差分バックアップと増分バックアップの違いと使い分けのポイント

目次[非表示]

  1. 1.差分バックアップと増分バックアップはバックアップ方法
  2. 2.差分バックアップと増分バックアップを詳しく解説
    1. 2.1.差分バックアップの特徴
      1. 2.1.1.差分バックアップからのリストア
    2. 2.2.増分バックアップの特徴
      1. 2.2.1.増分バックアップからのリストア
  3. 3.差分バックアップと増分バックアップの違い
  4. 4.差分バックアップと増分バックアップの使い分けのポイント
    1. 4.1.差分バックアップが適している場合
    2. 4.2.増分バックアップが適している場合
  5. 5.差分バックアップと増分バックアップの違いを理解しよう


システム運用に携わる方なら、バックアップ方法に「差分バックアップ」と「増分バックアップ」があるのをご存知のことでしょう。

しかし、「差分バックアップ」と「増分バックアップ」は言葉だけ聞いただけでは混同してしまったり、どう使い分ければ良いかがわからない、という方も多いのではないでしょうか。

「差分バックアップ」と「増分バックアップ」の、特徴や違い、使い分けのポイントをわかりやすく解説します。

差分バックアップと増分バックアップはバックアップ方法

システム運用におけるバックアップは、機器の故障やデータの破損・消失に備えて取得する大切なものです。

バックアップの取得方法には、主に「フルバックアップ」「差分バックアップ」「増分バックアップ」の3種類があります。

「フルバックアップ」とは、文字通り、データの全量をバックアップする方法です。

フルバックアップでは全量をバックアップするため確実性が高く安心な反面、データ量が多いと取得時間や容量が大きくなるデメリットがあります。

そのため、定期的にバックアップを取得するのには向いていません。

フルバックアップのデメリットを解消する方法が「差分バックアップ」と「増分バックアップ」です。

「差分(違う部分)」と「増分(増えた部分)」、言葉だけ見ても違いがよくわからないかもしれません。

どちらも更新されたデータのみをバックアップする方法ですが、バックアップの範囲に違いがあります。


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差分バックアップと増分バックアップを詳しく解説

差分バックアップと増分バックアップの共通点を見てみましょう。

2つの共通点は、どちらも最初にフルバックアップを取得するということです。

そして、以降は更新されたデータをバックアップしていきます。

一方で、差分バックアップと増分バックアップの違いはというと、2回目以降に更新データをバックアップする際の「起点」です。

差分バックアップは、「フルバックアップを起点」にして、更新されたデータをバックアップしていきます。

対して、増分バックアップは、「前回取得したバックアップを起点」に、更新されたデータをバックアップしていく方法です。

文字だけではわかりづらいので、図を交えて具体例で解説します。

差分バックアップの特徴

一週間、毎日バックアップを取得する例を考えてみましょう。

月曜日にフルバックアップを取得し、火曜日〜金曜日は差分バックアップを取ります。

月曜日のデータ量は10GBで、以降、毎日次のデータ量が増加することとします。

  • 火曜日:2GB
  • 水曜日:3GB
  • 木曜日:1GB
  • 金曜日:4GB

金曜日の最終的なデータ量は10GB+2GB+3GB+1GB+4GB=20GBです。

日々の差分バックアップのデータ量は、次の図のようになります。

  • 月曜日:10GB(フル)
  • 火曜日:2GB
  • 水曜日:5GB
  • 木曜日:6GB
  • 金曜日:10GB

一週間のバックアップデータの合計容量は33GBです。

差分バックアップでは、日が進むにつれてバックアップのデータ量が増えていきます。

そして、毎回重複して取得する部分があるため、金曜日の最終的なデータ量(20GB)よりもバックアップデータの量(33GB)が多くなることがわかります。

差分バックアップからのリストア

次にリストア時の動きを見てみましょう。

週末にシステム障害が発生し、金曜日の状態にデータを戻すケースを考えます。

差分バックアップでは、次の2ステップでリストアが可能です。

まず図の①で月曜日のフルバックアップをリストアします。

次に、図の②で金曜日の差分バックアップをリストアすれば金曜日の状態が復旧完了です。

例えば、これが水曜日時点や木曜日時点に戻したいという場合でも、フルバックアップとその日の差分バックアップで戻せます。

もし水曜日のバックアップ取得に失敗していた場合、水曜日時点に戻すことはできませんが、木曜日や金曜日なら、水曜日分も含めてバックアップを取得しているので戻すことが可能です。

増分バックアップの特徴

差分バックアップと同じ事例で、増分バックアップの場合を考えてみましょう。

月曜にフルバックアップを取り、火曜日〜金曜日は増分バックアップを取ります。

月曜日のデータ量は10GBで、その後次のように増えていく点は差分バックアップと同じです。

  • 火曜日:2GB
  • 水曜日:3GB
  • 木曜日:1GB
  • 金曜日:4GB

金曜日の最終的なデータ量は20GBです。

日々の増分バックアップのデータ量は、次のようになります。

  • 月曜日:10GB(フル)
  • 火曜日:2GB
  • 水曜日:3GB
  • 木曜日:1GB
  • 金曜日:4GB

一週間のバックアップデータの合計は20GBになります。

差分バックアップと違い、日々、その日に更新されたデータのみがバックアップされるため、バックアップするデータ量(20GB)は金曜日の最終的なデータ量(20GB)と一致し、無駄がないことがおわかりいただけるでしょう。

増分バックアップからのリストア

次に増分バックアップからのリストア時の動きを確認します。

差分バックアップと同じく、週末にシステム障害が発生し、金曜日の状態にデータを戻すケースです。

差分バックアップでは2ステップでリストアできるのに対し、増分バックアップは次の図のように5ステップかかります。

まず、図の①で月曜日のフルバックアップをリストア、次いで図の②で火曜日分をリストア、次に図の③から図の⑤までの金曜日分をリストアしてようやく完成です。

増分バックアップは、火曜日時点なら2ステップ、水曜日時点なら3ステップという具合に、いつに戻すかによってリストアにかかるステップ数が変わってきます。

もし水曜日のバックアップ取得に失敗していた場合、水曜日以降への復旧はできません。

なぜなら、増分バックアップでは、水曜日のデータは水曜日に取得したバックアップにしか保持していないためです。

差分バックアップと増分バックアップの違い

差分バックアップと増分バックアップの違いをまとめると、次の表のとおりです。


差分バックアップ
増分バックアップ
バックアップの速さ
遅い
速い
バックアップの容量
大きい
小さい
リストアのSTEP
少ない
多い(場合による)
リストアの速さ
速い
遅い(場合による)
バックアップ破損時の影響
破損時点以外は復旧可
破損以降は復旧不可

両者を比較すると、差分バックアップはリストア時、増分バックアップはバックアップ取得時に相対的なメリットがあることがわかります。

差分バックアップと増分バックアップの使い分けのポイント

差分バックアップと増分バックアップをどのように使い分ければ良いでしょうか。

差分バックアップと増分バックアップがそれぞれ適しているケースを解説します。

差分バックアップが適している場合

差分バックアップが適しているのは、次のような場合です。

十分なバックアップ取得時間を確保できる
差分バックアップは増分バックアップよりもバックアップ取得に時間がかかるため
データの更新が少ない
データ更新が少ないと重複してバックアップする

データ量が少なくなるため

リストアを短時間で終わらせたい
差分バックアップは、いつの時点に戻す場合でも2ステップでリストアが完了するため
バックアップを手管理している
増分バックアップに比べて、途中のバックアップ取得ミスの影響が少ないため

増分バックアップが適している場合

増分バックアップが適しているのは、次のような場合です。

バックアップ取得時間にかけられる時間が短い
増分バックアップは取得するデータ量が少ない分、速くバックアップを取得できるため
データの更新が多い
差分バックアップに比べて、取得するバックアップのデータ量、時間を減らせるため
リストアの頻度が少なく、時間が十分に確保できる
増分バックアップは差分バックアップに比べてリストアのステップ数が多く、時間がかかるため
クラウドやディスクでバックアップを保管
通信量やディスク容量を抑えてコストを下げられるため

差分バックアップと増分バックアップの違いを理解しよう

差分バックアップと増分バックアップの違いや特徴、使い分けのポイントを解説しました。

バックアップは、システム運用に携わるなら避けては通れない知識です。

一度で理解できなかった場合は、何度も読み返して理解しましょう。

また、オンラインストレージ上にバックアップを保管することも有効なバックアップ手段のひとつです。

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