ファイルサーバーに作成した共有フォルダにファイルを格納することで社内でファイル共有をしている方は多いのではないでしょうか。
共有フォルダは便利ではありますが、突然、共有フォルダにアクセスできない状態になると業務に支障が出てしまいます。
共有フォルダにアクセスできない場合の原因や、共有フォルダにアクセスできない場合に試すべきことをPC側と共有フォルダ側それぞれの観点で解説します。
共有フォルダへアクセスできない原因
共有フォルダにアクセスできない原因は大きく3つに分類することができます。
一つ目は、ネットワークに問題があるためです。
共有フォルダはネットワークを介して利用するため、ネットワークに何らかの問題があった場合にはアクセスできなくなってしまいます。
二つ目は、共有フォルダに接続するPCの設定に問題があるためです。
ネットワークや共有フォルダ側に問題がなくてもPCの設定に問題があるとアクセスできなくなる場合があります。
三つ目は、共有フォルダ側の設定の問題です。
ファイルサーバーなどの設定に問題があるとアクセスできなくなる場合があります。
共有フォルダにアクセスできない場合にPC側で試すこと
共有フォルダにアクセスできない場合にまずPC側で試すべきことを解説します。
ネットワーク接続の確認
まずは、PCがネットワークに接続されているか確認してください。
有線の場合はLANケーブルの差し込みが甘くなっていないか、無線の場合はWi-Fi機能がONになってステータスが接続済みになっていないかを確認しましょう。
すごく当たり前の確認ですが、意外とこれが原因であることも多いので注意しましょう。
PCの再起動
困ったときは再起動という言葉もある通り、共有フォルダへアクセスできない問題に限らず、PCに何か不調を感じた場合はとりあえず再起動してみましょう。
PCを再起動することで問題が解消される場合があります。
他のデバイスから確認する
同じネットワークにつながっている他のPCやスマートフォンなどのデバイスがある場合は、共有フォルダにアクセスできるか試してみましょう。
他のデバイスからアクセスできればネットワークや共有フォルダの問題ではなく、自分のPCの何かに問題があることになります。
他のデバイスからもアクセスできない場合は、ネットワーク自体か共有フォルダ側に問題があることが考えられます。
インターネット接続を確認する
外部のインターネットに接続できる環境であれば、ブラウザを開いてYahooやgoogleなどの一般的なサイトが表示されるか確認しましょう。
表示されればネットワークではなく、PCや共有フォルダ側の問題である可能性が高くなります。
表示しれない場合はルーターやハブなどのネットワーク機器に問題がある場合があるのでシステム管理者に確認してみてください。
サーバーへpingを打つ
ネットワーク上の他の機器と通信できているかどうかを確認するためにpingコマンドという機能が用意されています。
コマンドプロンプトやターミナルを開いて「ping XXX.XXX.XXX.XXX」のようにpingコマンドの後に共有フォルダのIPアドレスを打ってEnterキーを押下します。
正常に疎通確認できた場合は、「XXX.XXX.XXX.XXX からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=255」などと表示され、疎通確認できなかった場合は、「要求がタイムアウトしました。」とエラーが表示されます。
前者の場合はネットワークの問題ではなく、PCや共有フォルダの設定に原因がある可能性が高いです。
共有の詳細設定の確認
PCの設定で「ネットワーク探索を有効にする」がオフになっていると、共有フォルダにアクセスできません。
- Windowsマークを右クリックして「ネットワーク接続」を選択
- 画面右側の「ネットワークと共有センター」をクリック
- 「ネットワークと共有センター」画面の左側の「共有の詳細設定の変更」をクリック
- (現在のプロファイル)と書かれた設定を開く
- 「ネットワーク探索を有効にする」をオンにする
設定がオンになっているか上記の手順で確認してみてください。
資格情報の再設定
Windows Update後に資格情報に問題が起きる場合があります。
資格情報を削除して再度追加してみて、再度共有フォルダへのアクセスを試してみましょう。
- コントロールパネルを開いて「ユーザーアカウント」をクリック
- 「資格情報の管理」をクリック
- 「Windows資格情報」から共有フォルダのホスト名またはIPアドレスを選択して「削除」をクリック
- 「Windows資格情報の追加」をクリック
- 共有フォルダのホスト名またはIPアドレスとユーザー名、パスワードを入力
Windows Update後に共有フォルダにアクセスできない場合は試してみてください。
SMB機能の確認
「SMB1.0/CIFSファイル共有のサポート」をオンにすることで解消するケースがあります。
この機能は脆弱性が発見されたため初期値でオフになっています。
- タスクバーの検索ボックスに「Windows機能の有効化または無効化」と入力
- 「SMB1.0/CIFSファイル共有のサポート」をオンにして「OK」をクリック
- .PCを再起動
オンにすることでセキュリティリスクが高まることになるため、本機能をオンにしても解消しない場合は、必ずオフに戻してください。
ネットワーク設定の確認
ネットワークの設定がプライベートネットワークではなく、パブリックネットワークになっていると共有フォルダにアクセスできなくなるので設定を確認しましょう。
- コントロールパネルを開いて「ネットワークと共有センター」をクリック
- 「アクティブなネットワークの表示」のネットワーク名の下に「プライベートネットワーク」と表示されていることを確認
- パブリックネットワークになっている場合は、ネットワークプロファイルから「プライベートネットワーク」に変更する
変更した覚えがなくても確認するようにしましょう。
共有フォルダにアクセスできない場合に共有フォルダ側で試すこと
PC側で試すべきことの確認や実施をしても解消しない場合は共有フォルダ側に問題がある可能性があります。
共有フォルダにアクセスできなく、PC側に問題がない場合に共有フォルダ側で試すべきことを解説します。
共有の詳細設定の確認
共有フォルダ側の設定で「ネットワーク探索を有効にする」と「ファイルとプリンターの共有を有効にする」がオフになっていると、PC側が共有フォルダにアクセスできません。
- Windowsマークを右クリックして「ネットワーク接続」を選択
- 画面右側の「ネットワークと共有センター」をクリック
- 「ネットワークと共有センター」画面の左側の「共有の詳細設定の変更」をクリック
- (現在のプロファイル)と書かれた設定を開く
- 「ネットワーク探索を有効にする」と「ファイルとプリンターの共有を有効にする」をオンにする
それぞれの設定がオンになっているか上記の手順で確認してみてください。
アクセス権の確認
共有フォルダのアクセス権限が設定されていないとアクセスすることはできません。
- 共有フォルダのプロパティを開く
- 共有タブの「共有」をクリック
- 一覧にアクセスできないユーザーがいるかどうかを確認
- 一覧に「Everyone」が存在する場合は削除※Windows10ではEveryoneが入っているとアクセスできない仕様になっているため
- 一覧に存在しない場合は「共有を許可するユーザー」を選択して「追加」をクリック
- アクセス権を設定してOKをクリック
共有フォルダへのアクセス権限が設定されていない場合、上記の手順でアクセス権を追加する必要があります。
パスワード設定の確認
共有フォルダ側の共有設定で「パスワード保護共有を有効にする」がオンの場合はログオンパスワード設定が必要です。
- Windowsマークを右クリックして「設定」を選択
- 「アカウント」をクリック
- 「サインインオプション」をクリック
- 「パスワード」を展開して「変更」をクリック
- パスワードを設定
ログオンパスワードを設定していない場合は、上記の手順で設定を行なってください。
同時接続数の確認
共有フォルダに同時に接続できる上限を超えて接続されると、共有フォルダにアクセスできなくなります。
その際は、「コンピューターへの接続数が最大値に達しているため、これ以上このリモート コンピューターに接続できません。」とエラーになるのでわかりやすいです。
共有フォルダのプロパティを開き、共有タブの「詳細な共有」をクリックし、「同時に共有できるユーザー数」を確認してください。
なお、Windows10の共有フォルダへの「同時に接続が可能なユーザー数」は最大で20となっています。
オンラインストレージを利用してアクセスできなくなるリスクを回避しよう!
オンラインストレージはクラウド事業者がインターネット上に用意したストレージを利用するサービスです。
PC側の設定が不要でインターネットに繋がってさえいればどこからでも利用することができます。
オンラインストレージの共有フォルダにアクセスできなくなった場合は、インターネットに繋がっていないか、アクセス権がないかに絞られるため、原因特定や対処への労力が軽減されます。
オンラインストレージ「セキュアSAMBA」ではアクセス経路とファイルが全て暗号化されるため、セキュリティも強固で安心して利用することができます。
ログ管理・アクセス権の設定、バージョン管理など機能も豊富で、シンプルかつ直感的に使うことができます。
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