事務作業はマニュアルやルーティーンでおこなう業務が多いため、事務作業効率化は難しいと感じることもあるでしょう。
しかし、業務の内容や手順が頻繁に変わらない事務作業こそ、作業内容や方法の見直しをすることで、効率化ができる部分が見つかりやすい業務でもあります。
事務作業は効率化のポイントを把握し、事務作業効率化の事例を取り入れることで、成功へと導ける可能性が高まります。
事務作業効率化を成功に導くためのポイントと具体的な10項目の事例を見ていきましょう。
事務作業の効率化を成功に導くポイント
事務作業の効率化を成功に導くために大切なポイントは2つあります。
ひとつめは、いらない行動・悩む時間をなくすことです。
仕事の効率化を考えたときにどの業務にも通ずるポイントですが、「効率化=今より短い時間で適切な業務を終わらせる」ということです。
ふたつめは、今まではこの方法でなんとかなっていたから、こうであるべきなどの思い込みや前提知識にとらわれずに、ゼロベース思考で事務作業について考えることです。
- 事務作業に取りかかるまでの時間は適切か
- 事務作業の業務自体で実はいらない行動はないか
- 違う方法を取り入れられないか
- 毎回悩んで手が止まる箇所はどこか
などの問題点を見つけ、具体的な改善策を実行することで事務作業効率化がうまくいく可能性が高まります。
いらない行動や悩む時間をなくすこと、新たな視点で業務を見極めることこそが、事務作業の効率化を成功に導く大きなポイントとなるでしょう。
事務作業効率化の進め方
事務作業効率化の進め方はとてもシンプルで、以下の4つの手順でおこなうとスムーズに進めやすいでしょう。
- 業務の作業手順を細分化して見える化する
- いらない行動と問題のある業務を特定する
- 環境の改善案を考え、ほかの業務方法を検討する
- 行動にうつす
事務作業効率化を実現するための手順のポイントやマインドについて、詳しく解説します。
作業の見える化
まずは、現在の業務を細分化して、細かな業務も見える化をします。
このときに大切なことは、事務作業自体だけでなく、事務作業の取りかかり始めから片付けも含めて、すべて終了までの工程も細分化することです。
事務作業自体に効率化ができる部分も多くありますが、それに付随する行動の部分でも効率化を図れる箇所が見つかる可能性があるでしょう。
いらない行動、改善可能な業務を特定
作業が見える化できれば、いらないと思われる行動やアナログな業務をデジタル化するなどの改善可能な業務の特定ができます。
このときに大切なのは、ゼロベース思考を忘れないことです。常に「これは最善か?」という気持ちで業務に向き合えるとよい方法が見つかりやすいでしょう。
環境の改善案とほか業務の検討
いつも同じファイルを使うのに、ファイルが置いてある棚が案外遠いなど、思いつくことはないでしょうか。
環境の改善案については、棚の置き場やデスクの配置など仕事スペースのレイアウトを変更するくらいの気持ちで臨むようにすると、大きな変化を感じられる可能性が高まります。
また、ほか業務の変更についても「今まではこれで大丈夫だったからこれからも大丈夫」という意識は捨てて、より事務作業効率化につながる方法を模索していきましょう。
行動にうつす
当たり前ではありますが、考えるだけですと事務作業効率化は実現しません。
今までなんとかなってきた業務に、わざわざ時間をとって行動するのはもったいなく感じるかもしれませんが、事務作業効率化が実現すればほかの業務にあてられる時間が多く取れ、会社全体の生産性を考えれば有益であると感じられるはずです。
問題点、改善点が見えたら、行動する時間をとるようにしていきましょう。
事務作業効率化の事例:不要な作業をなくす
いつもおこなっている事務作業でも、取り掛かるところから終了までの手順を細かく書き出していくと、実は不要な作業が見えてくることが多くあります。
- 歩く
- 印刷する
- 口頭で共有する
- 毎回手のかかるPC作業をしている
- 複数名に何度も同じ作業をする(データの共有など)
以上のような行動や業務に関しては、特に事務作業の中でも効率化がしやすい内容です。
立ち歩く時間が長いなら業務に関する導線を見直してみる、何通も同じメールを送るならチャットシステムを使用してみる、ストレージサービスで資料の共有をするなど、実にさまざまな効率化の方法が考えられます。
事務業務の一連の流れを洗い出し、不要な作業をなくすことを目標に、業務の見直しをおこなえるとよいでしょう。
事務作業効率化の事例:マニュアルを作成する
同じような事務作業が何度もある場合や、ひとつの事務作業を複数人でおこなうときには、マニュアルの作成が効果的です。
マニュアルを一度作りさえしてしまえば、悩んで手が止まる時間も少なくなり、複数の人に何度も同じことを教える時間もかからず、効率的に業務をおこなえる可能性が高まります。
事務作業効率化の事例:PC入力の時間短縮を図る
事務作業でPCを使用するという方は、入力にかかる時間の見直しが効果的となります。時間短縮がしやすいPCの入力方法は、単語登録とテンプレートの使用、ショートカットキーの使用などです。
単語登録については、「あり」と打つと「ありがとうございます。」と入力できるようにしたり、「メール」と打つと自身のメールアドレスが自動的に入力されるようにしたりが可能です。
短い文章で必要な入力ができるほうが、打ち込みが短い時間で済むことは一目瞭然でしょう。
テンプレートの使用についても、単語登録と同様の効果を発揮します。
よく使う署名や定型文などは、PC上のメモ帳などにテンプレートを作成しておき、業務中にコピペで使用することは、業務効率化につながりやすい事例です。
ショートカットキーは、決まったコマンドの入力で一定の動作がおこなえるものです。
使用しているPCのOSや業務に必要なソフトにより、決まっているコマンドはさまざまですので、必要な動作に対する入力コマンドを覚える、もしくはメモを用意するなどが必要になりますが、活用できる環境さえ整えれば、作業を迅速におこないやすくなります。
事務作業効率化の事例:デュアルディスプレイを取り入れる
デュアルディスプレイは、ひとつのPCのハードに対してモニターを2つにすることですが、PC関連の事務作業効率化となります。
片方のモニターで入力先のリストなどを開き、もう一方のモニターでは元のデータの確認などの使い方ができるのです。
多くの資料の画面を開いたままにできることで、一回の動作ごとに画面の切り替えが必要なくなり、圧倒的に効率的でしょう。
2つ以上の資料をPCで同時に見る必要がある事務作業の場合には、デュアルディスプレイを取り入れることを検討してみてください。
事務作業効率化の事例:資料は常に整理整頓する
必要な資料がすぐに見つからずに、毎回探す時間をかけている状態では、事務作業効率化はなかなか進みません。
資料の場所について悩む必要をなくし、探さずにすぐ必要資料まで辿り着けるよう整理整頓すれば、「探す」という不必要な時間を排除できます。
デスクの上、デスク周り、PCの中もすべて〈物の定位置〉を決めるようにすると、迷いなく作業にとりかかりやすくなるでしょう。
事務作業効率化の事例:印刷をやめる
デジタル化、IT化が進んでいるので、印刷しなくてもよい資料がある可能性が考えられます。
これまで印刷し保管してきたからといって、今まで通りすべてを印刷しなくてはならないということは、決してありません。
印刷する時間、印刷物をまとめる時間、印刷した膨大な資料の中から必要な資料を探すことは、限りなく不必要であると言えます。
紙文化や紙ベースでの作業からデジタル化を考えると、効率化できる事務作業が多く出てくることでしょう。
事務作業効率化の事例:立ち歩く時間を徹底的になくす
資料を取りに行く、印刷、同僚への伝言など、意識してみると事務作業でも実は立ち歩く時間も多いのではないでしょうか。
「この立ち歩く時間は本当に必要なのか」と考えてみると、ほかの方法でもよいことに気づけるかもしれません。
必要な資料を手元におく方法、迅速なやりとりの方法、印刷する以外の方法など、立ち歩く時間をなくせる方法を模索するとよいでしょう。
事務作業効率化の事例:ハンコ文化をなくす
ハンコでのやりとりが多いと、書類の印刷・ハンコを押す・渡す・できあがったものを取りに行くなど、事実多くの作業に時間が取られている状態です。
社内でのやりとりですら時間がかかるのに、社外の人とのハンコ文化はより多くの時間が割かれる可能性が考えられます。
電子印鑑を取り入れる、書類の承認システムを使用するなどで、作業工程を圧倒的に少なくできる可能性が高まるでしょう。
事務作業効率化の事例:アウトソーシングを活用する
アウトソーシングとは、外部に委託して業務をおこなってもらう方法です。
自社でおこなうには時間がかかりすぎる業務や、自社がおこなわなくてもよい業務に関しては、外部に委託することで、自社内でしかできない業務に時間をかけて、必要箇所のブラッシュアップが可能になります。
委託するコストはかかるものの、それを上回る成果を他の部分であげられるなどの明確なビジョンが持てるようであれば、アウトソーシングは有益な事務作業効率化の方法となるでしょう。
事務作業効率化の事例:IT化・デジタル化を進める
ペーパーレス化が広く普及しており、それに伴いIT化・デジタル化ができる事務業務が圧倒的に増えました。
作業工程の多い紙文化などを筆頭に、どの事務業務においても人の手が必要であるアナログなやり方ばかりでは、事務業務を圧迫する一方です。
各業種によりIT化・デジタル化ができる事務業務は異なりますが、以下のような事例が考えられます。
- 帳票の読み取り自動化
- 電子契約システム
- 保管書類の電子化
- オンラインストレージでの資料共有
資料の印刷にかかる時間、ファイリング、まとめた資料から探すこと、足で運んで資料のやりとりをするなどの業務は、IT化・デジタル化により非常に効率化しやすい事務作業です。
IT化・デジタル化すれば多くの人員や時間を割く必要がなくなる作業も多く、効率化を図りやすいでしょう。
事務作業の効率化にオンラインストレージ
事務作業効率化の事例や取り組みの中でも大きな効果が期待できるのが、IT化・デジタル化の促進です。
IT化・デジタル化を取り入れるうえで大切なのが、電子化した資料の保管まで効率化につながる方法を検討することだと言えます。
紙ベースだった書類をデジタル化するだけでなく、デジタル化した書類を探したり共有したりすることに時間が取られないようにするため、保管方法の効率化も必要不可欠でしょう。
電子化した書類の保管方法は、オンラインストレージの活用がおすすめです。
オンラインストレージはインターネットを使って資料を管理し、保管した資料はPCやスマートフォンで閲覧可能となります。
中でも「セキュアSAMBA」は、アップロードした資料を、社内外を問わずに複数の人と簡単な操作で共有ができ、専用アプリの使用で外出先でも資料の閲覧や、撮影した写真のアップロードも可能です。
事務作業効率化を成功に導くために、ぜひオンラインストレージ「セキュアSAMBA」の利用をご検討ください。