テレワークやオンライン商談が拡大している中で、社内はもちろん企業間でファイル共有をする場面も増えているでしょう。
しかし、企業間で共有するファイルは個人情報や機密事項などが記載されている可能性が高く、漏洩には十分注意する必要があります。
安全に企業間でファイル共有するにはどのような方法があるのでしょうか。
企業間でファイル共有する各方法のメリット、デメリットを確認し適切な方法を考えていきましょう。
企業間でファイル共有が必要になる場面
そもそも、企業間でファイル共有が必要になる場面はどのようなときでしょうか。
ファイル共有方法を確認していく前に、企業間でファイル共有が必要になる場面を確認していきましょう。
業務の一部を外注するとき
業務の一部を外注する際は、仕事に必要なファイルを外注先、委託先と共有することになります。
共有するファイルとしては、契約書や発注書の他、仕事の手順を示した内部資料、業務ファイルなどがあります。
ひとつのファイルを外注先と共有しながら、共同編集するパターンもあります。
取引相手と契約内容をすり合わせるとき
取引先となる企業と契約内容をすり合わせるためにファイル共有する場合もあります。
見積書や契約書を共有し、内容について認識のすれ違いがないかを確認するのは後々のトラブルを防ぐために重要です。
最近では、リモートでの営業活動を行っている企業もあるでしょう。
リモート営業では、ファイルを共有する場面は対面に比べて多くなっているかもしれません。
企業間でファイルを共有する際の注意点
重要なデータやファイルを取り扱う機会が多いと考えられる企業間でのファイル共有は慎重に行う必要性があります。
企業間でファイルを共有する際の注意点について確認していきましょう。
適切な方法で共有する
ファイル共有をする際は、どのようなファイルをどのような用途で共有するのかによって選ぶべき方法が違います。
例えば、動画を含んだファイルは容量が大きくなるのでファイル共有方法によっては送受信ができない場合があります。
また、共有ファイル上で共同編集したい場合は、ファイルをただ送受信するだけの共有方法は不適切です。
ファイルの種類や目的に応じた適切な共有方法を選びましょう。
ファイル共有相手を間違えないようにする
どのようなファイル共有方法を選ぶときも、共有相手を間違えていないか確認することは非常に重要です。
セキュリティ対策が万全の共有方法を選択したとしても、共有者を間違えてしまえば情報が部外者に漏れてしまいます。
ファイル共有前には、必ず共有者の確認をするようにしましょう。
送受信経路で情報が漏れないようにする
送受信経路が傍受されてしまうと、第三者に共有したファイルの中身が漏洩してしまいます。
対策としては「暗号化された送受信経路を使う」「厳重なセキュリティ対策がなされた共有手段を選ぶ」等があります。
怪しい共有ファイルは開かないようにする
取引先企業からの共有ファイルと見せかけて、ウィルスソフトを仕込むようなサイバー犯罪も発生しています。
取引先から予定外の共有ファイルが送られてきた時や、添付メッセージに不自然な日本語が見られたときは要注意です。
このような場合はいきなりファイルを開くのは止めて、まず取引先にファイルを共有したかどうかを確認するようにしましょう。
共有してもよいファイルかどうかを確認する
企業間でファイルを共有すれば、自社内部の情報を外部に公開することになります。
そのファイルの中に「社外秘」情報が含まれていないでしょうか。
独断で社内のファイルを外部企業と共有すると、後で問題になる場合があります。
企業間でファイル共有をする際は、必ず上司に共有してもよいかどうかの確認を取ってください。
共有したファイルをなくさないように注意する
企業間で共有したファイルは、不注意や事故で無くなってしまうことがあります。
例えば、共有ファイルが含まれた物理メモリが破損してしまったり、共有したオリジナルファイルをうっかり上書きしてしまったりする事例が考えられます。
取引相手から共有されたファイルをなくしてしまうと、再度共有手続きを取ってもらわなくてはならなくなり、相手に負担を与えてしまいます。
より注意が必要なのが、共有ファイルが入っている物理メモリの紛失です。
第三者に拾われて悪用される危険性があるので、共有ファイルが入っている物理メモリの管理には十分に注意しなくてはなりません。
企業間でファイル共有する方法
企業間でファイル共有する方法として考えられるものはいくつかあります。
企業間でファイル共有する具体的な方法を見ていきましょう。
メールに添付する
最初に紹介するのは、メールにファイルを添付する方法です。
メールは従来から企業で使われている通信手段なので、特に新しいツールを導入することなくファイル共有ができるでしょう。
一時はファイルをZip形式で圧縮し、パスワードをかけてメールに添付するという方法がよく使われていました。
しかし、パスワード付きZipファイルは「パスワードを安全に送るのが難しい」という問題点があります。
取引相手からの共有ファイルに成りすまして、パスワード付きZipファイルにウィルスを仕込む犯罪も流行しました。
このような背景により、パスワード付きZIPファイルの使用を取りやめる企業が増えています。
また、メールには、大容量ファイルが送れない、宛先を間違えて情報漏洩しやすいというデメリットもあり企業間でのファイル方法としては今では適切とは言えないでしょう。
物理メモリにデータを入れての手渡しや郵送
物理メモリであるSDカードやUSBメモリにファイルを入れて、手渡ししたり郵送したりして共有する方法もあります。
SDカードやUSBメモリは、一度購入すればその後のランニングコストがかかりません。
SDカードやUSBメモリは広く普及しており、手軽で簡単な共有方法といえます。
ただし、この共有方法にはデメリットも多いです。
まず、物理メモリを紛失してしまうリスクが大きいことです。
小型化が進んでいる物理メモリは、置き忘れたり、鞄から落としたりしても気づきにくかったりします。
紛失した先で誰に盗み見られるかわからないため、情報漏洩リスクは非常に高いです。
また、遠隔の取引先と物理メモリをやり取りするのは困難です。
郵送するにしても、郵便事故の可能性やタイムラグがあります。
相手ごとに物理メモリのコピーを作成しなければならないため、複数人に情報を共有する際の効率も悪くなります。
SNSを利用する
SNSの機能を利用して、ファイル共有することもできます。
SNSでグループチャンネルにファイルを送れば、メンバー全員が一斉にファイルを共有できます。
普段使っているSNSを利用すれば、導入コストもかからないでしょう。
ただし社員がプライベートで利用しているSNSツールを仕事で使うと、私的な利用と仕事の範囲の区別がつきにくくなります。
例えば、プライベートな相手と取引先を間違えてファイル共有を行ってしまうといったセキュリティリスクが想定されます。
また、SNSによっては送信ファイルに保存期間が設けられています。
保存期間を過ぎたファイルは、参照できなくなります。
端末にダウンロードし忘れたファイルは見れなくなってしまうので、注意が必要です。
ビジネスチャットでやり取りする
仕事のやり取りに特化したビジネスチャットは、企業間でのファイル共有に適しています。
ビジネスチャットではグループ内にファイルを送信して、メンバーへの一斉共有が可能です。
これは一般的なSNSと同じですが、ビジネスチャットはプライベートと分けて使うのが一般的です。
そのため、送信先を私的なアドレスと間違える可能性が少なくなります。
ビデオ通話やタスク管理機能など、ファイル共有以外にも仕事に使える機能を有しているツールもあります。
しかし、各ビジネスチャットには、アップロードファイルへの容量制限があり、大容量データを共有するのには向いていません。
また、パスワードが漏えいすると、チャット内の取引相手全員に迷惑をかけてしまうので気を付けなくてはなりません。
パスワード自体が漏れなくても、ビジネスチャットのアプリをインストールしたスマートフォンを紛失し、そこから情報漏洩する危険性も考えられます。
さらに複数の取引先に対し同じビジネスチャットを使っていると送信先を間違えやすくなるので、誤送信に関しても注意が必要です。
ファイル転送サービスを利用する
ファイル転送サービスとは、大容量ファイルをインターネット経由で送ることに特化したサービスです。
ファイルごとにアクセス権限が設定できるため、特定のファイルを安全に送受信したいときに便利です。
保存期間が過ぎた後は自動的にファイルが消去される機能を持つサービスなら、ネット上にファイルが残りません。
そのため機密情報をいつまでもネット上に置いておきたくない、という企業には大きなメリットがあります。
法人向けのものは共有できるファイル容量が大きく、セキュリティ対策も優れています。
ただし、法人向けの高機能なファイル転送サービスはランニングコストがかかります。
無料のファイル転送サービスもありますが、容量が少ない、セキュリティ対策が十分でないといった不安が残ります。
また、ネット上に共有ファイルを保存しておきたいという需要がある場合には、自動削除機能が付いたファイル転送サービスは適したツールではありません。
クラウドストレージサービスを利用する
クラウドストレージとは、ネット上にあるファイルの保存倉庫のことです。
クラウドストレージに保管されているファイルは、アクセス権限や編集権限を付加した上で作成者以外の相手に共有できます。
ファイル転送サービスとは違い、共有ファイルはクラウドストレージ上に蓄積されていきます。
よって一定期間後に共有ファイルを見直す必要性がある場合は、ファイル転送サービスよりもクラウドストレージの方が適しています。
クラウドストレージ上のファイルは、ただ共有するだけでなく共同作業が可能という点でもメリットがあります。
複数人と同じファイル上でプロジェクトを進めていくケースが想定される場合は、クラウドストレージによるファイル共有を選択しましょう。
法人向けのクラウドストレージは様々なセキュリティ対策がされているので、情報漏洩を回避できる安心感もあります。
ただしファイル転送サービス同様、法人向けのクラウドストレージには運用コストがかかってきます。
無料のクラウドストレージサービスは、セキュリティ対策や保存容量に制限があることが多いです。
企業間で安全なファイル共有をしたいなら、コストがかかっても法人向けのクラウドストレージサービスの導入を検討してください。
企業間ファイル共有方法選びのポイント
様々な企業間ファイル共有方法の中で、最適な手段を選ぶためのポイントはどのようなものでしょうか。
安全性はもちろん、利便性など企業間でのファイル共有方法選びのポイントを確認していきましょう。
使いやすいツールを導入する
ファイル共有するツールは、使いやすいものを導入しましょう。
共有手順がややこしいもの、操作が難しいものを導入すると従業員の負担が大きくなります。
従業員が私的な端末やセキュリティ上に不安があるツールを隠れて使う危険性も増します。
ITが苦手な従業員でも簡単な操作でファイル共有ができるかどうかをポイントにツールを比較してみてください。
使い続けられる料金かどうかを検討する
ファイル共有手段の中には、イニシャルコスト(導入費用)やランニングコストがかかるものがあります。
どんなに良いツールでも、料金を払い続けられなければ継続して使うことができません。
イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも含め長期的に使えるかどうかを検討してください。
安全性の高いツールを選ぶ
各ファイル共有方法のセキュリティリスクを確認し、安全性の高いツールを選びましょう。
ファイル共有の際には、送受信経路での情報漏洩、誤送信、ツールそのもののパスワード漏れ等のリスクがあります。
様々なリスクを加味したうえで、安全にファイル共有ができるのはどれなのかを考えてください。
外注先と使いたいなら共同編集が可能なものを選ぶ
ファイル共有をした上で、どんなことがしたいのかを明確にすると共有方法を選びやすくなります。
例えば外注先とファイル共有する場合は、同ファイル上で共同作業が発生する確率が高いでしょう。
ファイル共有相手と共同編集がしたいなら、選ぶべきツールはオンラインストレージです。
アクセス権限設定により閲覧だけを許可したり編集権限を与えたりできますので、共有相手の部署や立場に応じた適切なアクセスコントロールができるのも魅力です。
企業間のファイル共有にセキュアSAMBA
企業間のファイル共有方法は複数あります。
各方法の特徴やメリット、デメリットを比較して、目的に合った最適な方法を選びましょう。
共有後のファイルはいつでも検索できるよう一か所に蓄積したい、ファイル上で共同作業を行いたいといった需要があるなら、クラウドストレージを利用するのが適しています。
法人向けクラウドストレージ「セキュアSAMBA」は、PCにソフトをインストールするだけで使える手軽さが魅力であり、通信とファイルはすべて暗号化されており、端末に対するアクセス制限も可能なので、セキュリティ面でも安心です。
まずは無料から使えるセキュアSAMBAのフリープランで操作感や機能を試してみてはいかがでしょうか。