適切なアカウント管理は、企業が持つ重要な情報やシステムを、不正アクセスや不正利用から守るために欠かせない活動です。
アカウント管理のおもな業務内容とその重要性、適切なアカウント管理のポイントをわかりやすく解説します。
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アカウント管理とは
アカウント管理とは、使用するシステムやサービスなどのアカウントを安全かつ効率的に運用するための管理業務です。
企業では、PCのログインや業務システム、クラウドサービスなどさまざまなシーンでアカウントを使って業務を行います。
アカウントは、従業員の出入りや役職の変動などに応じて、追加・削除・変更しなくてはなりません。
こうしたアカウントの適切な管理は、不正アクセスや不正利用から企業の情報やシステムを守るために欠かせない活動です。
アカウント管理のおもな業務内容
企業では、アカウントの作成から削除までのライフサイクルの適切な管理が必要です。
一般的なアカウント管理業務の流れを見てみましょう。
アカウントの作成と権限設定
アカウント作成と権限設定は、新たに社員が入社したときや、社員の異動、新たなプロジェクトへの参画などの際に行う作業です。
アカウント作成では、ユーザー名や初期パスワード、メールアドレスなどを用いて個々のユーザーのアカウントを設定し、企業システムやデータにアクセスできるようにします。
権限設定は、各アカウントがどのシステムやデータにアクセスでき、どんな操作を許可するかを設定する作業です。
これらの作業は、人事発令などに基づいて行われるケースや、本人の申請によって行われるケースなどがあります。
パスワードの設定・管理・変更
アカウントが作成されたら、パスワードを設定します。
パスワード設定は多くの場合、管理者が設定した初期パスワードをユーザー自身が変更する形で行います。
パスワード設定では、第三者が簡単に突破できないよう、強固なパスワードポリシーを定めることが重要です。
設定したパスワードは定期的な変更などにより、セキュリティを維持します。
また、ユーザーがパスワードを忘れた場合には、パスワードの初期化や変更の対応を行うのもアカウント管理業務の一つです。
アカウントの監視・棚卸し
作成したアカウントは作りっぱなしではなく、監視と棚卸しを行い正しく運用されていることをチェックします。
アカウントの監視は、各アカウントの利用状況を追跡し、不審な行動がないかを確認する作業です。
棚卸しでは、定期的に全アカウントを確認し、不要なアカウントが残っていれば削除や無効化します。
アカウントの監視と棚卸しにより、不正アクセスや不正利用のリスクを減らすことが可能です。
アカウントの削除
アカウント管理の一環として、アカウントの削除も重要な作業の一つです。
アカウントの削除は、おもに社員が退職や異動、プロジェクトの終了などによりアカウントが必要なくなった場合に行われます。
無用なアカウントがシステムに残っていると、悪意ある内部者が不正利用するかもしれません。
また、不必要にアカウントが増えることで、システムのパフォーマンスが低下する可能性もあります。
適切なアカウント削除は、不必要なリスクを排除し、組織の全体的なセキュリティを強化するうえで重要です。
アカウント管理の重要性
適切なアカウント管理は、企業の重要な情報やシステム、データを守るために欠かせない業務です。
アカウント管理の重要性を解説します。
外部からの不正アクセスから情報を守る
情報化が進む現代では、企業が持つ情報には大きな価値があります。
アカウント管理は、価値ある情報が外部からの不正アクセスにより侵害されるのを防ぐための最初の防衛ラインです。
たとえば、強力なパスワードポリシーの設定により、総当たり攻撃のような単純で効果的な攻撃を防げます。
また、二要素認証を導入すれば、ID・パスワードが流出しただけでは不正アクセスが不可能です。
このように、アカウントの適切な管理で、外部からの不正リスクを低減できます。
内部者による不正行為から情報を守る
内部者による不正行為も、情報セキュリティ上の大きな脅威となります。
アカウント管理では、各ユーザーが必要最小限の権限しか持たないように、細かな権限設定が重要です。
業務上必要のない情報へのアクセスを防ぐことで、内部者による不正行為のリスクを軽減できます。
また、定期的なアカウント利用状況のチェックや異常行動の早期発見も重要です。
これにより、もし問題が発生した場合でも迅速に対処し、被害を最小限に抑えられます。
業務の円滑な推進
適切なアカウント管理は、業務を円滑に進めるうえでも欠かせません。
必要なタイミングで必要な権限のアカウントが速やかに発行されなければ、業務が滞ってしまうでしょう。
また、パスワードを忘れた場合でも、セキュリティを維持しつつ迅速にパスワードをリセットするなどの対応があれば、業務の中断を最小限に抑えられます。
このように、あらゆる情報やシステムへのアクセスに欠かせないアカウントの管理は、業務の円滑な推進を支える重要な役割も担っています。
アカウント管理を適切に行うためのポイント
重要なアカウント管理業務をより効果的に実施するにはどのような点に注意すれば良いでしょうか。
基本的なアカウント管理のポイントを解説します。
定期的なアカウント棚卸し
アカウント管理が適切に行われていることをチェックするためには、定期的なアカウントの棚卸しが有効です。
適切にアカウントを管理しているつもりでも、申請漏れや作業ミスによって不要なアカウントが残存したり、不必要な権限が付与される可能性は否定できません。
こうした不適切なアカウントは、セキュリティリスクを引き起こす可能性があります。
たとえば、本来削除すべき退職者のアカウントをほかの社員が悪用し、顧客情報を盗み出す情報流出事件が実際にありました。
定期的な人事データとの突き合わせや、利用部署によるチェックなどを行い、必要なアカウントのみが適切に利用されていることを確認しましょう。
最小権限原則に則った権限設定
アカウントに権限を設定する際には、ユーザーの役割に応じて、業務遂行に必要な最小限の権限のみを付与しましょう。
これにより、ユーザーが本来の権限を超えた機能や情報にアクセスしたり、不適切な変更を加えたりする行為を防げます。
たとえば、細かな設定が面倒だからと全員に管理者権限を付与すると、誤って重要なデータを削除したり、重要な設定を変更したりするリスクが高まるでしょう。
また、もしアカウントが不正利用された場合でも、影響を最小限に抑えることが可能です。
このように、最小権限原則に則ったアカウント権限の設定により、システム全体のセキュリティを高め、リスクを適切に管理できます。
アカウント管理に関する従業員教育
アカウント管理を適切に行うためには、アカウントを利用する従業員の協力も欠かせません。
そのためには、定期的な情報セキュリティ研修などによるアカウント管理に関する教育が重要です。
従業員教育では、強力なパスワード設定のポイントや定期的な変更の重要性、フィッシング詐欺などの攻撃からアカウントを守る方法などを説明します。
また、未使用アカウントの速やかな削除申請の必要性など、適切なアカウント管理の意義の周知も重要です。
こうしたアカウント管理に関する教育は、組織全体のセキュリティレベル向上に役立ちます。
適切なアカウント管理で重要な情報を守ろう
アカウント管理は、企業がセキュリティを確保するための重要な活動です。
アカウントの作成から運用、削除までのライフサイクルの適切な管理により、企業が持つ重要な情報を不正アクセスや不正利用から守ります。
定期的な棚卸しや最小権限原則に則った権限付与、従業員への教育などの施策を通じて、適切なアカウント管理を行いましょう。