業務内容や引き継ぎ内容、仕様書など、業務を通じて得た多くの知識やノウハウを、一つにまとめたいと考えている企業も多いでしょう。
各個人がばらばらに知識やノウハウを持っている場合、共有する事も大変です。
また、誰が必要な知識やノウハウを持っているのかも分からなければ、業務の効率が下がってしまう恐れもあります。
業務の見える化や業務効率を向上させるためには、全員が情報や知識を共有できるツールを活用すると良いでしょう。
ナレッジ共有やナレッジ共有ツールについて詳細に解説します。
ナレッジ共有とは
ナレッジ共有とは、仕事をする上で必要となった知識や業務のノウハウ、さらには引き継ぎ内容などの「knowlge(ナレッジ)」を全員で共有することを指しています。
個人で持つのではなく、部署や組織全員で統一して管理することで、探す時間の短縮や様々な知識を得ることができるため、ナレッジ共有の必要性は高いと考えられます。
たとえば、コツが必要な業務について、そのコツを知っている人が一人だけの場合、教える時間や教えてもらう時間が発生してしまい効率が上がりません。
もしくは、その人がいなくなってしまった場合にはそのコツやノウハウ自体が失われてしまう恐れもあるでしょう。
しかし、一人だけではなく全員がナレッジを確認できることで、負担の軽減や情報の蓄積につながります。
そのため、ナレッジ共有は、業務効率をあげる意味も踏まえても必要不可欠です。
ナレッジ共有ツールとは
個人が所有している情報などを共有するために、ナレッジ共有ツールが存在します。
ナレッジ共有ツールを従業員全員が使用すれば、一つの場所にナレッジを集めることができます。
しかし、ナレッジ共有ツールの使い方に慣れていなければ、なかなか社員全員が保存する動きにはなりません。
そのため、ナレッジ共有ツールの導入を検討する場合は、使いやすいツールを選ぶ必要性もあるでしょう。
ナレッジ共有ツールには、主に以下3つのタイプがあります。
- オンラインストレージ
- 社内Wiki
- 社内SNS
オンラインストレージは、一つの場所にさまざまな書類の保管ができるため、ナレッジを共有するために使うこともできます。
社内wikiとは、wikipediaの社内バージョンで、知りたいことや確認したいこと、知っていることなどを自由に書き込むことができます。
社内SNSも同様に、会社の人たちだけで使用できるSNSを利用し、情報を共有することも可能です。
さまざまな方法で従業員全員と情報やナレッジの共有ができるようにするため、使い勝手が良いものを選ぶことをおすすめします。
ナレッジ共有をするやり方とは
ナレッジ共有をするためにはどういったやり方を推進するべきでしょうか。
ナレッジ共有をする手法について説明します。
担当者を決める
ナレッジ共有は、個人が動かなければ共有ができませんが、だからといって個人の裁量に任せるのは推奨できません。
個人が動けるように、ナレッジ共有を管理する担当者を決めて、担当者を軸に運用しましょう。
担当者を決めた場合は、主に以下のように運用していくと良いです。
- ナレッジを共有するよう催促する
- 資料や書類はツールに保管しているかの定期的な確認
- 自らさまざまなナレッジを作成し保管している旨を定期的に伝達する
担当者の動き次第で、社員の行動が変わることを把握し、運用していくことを心がけましょう。
マニュアルやテンプレートを作成し簡略化する
ナレッジを共有するためには、ナレッジを作成しなければなりません。
しかし、知識やノウハウを見える化するためには言語化が必須です。
社員が簡単にナレッジを作成できるようにするため、マニュアルを作成したり、同じ様に作成できるようテンプレートを作成するのも良いでしょう。
ナレッジの作成が苦手な方も簡単に行えるような工夫が、ナレッジ共有をする上で大切です。
ナレッジ共有ツールを利用するメリット
ナレッジ共有ツールを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ナレッジ共有をする際にナレッジ共有ツールを利用する効果を確認していきましょう。
業務を効率良くできる
ナレッジ共有ツールを利用すれば、数ある情報を一つにまとめることができるため、時間の短縮に繋がり、業務の効率をあげることができます。
また、探す時間も短縮できますし、口頭で教える必要もないため、誰かの時間を使って教えてもらうことがなくなる点がメリットだと言えます。
業務の効率を上げるためには、無駄な時間を省くことが大切です。
ナレッジ共有ツールがあれば、無駄な時間を省けるため、おすすめと言えます。
集団で共有できる
ナレッジ共有ツールに情報を保管することで、社員全員が確認できます。
つまり、「ある情報については一人だけが知っている」という属人化の状況をなくすことができるため、トラブルを事前に防ぐことができるでしょう。
もしも属人化の状況が継続されていると、当人が休んだり、仕事を辞めてしまった場合に誰もできない状況になってしまいます。
この場合、業務が滞り仕事どころではないでしょう。
しかし、ナレッジ共有ツールを利用すれば、全員が保管場所を知っているため、トラブルを起こさずに済みます。
業務のすべてを集めることができる
小さなことから大きなことまで、ナレッジ共有ツールに保管できます。
引き継ぎ内容だけではなく、たとえばコツやアドバイスなど、些細なものを保管するだけで誰かの助けになることもあるでしょう。
業務が滞ったり仕事が進まない時は、何か小さなことが障害になっていることも多いです。
誰かの解決策を確認するだけで、スムーズに進むこともあります。
そのため、ナレッジ共有ツールであらゆるものを保管しておくことが、業務の手助けになるでしょう。
引き継ぎの簡略化ができる
誰かが仕事を辞める際に、時間がかかるのが引き継ぎです。
引き継ぎは、できれば簡単に済ませたほうが良いでしょう。
口頭で説明するのではなく、特定の場所に関連資料や書類などを保管しておけば、好きな時間に確認することができます。
そのため、引き継ぎを簡略できる点がメリットだと言えるでしょう。
ナレッジ共有ツールを選ぶポイント
ナレッジ共有ツールを選ぶ際は、どのようなポイントに気を付けるべきでしょうか。
ナレッジ共有ツールの導入前に、注目するべきポイントについて説明します。
操作性が良いか
操作性が良いツールを導入すると全員が共通して扱いやすいため、ナレッジ共有ツールを使うことが当たり前になります。
操作性の悪いツールは、使いにくく避けてしまう人も出てくるでしょう。
ナレッジ共有ツールは、当然のように使うツールでないと効果を発揮しません。
そのため、誰もが感覚的に使用できるような、操作性の良いツールを導入してください。
コスパが良いか
コスパが良いナレッジ共有ツールを選びましょう。
ユーザー数や容量によって価格は変わります。
予算と相談することも大切ですが、ナレッジ共有ツールをどのように運用していくのか、しっかりと決めてから導入を決めましょう。
セキュリティ対策がしっかりとしているか
ナレッジ共有ツールには社内の情報がたくさん詰め込まれています。
もし漏洩してしまったら、インシデントに発展してしまうでしょう。
そのため、情報が漏洩しないようしっかりとセキュリティ対策を練る必要があります。
セキュリティ対策に力を入れているナレッジ共有ツールを選ぶようにしてください。
ナレッジ共有ツールのように利用できる他のツール
専用のナレッジ共有ツール以外にも、同じように利用できるツールがあります。
ナレッジ共有の方法に決まりはないので、自社で運用しやすく効率的なツールを活用するのも有効です。
オンラインストレージなどを利用する
簡単にナレッジを共有するのであれば、Googleドライブなどのオンラインストレージなどを利用すると良いでしょう。
すでにオンラインストレージを導入している場合は、その中に「共有」フォルダなどを作成し、ナレッジの保管場所とすると良いです。
まだ導入しておらず、できれば予算をかけたくない場合は無料で利用可能なGoogleドライブなどを利用すると良いでしょう。
全員が同じ場所に保管でき、社外の人には見られないように保護できるドライブやオンラインストレージであれば、尚良いです。
Googleドキュメントやスプレッドシートなどを利用する
オンラインストレージやドライブは、無料版を利用しているといつか上限を迎えてしまい、使用に制限がかかってしまいます。
有料版に変更することを考えていない場合は、使用制限のないGoogleドキュメントやスプレッドシートを利用すると良いでしょう。
ドキュメントやスプレッドシートは、オンラインで利用できる「Word」や「Excel」のようなものです。
閲覧の範囲を指定することもでき、さらには編集できる人まで権限をつけることができます。
沢山の情報を付け足していくことが可能ですが、情報が多ければ多いほど重くなってしまうため、使い方には十分に気を付けましょう。
ナレッジ共有ツールを活用するためのポイント
ナレッジ共有ツールを活用するためには、いくつかポイントがあります。
上手に運用できるように、以下のポイントを確認しておきましょう。
ナレッジ共有ツールを使用する習慣をつける
ナレッジ共有ツールは、突然導入されても社員は使いこなせません。
少しずつ扱い方になれるよう研修をおこなったり、催促のメールを送るなどして、習慣化させることが必須です。
ナレッジを探す時間を短縮する
上手に活用するためには、ツール内の整理もおこないましょう。
いくらナレッジ共有ツールを使っていたとしても、ナレッジの場所が分からなくなるほど散乱していると、結局時間を取ってしまい効率が下がります。
どこになにがあるのか分かりやすく置くことで、探す時間を短縮させ、誰もが簡単にツールを使いこなせるようにしましょう。
ナレッジ共有の担当者をつける
ナレッジ共有の担当者をつけましょう。
ツール内の整理整頓や、催促をする人が一人いるだけで、ナレッジ共有を意識する人が増えます。
担当をつけずに運用しても、結局は社員一人ひとりの意識に頼ることになってしまい、上手に活用することは困難です。
そのため、ナレッジ共有の担当者を決めて、自然と「ナレッジ共有ツールの使用が当たり前」になるように運用していきましょう。
ナレッジの作成の難易度を下げる
ナレッジの作成は、知識やノウハウを言語化しなければならず、一定数の人は苦手に感じているはずです。
そのため、ナレッジの作成が難しいと感じている方もいるでしょう。
時間を掛けずに、簡単に作成できるようフォーマットやテンプレートを用意し、難易度を下げることも大切です。
ナレッジ共有ツールを利用して業務効率をあげよう!
ナレッジ共有ツールは、従業員の知識やノウハウを見える化し、効率をあげるのに適したツールです。
しかし、ナレッジの作成に時間がかかってしまったり、従業員一人ひとりに任せてしまうことで習慣化しないこともあります。
業務効率を上げるためには、ナレッジ共有ツールが当たり前のツールであることを従業員に教える必要があるでしょう。
そのためには、ナレッジ担当者をつけ、使い勝手の良いツールを導入するなどして、業務効率をあげる方法を模索してください。
また、ナレッジ共有ツールにはオンラインストレージを使用する方法もあります。
その場合は「セキュアSAMBA」の利用も検討してみてください。
無料から使えるセキュアSAMBAは国産のオンラインストレージであり、多くの中小企業に利用されているので社内でのナレッジ共有やファイル、データの共有に活用してください。