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排他制御とは?排他制御の重要性や方式・排他制御の注意点を解説

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    排他制御は、複数のプロセスが同時に同じデータにアクセスすることを防ぎ、データの整合性を保つ仕組みです。

    排他制御の基礎知識や重要性、方式、実用例など、排他制御について確認していきましょう。

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    排他制御とは

    排他制御とは、多くのシステムで用いられる重要な技術で、一度に一つのプロセスだけがデータを操作できるように制御する仕組みです。

    データベースなどでは、複数のプロセスが同時にデータにアクセスした場合、データの不整合が生じる可能性があります。

    排他制御はこの問題を防ぎ、データの一貫性と整合性の確保が可能です。

    排他制御の重要性

    排他制御は、データの整合性確保と処理の効率向上によりシステムの安定性を高める重要な仕組みです。

    排他制御の重要性を確認していきましょう。

    データの整合性確保

    排他制御のもっとも重要な役割は、データの整合性確保です。

    データベースなどで情報を保存・更新・削除する際に、複数のプロセスが同時にアクセスすると不整合が発生する可能性を否定できません。

    たとえば、1つのレコードを2つのプロセスが同時に更新しようとした場合、最初のユーザーの更新が次のユーザーの更新で上書きされる可能性があります。

    排他制御は、このような事態を避けるために、最初のユーザーの更新が終わるまで次のユーザーはデータを操作できないように制御します。

    これにより、データの整合性と一貫性を保つことが可能です。

    並行処理の効率向上

    排他制御は、並行処理の効率を向上させる役割も果たします。

    複数のプロセスが同時に実行される環境では、プロセス間でメモリやディスク領域などのリソース共有が必要です。

    その際、リソースに対するアクセスを適切に制御しないと競合状態が生じ、性能劣化などを引き起こす場合があります。

    排他制御は、こうしたリソースのアクセスを制御し並行処理の効率を向上させます。

    システムの信頼性と安定性の向上

    データの整合性確保や並行処理の効率向上は、システムの信頼性と安定性を確保するうえでとても重要です。

    データ不整合やリソース競合が起こると、システムが予測不能な動作をし、システムの安定性が低下します。

    排他制御は、データやリソースへのアクセスの適切な制御により、処理結果の相違や予期せぬエラーからシステムを守る重要な役割を果たしています。

    排他制御の基本的な流れ

    ロックを用いた排他制御の基本的な流れを、データベースの例で見てみましょう。

    データベースの排他制御では、同時に一つのプロセスだけがデータにアクセスできるようにします。

    具体的には、あるプロセスがデータにアクセスする際にデータに対してロックをかけ、ほかのプロセスがそのデータにアクセスできないようにするのです。

    そして、データの操作が終わったらそのロックを解除し、ほかのプロセスがアクセスできるようにします。

    このような、データのロックと解除の制御により、データベースシステムはデータの整合性を保つとともに、データの一貫性を維持することが可能です。

    排他制御の方式

    排他制御の方式には、大きく楽観ロックと悲観ロックの2種類があります。

    それぞれの排他制御の方式を見ていきましょう。

    楽観ロック

    楽観ロックは、データの競合が滅多に起こらないと想定されるシステムに有効な排他制御の方式です。

    楽観ロックでは、プロセスがデータを読み込む際にロックをかけません。

    その代わりに、データが最後に更新された日時を表すタイムスタンプや、更新の通番であるバージョン番号などを利用します。

    読み込んだデータの操作を終えて書き込む際に、書き込み先のデータのタイムスタンプやバージョン番号が、読み込んだデータと変わっていたら、操作中に別のプロセスによってデータが更新されたことを意味します。

    その場合、そのまま書き込むとデータ不整合が発生するため、エラーを上げて処理を中断します。

    タイムスタンプやバージョン番号が変わっていなければ、そのまま書き込みが可能です。

    楽観ロックは、ロックをかけたり待機したりする仕組みが不要であるというメリットがあります。

    ただし、競合によるエラーが頻繁に発生するとフォローに手間がかかるため、滅多に競合が起きないシステムに向いた排他制御の仕組みです。

    悲観ロック

    悲観ロックは、データの競合が日常的に起こると想定されるシステムに有効な排他制御の方式です。

    悲観ロックでは、データを読み込む際にロックをかけてほかのプロセスは操作できないようにします。

    それにより、ほかのプロセスによる上書きなどを気にせず確実に処理が可能です。

    一方で、データ更新の都度ロックをかけ、ほかのプロセスの待機が発生するため、オーバーヘッドが高くなるデメリットがあります。

    悲観ロックの仕組みは、個々のアプリケーションではなく、データベース管理システム(DBMS)などのミドルウェアで提供されるのが一般的です。

    排他制御の実用例

    排他制御の仕組みは、実際にどのようなシステムで利用されているのでしょうか。

    排他制御の実用例を見ていきましょう

    データベース

    データベースは排他制御の代表的な実用例です。

    たとえば、銀行のシステムにおいて、同じ口座に対して複数のユーザー(あるいはプロセス)が同時に引き落としを試みた場合、口座の残高を正確に管理するためには排他制御が必要です。

    排他制御を適切に行わないと、口座の残高がマイナスになるなどの問題が生じる可能性があります。

    データベース管理における排他制御は、データの一貫性と整合性を保つために非常に重要な仕組みです。

    ファイル共有システム

    排他制御は、ファイル共有システムにおいても欠かせない仕組みです。

    一般的に、ファイル共有システムでは複数のユーザーがファイルにアクセスし、それぞれが自由に編集や更新を行います。

    しかし、このような状況では同一のデータに対する競合が発生する可能性があります。

    たとえば、ユーザーAがあるファイルを開いて編集を開始し、そのあいだにユーザーBも同じファイルを開き、同じ箇所を編集した場合、どちらの編集内容を反映するかが問題になるでしょう。

    このような問題を防ぐには、ファイルには一度に一つのプロセスによってしかアクセスされないように排他制御をかけるのが有効です。

    これにより、データの一貫性が保たれ、競合を避けることが可能になります。

    ECサイト

    ECサイトでも、商品の在庫管理や購入処理において排他制御が活用されています。

    たとえば、在庫が1つしかない商品を複数の顧客が同時に購入しようとする状況を考えてみます。

    排他制御を適切に実施していない場合、すべての顧客に対して購入が成功したというメッセージが表示され、ECサイトの信頼性を損なう結果を招くでしょう。

    排他制御が正しく動作していれば、一度に一人の顧客のみが商品購入プロセスに進めます。

    このようにECサイトでは、顧客の利便性や信頼性を損なわないために、排他制御を適切に行うことが重要です。

    排他制御を実装する際の注意点

    排他制御を実装する際には、注意すべきポイントがいくつかあります。

    中でも重要な排他制御の注意点を確認していきましょう。

    デッドロックへの対策

    排他制御を実装する際には、「デッドロック」という問題への対策が必要です。

    デッドロックは、2つ以上のプロセスがお互いに他方のロック解放を待ち続ける状態を指します。

    この状態が発生すると、対象のプロセスが停止し、場合によってはシステム全体の稼働に影響を与えることもある重大な事象です。

    デッドロックを防ぐためには、ロックの順序を決める、タイムアウトを設ける、デッドロック検出アルゴリズムを用いるなどの方法があります。

    また、デッドロックが発生した際の適切な回復戦略を事前に計画しておくことも重要です。

    パフォーマンス低下への対策

    排他制御によりデータの一貫性や整合性を確保できますが、一方でパフォーマンス低下を招く可能性がある点に注意が必要です。

    特にリソースに対するロックが長時間続くと、ほかのプロセスが待機状態となり、全体のスループットが悪化する場合があります。

    この問題を緩和するためには、ロックの粒度を調整したり、必要ない場合はロックを避けたりするなどの工夫が必要です。

    また、楽観ロックと悲観ロックの適切な使い分けもパフォーマンス向上に効果があります。

    レコードロックとテーブルロックの使い分け

    データベースシステムの排他制御では、ロックの対象となる範囲、すなわち「ロックの粒度」によって、パフォーマンスとデータの一貫性のバランスを取ることが重要です。

    レコードロックはレコード単位にロックするため、ほかのレコードは影響を受けません。

    一方、テーブルロックはテーブル全体をロックするため、ほかのプロセスからはテーブルにアクセスできなくなります。

    テーブルロックはロックの管理が簡単ですが、待機が多くなるためパフォーマンスの低下を引き起こす可能性が高まります。

    対してレコードロックはロック粒度が小さくパフォーマンスは高まりますが、ロック管理の複雑性が増すためデッドロックや解放漏れなどに注意しなくてはなりません。

    システムの特性やトランザクションの性質に応じて、適切なロックの粒度を選択し、パフォーマンスとデータの一貫性をバランス良く保つことが重要です。

    排他制御はデータの整合性を確保するために欠かせない仕組み

    排他制御は、複数のプロセスからアクセスがあるシステムにおいて、データの整合性を確保するために欠かせない仕組みです。

    ファイル共有システムやECサイトなど身近なサービスでも活用されているため、排他制御の概要や重要性を理解しておきましょう。

    また、オンラインストレージを利用する際も排他制御を理解しておくことは重要です。

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