近年では多くのシステムがインターネットやLANなどのネットワークに接続されており、スタンドアロンで動作するシステムは珍しくなりました。
しかし、用途によってはスタンドアロンのシステムは重要な役割を果たしています。
スタンドアロンの特徴やメリット・デメリット、利用シーンなどについてスタンドアロンとはをわかりやすく解説します。
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スタンドアロンとは
はじめに、スタンドアロンの意味を理解するため、「スタンドアロン方式」と「スタンドアロン環境」について解説します。
スタンドアロン方式とは
スタンドアロン方式は、コンピュータやデバイスがネットワーク接続されていない状態で独立して機能することを指します。
各デバイスが他のデバイスと情報を共有せず、個別にデータやソフトウェアを持つのが特徴です。
これにより、外部からのサイバー攻撃などのリスクが低くなります。
一方、ほかの機器とのデータの共有に手間がかかるため、運用効率は低くなるのが一般的です。
スタンドアロン環境とは
スタンドアロン環境は、スタンドアロン方式で動作するコンピュータやデバイスで構成されたシステム全体を指します。
スタンドアロン環境では、各デバイスが独立して機能し、互いに影響を及ぼさないため、安定性が高いのが特徴です。
また、隔離された環境であるため、セキュリティが向上し、データ漏洩のリスクが抑えられます。
ただし、データのやり取りやリソース共有が制限されるため、柔軟性や効率性が低い点が欠点です。
スタンドアロンのメリット
スタンドアロンには、ネットワークに接続されていないことによる、多くのメリットがあります。
代表的なスタンドアロンのメリットを紹介します。
オフラインで利用可能
スタンドアロンの機器は、ネットワーク接続が不要であるため、オフラインで利用が可能です。
これにより、インターネット接続が不安定な場所や、接続がまったくない場所でも、アプリケーションやデータを利用できます。
セキュリティリスクの低下
ネットワークに接続されていないスタンドアロン環境は、外部からのサイバー攻撃やデータ漏洩のリスクが低いのもメリットです。
また、ネットワークを介したウイルスやマルウェアの感染拡大を防げるため、セキュリティ面で優れています。
リソースの効率的な活用
スタンドアロン環境はネットワーク接続がないため、サーバーからの情報取得やネットワークの遅延、他システムの障害などに起因する問題がなく、効率的なリソース活用が可能です。
このような特徴から、スタンドアロン環境は、特定のタスクに集中したい場合や、独立したシステムが求められるシーンで有効に機能する仕組みといえます。
操作性の向上
スタンドアロン環境では、サーバーとの通信が不要となるため、データの送受信にかかる時間が省かれ、操作速度が向上します。
これにより、ユーザーがアプリケーションやシステムをスムーズに使えるようになり、ストレスが軽減されます。
スタンドアロンのデメリット
一方、スタンドアロンには、ネットワークで接続されていないことによるデメリットもあります。
主なスタンドアロンのデメリットを紹介します。
複数システム間でのデータ同期に手間がかかる
スタンドアロン環境では、各デバイスが独立して動作するため、複数のシステム間でデータを同期する際に手間がかかります。
ネットワーク環境下では自動的に同期されることが多いですが、スタンドアロン環境では手動でデータを転送しなければならない点がデメリットです。
アップデートの手動管理が必要
スタンドアロン環境では、アプリケーションやシステムのアップデートも個別に行わなければなりません。
ネットワーク接続された環境とは異なり自動更新ができないため、手動でアップデートを実施し、管理する必要があります。
機能が限定される
スタンドアロン環境では、外部との接続がないため、機能はスタンドアロンの閉じた環境内で実現可能なものに限定されます。
そのため、外部システムとの連携が必要な場合や、高度な処理を必要とする場合には、スタンドアロン環境では不十分な場合があります。
スタンドアロンの利用シーンの例
近年では少なくなったスタンドアロン環境ですが、どのようなシーンで利用されているのでしょうか。
代表的なスタンドアロンの利用シーン例を紹介します。
機密情報の保管
スタンドアロンの機器はネットワークに接続されておらず、外部からのサイバー攻撃や不正アクセスのリスクが低いため、機密情報の保管に適しています。
スタンドアロン環境では、物理的なセキュリティ対策(施錠、防犯カメラなど)や強固な認証を設定することで、外部の第三者や従業員のアクセスを厳密に管理することが可能です。
ただし、データのバックアップや共有に手間がかかる点には注意する必要があります。
イベント会場や展示会場の設置機器
イベント会場や展示会場では、安定したインターネット環境を確保できない場合も多く、スタンドアロン方式が活用されるケースがあります。
例えば、チケット販売機や入場ゲートのシステム、デジタルサイネージ、POS端末などが該当します。
スタンドアロン方式を利用することで、オフラインでも機能し、イベントや展示会の運営に必要な最低限の機能を提供することが可能です。
産業用機械の制御システム
産業用機械は、高い信頼性と安定性が求められるため、スタンドアロン環境での運用が適しているケースがあります。
例えば、製造ラインのロボットや検査装置などが該当します。
スタンドアロン環境の制御システムは、ネットワークに依存しないため、通信トラブルやネットワーク遅延の影響を受けることがなく、高い安定性を確保することが可能です。
一方、スタンドアロン方式では、リアルタイムのデータ共有や遠隔操作が難しいため、用途に応じてネットワーク接続が必要になるケースもあります。
スタンドアロン方式で環境構築する際の注意点
スタンドアロン方式で環境構築を行う際の、固有の注意点を紹介します。
ネットワーク接続がないスタンドアロン環境でも、物理的な不正アクセスや、外部記憶媒体を介したマルウェア感染などのリスクがあります。
適切なアクセス制御やセキュリティ対策を検討しましょう。
また、スタンドアロン環境では手動でOSやソフトウェアのアップデートを行う必要があるため、定期的に最新情報を確認し、適切なアップデートを実施する必要があります。
さらに、スタンドアロン環境で障害が発生した際に、独立した環境で問題を解決できるよう、知識やスキルを持つスタッフの体制も必要です。
スタンドアロンからクラウド移行の必要性は?
もし、スタンドアロン環境の運用に苦労している場合には、クラウドへの移行を検討してみても良いでしょう。
クラウド移行には以下のような利点があります。
- スケーラビリティが向上し、ビジネスの成長や需要の変化に迅速に対応できる
- スタンドアロン環境の運用から解放され、人的リソースを有効活用できる
- バックアップや災害からの復旧が容易にでき、万が一の際にも業務継続が可能
また、近年のクラウドサービスは、最新のセキュリティ技術や専門家による監視体制を導入しているサービスも多くあります。
そのため、スタンドアロン環境で個別に対策を講じるよりも高度なセキュリティ対策が可能なケースも少なくありません。
このように、スタンドアロンからクラウドへの移行は、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。
スタンドアロン方式の特徴を知って効果的に使い分けよう
スタンドアロン方式は、オフライン利用やセキュリティ面での強みを持ち、機密情報保管や産業用機械制御など特定の利用シーンで優れた効果を発揮します。
一方で、データ同期やアップデート管理に手間がかかるなどのデメリットもあります。
スタンドアロンの特徴を理解し、ビジネスやプロジェクトの要件に応じて適切な環境を選択することで、最適なITインフラを構築しましょう。
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