メールの誤送信はよくあるミスと思うかもしれませんが、内容によっては重大なトラブルに発展するリスクがあります。
誤送信されたメールの内容に個人情報を含む場合、企業や取引先に大きな影響を及ぼすおそれがあるため、予防のための事前の対策が必要です。
メール誤送信による個人情報の漏洩を防ぐ方法や情報漏洩が起きてしまった場合に取るべき対応について考えてみましょう。
メール誤送信で個人情報の流出につながる場合とは
個人情報とは、生きている個人に関する情報のうち、個人を識別し特定できるもののことで、代表的なものに氏名や生年月日、マイナンバーなどがあります。
個人情報は大切に管理すべきものですが、メールに個人情報が含まれている場合、誤送信によって外部に漏れてしまうことが起こり得ます。
まず、どのような場合にメールの誤送信による個人情報の流出が起こるのか見てみましょう。
誤った宛先に送ってしまった
宛先を誤って設定したことで、送信すべきでない相手に個人情報を含むメールを送ってしまうケースがあります。
メールアドレスの入力間違いやアドレス帳からの選択ミスによる誤送信はもちろんですが、加えて「To」「Cc」「Bcc」の不適切な設定によって個人情報が漏れることもあり、注意が必要です。
メールアドレスは氏名の英語表記であることも多いため、その場合はアドレスそのものが個人情報になることがあります。
送信先のアドレスが互いに公開されないようにすべきときには、宛先が「Bcc」に設定されていることを確認しましょう。
誤ったファイルを添付して送信してしまった
メールに誤ったファイルを添付してしまい、ファイルに含まれる個人情報が流出することがあります。
目的のものと異なるファイルを添付していないかだけでなく、ファイル内に不適切なデータが含まれていないかどうかにも注意を払いましょう。
例えば、エクセルファイルの非表示に設定されたシートに送信すべきでない個人情報が含まれていないかどうかなど、丁寧な確認が大切です。
メール本文の内容に誤りがあった
本文に不適切な個人情報を含むメールを送信してしまうケースも考えられます。
特に以前のメールをコピー&ペーストしたものを元にメールを作成した場合に起こりやすいミスです。
同じような内容のメールを複数の人に個別に送る際、前に作成したメールを再利用すると、元のメールに含まれていた個人情報の削除忘れが起こり得ます。
メール誤送信で個人情報が流出するリスク
メールの誤送信による個人情報流出は誰もが経験する可能性のあるミスですが、実際に起こしてしまうと会社に対し大きな影響を及ぼしかねません。
大規模な事故であれば広く謝罪と経緯説明を行わなければなりませんし、状況次第で業務の一時停止や被害者への賠償など、会社へ直接の損害を発生させてしまうこともあります。
結果として企業に対する社会からの信頼を低下させ、ビジネスへの影響が将来に及ぶリスクも想定しなければなりません。
メール誤送信で個人情報漏洩が起きたときの対応
万一メールの誤送信によって個人情報が流出したときには、早期に適切に対応し、被害を少しでも小さく抑えることが必要です。
メール誤送信による個人情報漏洩時の対応の例を確認していきましょう。
上司へ報告し情報共有を行う
メール誤送信による個人情報漏洩に気づいたら、まず状況を上司に報告します。
事故の発生状況について情報を共有し、被害の大きさや影響範囲などを把握した上で対応を検討します。
関係者に謝罪する
事故の状況が確認できたら、関係者への謝罪が必要です。
謝罪の際は、対象のメールや添付ファイルの削除を依頼します。
早い段階で削除依頼ができれば、メールが開封されないうちに削除してもらえる可能性もあるため、対応を遅らせないことが大切です。
影響範囲が広く個別の謝罪が困難な場合は、ホームページなどに謝罪文を載せることもあります。
社内で事例を共有する
メール誤送信による個人情報漏洩の事例が発生したことについて社内で適切に情報を共有します。
社内の意識を高めて再発を予防するためでもありますが、社員に対し誠実に対応するためにも情報共有は大切です。
不都合な事実もオープンにし、よりよい体制作りのために努力する姿勢が、社内外での信頼回復につながると考えられます。
再発防止策を決める
メール誤送信による個人情報漏洩が再び起こらないようにするための対策を立てます。
このような事故が発生したときには、会社がその反省を生かして成長できるかどうかが問われます。
さまざまな観点から有効な対策を立て、実行に移せるかどうかによって、企業に対するその後の評価が分かれるでしょう。
メール誤送信による個人情報漏洩の予防策
メール誤送信による個人情報流出の事故を防ぐため、企業はどのような対策を打つことができるでしょうか。
検討すべき予防策について、4つの観点から考えてみましょう。
メール送信時のミスを未然に防ぐための対策
メール送信時に宛先設定を誤るミスを防ぐには、オートコンプリート機能を無効にしておくよう社員に指導するとよいでしょう。
オートコンプリート機能とは、宛先を入力すると候補となるアドレスが自動で表示されるものです。
この機能をオフにしておくことで、アドレスの入力や選択がより慎重に行えます。
添付ファイルからの情報漏洩を防ぐための対策
個人情報の含まれる添付ファイルの誤送信を防ぐには、ファイルの暗号化が役立ちます。
開封パスワードを送付する前に誤送信に気づくことができれば、受信側でファイルを開くことができず、情報が漏れることがありません。
しかし、ミスに気づかずにパスワードも送付してしまう可能性も十分に考えられます。
最も確実なのは、メールにファイルを添付しないことです。
特に一括で多数の宛先に送付することは万一の事故の際に影響が大きいため、避けたいものです。
メールの代わりにオンラインストレージを通じてファイルのやり取りを行えば、送信先を誤るリスクが少なく安全です。
内容に誤りがないメールを作成するための対策
本文に不適切な個人情報を含むメールを作成しないようにするには、過去のメールを再利用しないことが効果的です。
過去のメールに含まれる個人情報を見落とし、その情報を含んだまま別の相手に送信してしまうミスを防ぐためです。
あらかじめ作っておいたテンプレートを元にメールを作成することを心がけるとよいでしょう。
また、可能であれば送信前に社内の第三者が内容をチェックする体制をとるとミスの防止になります。
誤送信対策システムの導入
システムを使って誤送信のリスクを下げる方法もあります。
例えば、送信前に宛先や添付ファイルなどの確認を促す注意喚起のウインドウが表示されるようにする、送信ボタンを押してもしばらくの間は送信取消ができる機能を使うなど、さまざまな方法があります。
しかしながらいずれも完全に誤送信を防ぐものではないため、どのような機能を利用する場合も、人が十分な注意を怠らないことが前提です。
誤送信リスクの高いメールは個人情報のやり取りに適さない
メールの誤送信による個人情報の流出は、誰にでも起こりうるものです。
ひとりひとりが十分に注意を払うことは大切ですが、それだけでは完全にミスを防ぐことはできません。
そのため企業には、社員の指導だけでなく、事故の起こりにくい仕組みを作ることが求められます。
メールはビジネスに欠かせないツールですが、宛先設定、ファイル添付などミスの起こりやすいポイントが多く、個人情報を扱うにはリスクが高いと言えます。
そこでメールの代わりにオンラインストレージで個人情報の受け渡しを行うようルールを定めれば、誤った宛先に情報を送ってしまうミスが起こりにくくなります。
また、メール本文に不用意に個人情報を記載することも避けられます。
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