を利用している場合は、イベントビューアーのアプリケーションとサービスログからログが確認できます。
また、保存元と保存先のファイルの容量が一致しているか確認し、可能であればバックアップ先のファイルを利用して問題ないかを確認することでバックアップの成功、失敗が判断することができます。
バックアップの失敗は早く気が付くことができればその分、影響は少なく済むので、バックアップが正しく行われているかを定期的に確認するようにしましょう。
バックアップが失敗したらどう対応すべきか
一時的なネットワーク負荷や停電による失敗のときは再度バックアップすると成功するので、まずはもう一度バックアップを試みてみましょう。
それでもバックアップが失敗した場合は、バックアップ設定を見直した上で破損したファイルを取り除き、他の保存先へのバックアップを試してください。
保存先や保存元のディスクチェックをして問題がないことを確認することも有効です。
Windowsのファイル履歴を利用している場合は、以前のバックアップ設定を削除してWindowsサービスの状態が開始されていない場合は、開始状態にしてください。
バックアップ失敗のリスク軽減にオンラインストレージ
バックアップ失敗で一番多い原因は容量不足で、容量不足が発生すると、保存先の情報整理が必要だったりバックアップ対象自体を見直す必要があります。
ファイルサーバーなどの場合は、HDDの増設や交換をする方法もありますが、調達や設置の手間やコストなどのデメリットが発生してしまいます。
しかし、そのデメリットはオンラインストレージを利用することで解決することが可能です。
オンラインストレージは、クラウド事業者が提供しているストレージをインターネットを介して利用するクラウドサービスです。
オンラインストレージであるセキュアSAMBAではアクセス経路とファイルが全て暗号化されるため、セキュリティも強固で安心して利用することができます。
セキュアSAMBAはプランに応じて容量拡張ができるので、ファイルサーバーのような手間や調達コストをかかりません。
また、オプションでバックアップ機能も用意されているので、ファイルサーバーの代替に普段からセキュアSAMBAを利用することで、バックアップ先を改めて用意する必要がありません。
オンラインストレージを活用した適切なバックアップ運用をするために無料から使えるセキュアSAMBAの利用を検討してみてはいかがでしょうか。