ファイルをメールで送信したり、共有サーバーへアップロードするなど、ファイルのやりとりをする際にデータ圧縮をしたことがある方が多いのではないでしょうか。
しかし、「会社の決まりだから」、「周りがやっているから」などなんとなくデータ圧縮をやっている方もいるかもしれません。
そもそもデータ圧縮とは何なのか、データ圧縮はなぜ必要なのかを踏まえた上で、データ圧縮のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
データ圧縮とは
データ圧縮とは、データに対して定められた計算や手順を行うことで内容を損なわずに短い符号列に加工することを言います。
わかりやすく言い換えると、「データをぎゅっと小さくすること」です。
元データより小さくすることで容量を抑えることができるので、ストレージの圧迫を避けることができる、送る際の負荷が少なくなるなどを目的に行われています。
データ圧縮の種類
データ圧縮は4つの種類に分類することができますのでそれぞれ紹介します。
ファイル圧縮
普段から様々な資料や書類ファイルを圧縮する機会は多いと思います。
また、取引先やクライアントから送付された圧縮ファイルを元に戻す解凍(展開)作業をする機会も多々あるかと思います。
データの圧縮=ファイル圧縮という感覚を持っていても不思議ではないでしょう。
画像圧縮
画像の圧縮と聞いてもピンとこない方もいるかもしれません。
画像ファイルと言えば、JPEGやGIF、PNGなどの形式のファイルのことを指しますが、こちらは馴染みのある単語ではないでしょうか。
実は、JPEGやGIF、PNGファイルは既に圧縮されているファイルになります。
それぞれ特色が異なりますが、たとえばJPEGファイルの場合、人の目では違いがわからないほどの細かい色をカットしてファイルサイズを小さくしています。
ファイル圧縮と違ってぎゅっと小さくしているわけではなく、データの一部をカットして小さくしているので元に戻すことはできない非可逆圧縮というアルゴリズムで圧縮されています。
動画圧縮
動画圧縮は、ビットレートを下げたり、解像度を下げることによってファイルサイズを小さくすることを言います。
画像ファイルと同様に、普段利用しているMP4やAVI、MPEGなどの動画ファイルはすでに圧縮されている状態となります。
動画ファイルは、複数の映像ファイルや音声ファイルなどからできていますが、それらをMP4やAVI、MPEGなどの1つのファイルにまとめています。
動画の圧縮のことをエンコードと呼び、コーデックと呼ばれる圧縮技術を使用してエンコードされています。
音声圧縮
音声ファイルは、WindowsだとWAV、MacだとAIFFという形式の場合は圧縮されていませんが、良く目にするMP3やAACなどは圧縮されたファイルになります。
MP3やAACは、人間では判別できないような細かい音をカットすることでファイルサイズを小さくしているため、オリジナルと比較すると音質は劣ります。
最近では、音質をあまり下げない代わりにサイズが大きくなるFLACやALACという形式も一般的に使用されるようになってきています。
データ圧縮におけるファイル圧縮の種類
自分で圧縮する機会が多い圧縮の種類は圧倒的にファイルだと思います。
ファイル圧縮にはいくつかの形式があってそれぞれ特徴が異なります。
代表的な圧縮形式を3種類確認していきましょう。
ZIP形式
ZIP形式は最も馴染みのあるデータ圧縮形式と言っても良いのではないでしょうか。
特別なソフトがなくても使用できますが、普及している割には圧縮率が低いのが欠点です。
LZH形式
LZH形式は日本人が開発したアルゴリズムで、圧縮や解凍のスピードが高いことが特徴です。
国内では普及していましたが、最近では使用されなくなってきています。
RAR形式
RAR形式はZIPやLZHよりも圧縮率は高いですが、その分圧縮時間がかかります。
ヨーロッパで普及している形式で、ダメージに強く、破損してもある程度復旧することが期待できます。
データ圧縮はなぜ必要なのか
データ圧縮はなぜ必要なのでしょうか。
一番の目的は、「大きいサイズのファイルを小さくするため」です。
大きいサイズのファイルは、当然ですがストレージの容量を圧迫します。
また、メールで送受信したり、サーバー等へアップロード・ダウンロードする際に時間がかかるため、大変非効率です。
さらに、ネットワークへ負荷をかけてしまうことによって他の人の業務に影響が出る可能性もあります。
大きいファイルのサイズは、やりとりをする際には少しでも小さくしたほうが扱いやすく、逆に圧縮しないことでマナー違反になる場合もあります。
それでは、データ圧縮の目的を踏まえた上で、メリットとデメリットも頭に入れておきましょう。
データ圧縮のメリット:ファイルサイズの縮小
データ圧縮のメリットは、一番の目的でもある「ファイルサイズの縮小」になります。
圧縮率は形式によって異なりますが、元のファイルよりもファイルサイズを小さくすることができます。
データ圧縮のメリット:複数のファイルを1つにまとめられる
データ圧縮が可能なのは、ひとつのファイルを圧縮してサイズを小さくするだけではありません。
複数のファイルを1つにまとめ、さらにファイルサイズを小さくすることができます。
複数のファイルをやりとりするよりも1つのファイルでやり取りしたほうが効率が良いため、かなりのメリットであると言えます。
データ圧縮のメリット:転送速度の向上
ファイルサイズが小さくなるということは、当然転送速度も向上します。
ファイルの数も1つにまとめつつ、サイズを縮小することによって手間も時間も大幅に削減することが可能です。
データ圧縮のメリット:パスワードをかけられる
ZIPやRAR形式の場合、圧縮ファイルにパスワードをかけることができます。
何度入力ミスをしても問題ないので便利な反面、脆弱なので注意が必要です。
データ圧縮のデメリット:圧縮の手間
データ圧縮のデメリットは「手間がかかること」です。
しかし、手間をかけてでもファイルを1つにまとめたり、サイズを小さくする方が結果的に効率が良いと言えるでしょう。
データ圧縮のデメリット:解凍が必要
圧縮の手間と同様に、解凍の手間もかかります。
圧縮されたファイルはそのままでは利用することができないため、解凍ソフトを使用してファイルを展開する必要があります。
こちらも手間や時間を要しますが、圧縮しないファイルをそのままやりとりをするほうが結果的には非効率になってしまいます。
データ圧縮のデメリット:圧縮や解凍が失敗する可能性
何らかの理由で圧縮処理に失敗した際には、エラーにならないのに実態は破損ファイルとなることがあって、そのファイルは一見すると圧縮が成功したように見えます。
ただし、元のファイルが壊れるわけではないため、そんなに心配する必要はないですが、解凍したときにはじめてファイル破損が発覚するため、改めて圧縮してファイルのやりとりを行う必要があります。
データ圧縮の際の注意点
データ圧縮にはデメリットを上回るメリットがありますが、それとは別にいくつかの注意点があります。
データ圧縮における注意点を確認していきましょう。
何回もやっても意味がない
「圧縮したファイルをさらに圧縮することでファイルサイズをかなり縮小させることができるのでは?」と考える方もいらっしゃると思いますが、それは間違いです。
圧縮は、そもそも決まったアルゴリズムでファイルをぎゅっと縮小します。
圧縮されたファイルはもう決まった手順が踏まれたファイルなので同じことをもう一度やってもあまり意味がありません。
たとえば500mlのペッドボトルの水があったとします。
中身を減らすために90%飲むと450ml減りますが、残った50mlの水に対して90%の水を飲んでも今度は45mlしか減りません。
削減したものに対して同じ手順を踏んでも、効果は薄れてしまうということです。
異なるOSの互換性
Windows、Mac、Linuxと様々なOSがありますが、OSが異なると専用のソフトが必要になったり、解凍後のファイルが文字化けすることがあります。
ファイルの送受信を行う場合には相手のOSを意識したほうが良いかもしれません。
サイズや量が多すぎる圧縮
ZIPファイルの場合、4GBを超えるファイルの圧縮や圧縮後に2GBを超えるファイルを圧縮すると、ファイルが破損するという仕様となっています。
どうしても必要な場合は別な形式で圧縮することを検討する必要があります。
圧縮したファイルはオンラインストレージに保存しよう
上手に扱うことができればデータ圧縮はとても便利で、日常業務に欠かすことができないものとなります。
圧縮したファイルは、オンラインストレージに保存して共有することでスムーズなやりとりが可能となります。
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