メールは、連絡手段としてビジネスにおいてもさまざまな場面で利用されており、欠かせないツールであるといえます。
しかし、メールのデメリットも強調されるようになってきており、コミュニケーションの非効率さやセキュリティ面でのリスクは広く知られるようになってきています。
メールの利用を続けるデメリットとその解決策について、あらためて考えてみましょう。
広く利用されているメールのデメリットが目立ってきている
これまでビジネスシーンでは、社内外を問わずメッセージやデータのやりとりに用いられる方法として、メールが主流でした。
しかし、メールでのやりとりのすべてか一部を他のツールに切り替える企業が増えています。
その背景には、チャットツールの普及や、PPAP(パスワード付きzipファイルを添付したメールと解凍用パスワードを別に送る方法)の廃止などがあります。
また、メールを使用することでマルウェア感染や情報漏えいのリスクが高まることや、標的型攻撃やサービス妨害攻撃(DDoS)などのメールを窓口にしたサイバー攻撃があることなども、メールのデメリットと考えられて対策の必要性が高まっています
セキュリティ対策や代替方法について検討しないままメールの利用を続けていると、メールのデメリットによるビジネス上のリスクや非効率的な状態を続けることで大きなリスクを内包している状態であると考えられるでしょう。
メールのデメリット:コミュニケーション面
メールのデメリットにはさまざまなものがあります。
まずはコミュニケーション面におけるメールのデメリットについて見てみましょう。
スピーディーなやりとりがしにくい
メールの文面は、相手の社名や名前、挨拶などを書いてから用件に入るため、短い用件を伝えるメールであっても、どうしても文字数が多くなりがちです。
そのため、チャットツールなどと比較すると、メールの作成や確認には時間がかかることが多いでしょう。
このような理由からメールの確認や作成はまとめておこなう人もいるので、すぐに反応や返信がもらえないことにもつながっており、スピーディーなやりとりがしにくいという面があります。
相手に届いているかわからない
チャットツールとは異なり、メールには既読表示やリアクション機能がないため、返信が来るまでは相手に届いているか、読まれているかがわかりません。
迷惑メールに分類され相手の受信ボックスに表示されないまま、時間が経過してしまう場合もあるでしょう。
至急の返信や対応が必要な用件の場合、メールの送信後にあわせて電話をするなどの対策をおこなわないと、取り返しがつかない事態になる可能性もあります。
添付忘れや返信忘れなどのミスが起こりやすい
業務上のコミュニケーションにメールを利用したことのある方の中には、ファイルの添付忘れや返信忘れなどのミスをした経験がある方もいるでしょう。
ある調査によれば、メール利用者の約半数が過去一年間にファイルの添付忘れを経験しているというデータもあり、比較的ミスが起こりやすいコミュニケーションツールといえます。
添付ファイルの管理に手間がかかる
ファイルがメールへの添付で送られてくると、後から見返したいときに検索の手間がかかったり、ダウンロードして別の場所に保存したりする手間がかかります。
また、返信のやりとりを重ねていたメールとは別に、添付ファイル付きのメールが送られてくることもあり、ひとつのプロジェクトや事柄に対する連続した情報管理がうまくできない場合があります。
大容量データの添付はできない
メールに添付できるファイルの容量には上限があります。
上限はメールのサービスによって異なりますが、一般的にはファイル添付の際には2MB以内の容量におさえるべきといわれています。
大容量ファイルを添付した場合、送信や受信ができなかったり時間がかかったりして、結果的に他のツールを利用した方が手間も時間もかからなかったということになりかねません。
メールのデメリット:セキュリティ面
メールのセキュリティ面でのデメリットは意識しておきたい重要なポイントです。
セキュリティ面のメールのデメリットを見ていきましょう。
ウイルス感染や詐欺の経路となりうる
メールは利便性が高いものではありますが、それは悪意のある第三者にとっても同様で、メールを攻撃や詐欺の手段として利用する例が後を絶ちません。
メールを利用した攻撃の手法には次のようなものがあります。
- 添付ファイルやURLにマルウェア(ウイルス)を仕掛け感染させる
- HTMLメールにアプレットを貼りつけ不正な動作をさせる
- URLからフィッシングサイトへ誘導し情報を盗み取る
- サービス妨害(DDoS)攻撃でメールを機能停止させる
- ビジネスメール詐欺(BEC)で口座へ送金させる
企業を対象とした攻撃や詐欺では、添付ファイルをクリックさせたり口座に送金させたりするために、顧客や取引先、ときには経営者を装ってやりとりをおこない従業員を信用させる手口も増えています。
攻撃や詐欺の手口は年々巧妙化しており、被害を避けるには複数の対策をおこなう必要があります。
誤送信による情報漏えいリスクがある
メールの誤送信はちょっとした気のゆるみやミスからでも起こってしまうものですが、機密情報の情報漏えいや企業の信用低下など大きな損失につながりやすく、ときには企業の事業継続にまで影響を及ぼします。
送信前の確認機能や、送信後一定の時間内のみ送信を取り消せる機能を備えるメールソフトやツールもありますが、ヒューマンエラーのすべてを防げるわけではないため、メールの利用を続ける限り誤送信のリスクは常にあるでしょう。
また、誤送信をしたことに気が付いていないケースも多くあるでしょうし、誤送信した後の処理も相手にお願いをするということしか基本的にはできないので、適切に処理されたかどうかがわからないというリスクもあります。
メールの内容や添付ファイルの誤送信は日常的に起きている可能性があるミスと言えますが、操作のミスとしては小さくてもそのリスクや影響はとても大きくなってしまう恐れがある危険なものであると意識しておきましょう。
メールのデメリットを解消するには
メールのデメリットを解消する方法について見ていきましょう。
対策はどれかひとつを実施すればよいというものではなく、複数の対策を実施し多角的に取り組む必要があります。
ウイルス対策ソフトを導入する
マルウェアの感染を防ぐためには、ウイルス対策ソフトの導入が不可欠です。
ウイルス対策ソフトはサービスや価格により保護できる範囲やセキュリティの強度が異なるため、あらかじめ自社が求める要件を明確にしたうえで選定しましょう。
また、定期的にソフトの更新をおこない、最新のマルウェアに対策できる状態にすることも必要です。
チャットツールに切り替える
コミュニケーションにおいてスピードを重視するなら、メールからチャットツールに切り替えるという方法もあります。
チャットであれば会話に近い感覚で短いメッセージでのやりとりができ、返信や確認が容易になります。
また、既読表示やリアクション機能がついているものであれば、返信がなくても相手が確認しているかどうかがわかるため、コミュニケーションの不安を軽減できるでしょう。
ファイル共有はオンラインストレージを使う
大容量ファイルが送れない、または送るのに手間や時間がかかる、安全に送れないというメールのデメリットを解消するなら、オンラインストレージの導入がよいでしょう。
オンラインストレージにファイルをアップロードし、ファイルやフォルダのURLを相手に通知するだけで、ファイルの受け渡しが完了します。
受け取った相手はダウンロードをしなくてもインターネット上でファイルの確認や閲覧ができます。
メールの添付ファイル間違いという誤送信を防ぐ方法として、また万が一間違ったURLを送った場合でもストレージ側で閲覧できない設定にして対策をおこなう方法としても有効です。
セキュリティ研修をおこなう
従業員に向けた研修をおこない、メールのセキュリティリスクや対策、近年の攻撃や詐欺の事例について共有することで、セキュリティ意識を高めることも大切です。
セキュリティ研修は年1回など定期的に実施するほかに、新卒社員向けなど特定の層に対してしっかりと教育をおこなう内容を導入するのもよいでしょう。
メールのデメリットを補うコミュニケーション方法を考えよう
メールは利便性が高い連絡手段のひとつですが、スピーディーなやりとりがしにくい、添付忘れや返信忘れなどのミスが起こりやすいなどのデメリットがあります。
また、メールを手段とした攻撃や詐欺の手口は年々巧妙化しており、完全な対策をおこなうことは容易ではありません。
コミュニケーションやセキュリティにおけるデメリットを解消するには、従来通りのメールの利用方法にこだわらず、自社の実態や課題にあわせて一部を他のツールに切り替えたり併用したりすることが効果的です。
大容量ファイルの送信をスムーズにおこないたい、ファイルの添付間違いによる誤送信をなくしたい場合には、オンラインストレージの導入がおすすめです。
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