多くの企業がデータ共有やファイル管理にオンラインストレージを導入しています。
オンラインストレージを活用することで、さまざまなメリットが生まれ、業務効率の改善やセキュリティ面でも効果を発揮します。
オンラインストレージの活用法とオンラインストレージの活用メリットについてみていきましょう。
具体的にどのような課題をオンラインストレージを活用して解決したのかについても解説します。
オンラインストレージの活用法を知る前に基本機能を確認
まずは、オンラインストレージの活用法を知る前に、オンラインストレージにはどのような基本的機能があるかについて見ていきましょう。
大容量データのバックアップ
オンラインストレージには、データのバックアップ機能があります。
オンラインストレージでは、物理的な端末や記憶装置にデータを保存するのではなく、クラウド上にデータを預けるため、ネット環境があれば、どこにいても作成したデータを預けることが可能です。
特に、法人向けのオンラインストレージは、保存できる容量が多い特徴があります。
多くの容量を持つオンラインストレージであれば容量が大きなファイルやデータの共有はもちろん、バックアップ先や保管先としても重宝します。
データの共有
オンラインストレージは大容量のデータを保存できることに加えて、クラウド上のデータを誰かと共有することもできます。
クラウド上でデータを共有することは、ファイルを受け渡す際に使います。
ビジネスでよく用いられているメールとは違い、大容量データを効率よく共有できる点に利便性があります。
オンラインストレージによっては、共有する人や範囲、セキュリティレベルを細かく設定できる機能もあるため、複数の人とファイルを共有するときの作業効率を向上させることができるでしょう。
クラウド上での共同編集
オンラインストレージでは、クラウド上のデータを複数人で共同編集できます。
共同編集は、リアルタイムにおこなうことができるため、テレワークのような働き方にも対応が可能です。
共同編集をおこなうと、編集し直したデータがクラウド上に反映されないうちに、ほかの人が未編集データを上書き保存してしまう、「先祖返り」という現象が起こりがちです。
しかし、オンラインストレージであれば、更新履歴を見ることで、「いつ」「誰が」「どの部分を編集した」という履歴が残るため、先祖返りを防ぐことができます。
仮に、誤って更新したデータを上書きしてしまった際にも、更新履歴を遡って復元することも可能です。
URLによるファイル転送
オンラインストレージは、コミュニケーション手段がメールに限られているような社外の相手に対しても、ファイルの受け渡しが可能です。
クラウド上にあるデータのダウンロードリンクを生成し、メールアドレスにリンクを記述して送信します。
メールを受け取った相手は、リンクにアクセスすることで、自分の端末にファイルをダウンロードすることができます。
メールにファイルを添付することに比べて、大容量のデータを効率よく相手に渡すことができることが特徴です。
オンラインストレージを活用するメリット
オンラインストレージを活用することで、どのようなメリットがあるのかについて見ていきましょう。
業務効率化につながる
オンラインストレージの活用メリットとして、業務効率化が挙げられます。
仕事では多くのファイルを扱いますが、保存している場所がパソコンやスマートフォン、社内サーバーなど、諸所に保存されていることでファイルが散乱しがちです。
閲覧したいファイルが、どこに保存されているかを把握しづらい状況では、目的のファイル探しに時間を要してしまいます。
仕事で扱うファイルを、オンラインストレージ上に集めて保存しておくことで、ファイルにたどり着くまでの時間を大幅に短縮することができます。
また、オンラインストレージ上にファイルを保存しておくことで、ファイルの受け渡しを迅速におこなうことが可能です。
容量制限のあるメールや、物理的な受け渡しが必要になるUSBメモリに比べて、相手の手元にファイルを渡すまでの時間が圧倒的に短くなります。
ファイルが手元に届くまでのタイムラグをなくすことができることは、次のタスクに取り組みやすくなり、結果的に効率的な業務遂行が可能になるのです。
ペーパーレス化につながる
オンラインストレージを活用することで、ペーパーレス化につなげることができます。
これまで、会議資料やカタログなどに紙を使用していた場合は、PDF化することで紙の使用量を減らすことができます。
たとえば、会議資料が不足しないようにと、余分に資料を印刷する、あるいは、カタログやチラシにおいても、データが更新されるたびに印刷し直す必要がなくなります。
オンラインストレージを活用すれば、ペーパーレス化が進み、さらにコスト削減や業務効率化にもつなげることができるのです。
コスト削減になる
ペーパーレス化が進むことで、印刷用のインクや用紙、郵送にかかるコストを削減できます。
そこには、資料を印刷する、郵送のための発送作業など、時間的コストという見えないコストの削減にもつながっていることを意識しましょう。
ほかにも、社内サーバーを使ってデータの保管をおこなっていた場合、サーバーのメンテナンスにかかわる人件費が必要となります。
オンラインストレージでは、サーバーのメンテナンスをベンダーに任せることができるので、その分、有効活用できる部分に人件費を割り当てることもできるのです。
オンラインストレージを活用することで、見えるコストだけではなく、見えないコストの削減につながり、結果として利益率や生産性の向上につながります。
多様な働き方に貢献
オンラインストレージの共同編集機能を使えば、同じ空間にいなくても、リアルタイムに仕事を進めることができるようになります。
ビジネスチャットのチャット機能を使えば、対面で仕事を進めているときと大差なく、仕事を進めることも可能です。
オンラインストレージの活用は、リモートワークやモバイルワークなどの多様な働き方に貢献することができます。
オフィス以外の場所で仕事をすることは、セキュリティ面において不安を感じることもあるでしょう。
しかし、オンラインストレージは高セキュリティな環境にデータを預けているため、各々のパソコンやUSBなどにデータを保存していることに比べれば、安心してオフィス以外の場所でも働くことができるのです。
オンラインストレージの活用は、社員それぞれが柔軟な働き方ができることで、仕事への満足度向上にもつながるでしょう。
BCP対策になる
オンラインストレージは、大災害やテロが生じた際に、会社の資産であるデータを守ることができます。
仮に、パソコンや社内サーバー、NASなどの物理的な媒体にデータのバックアップをとっていた場合は、建物自体に損害が生じた際に、データを取り出せない、あるいは、データを損失してしまう恐れがあります。
オンラインストレージであれば、データはクラウド上に預けられているため、物理的な損害が生じた際にも、データが失われてしまう可能性は低いです。
大規模な災害が起きた際に、いかにデータを守ることができるか、いかに事業を継続させることができるかは、オンラインストレージのメリットが活かされる場面でもあります。
社内におけるナレッジ共有の効率化
社内FAQやマニュアル、就労規則などは、基本的に総務や人事に関わる部署が担当となっています。
しかし、社内におけるFAQやマニュアルを担当部署に問い合わせることは、定型業務であり、効率化させるべき業務でもあります。
よって、オンラインストレージ上に社内FAQやマニュアルを設置し、必要なときに社員が参照することができれば、業務の属人化を解消し、定型業務を効率化できるのです。
さらには、オンラインストレージによるナレッジ共有を活用すれば、社内FAQだけではなく、社員一人ひとりがもつナレッジの集約・共有により、さらなる生産性の向上につなげることも可能になるでしょう。
シャドーIT対策にもなる
中小規模の事業者では、法人向けのオンラインストレージサービスを導入しておらず、各々が個人でアカウントを取得したオンラインストレージを利用しているケースが見られます。
会社が管理していないIT利用はシャドーITと呼ばれ、情報漏えいのリスクが高いことが問題になっています。
法人向けオンラインストレージを導入し、ファイル共有やバックアップ、共同編集など、オンラインストレージの機能を活用することで、その利便性から、個人でのクラウド利用を遠ざけることができます。
また、法人向けオンラインストレージは、管理者権限によって、ユーザーのアクセス権限を設定できるため、セキュリティ面でも不要なアクセスや編集を妨げることができるというメリットもあります。
オンラインストレージの活用で解決できる課題
オンラインストレージの活用によって、どのような課題を解決することができるのでしょうか。
また、オンラインストレージをどのように使って解決できたのかについて詳しく見ていきましょう。
データ管理に関する業務効率化
データ管理における課題として、目的のファイルを探し出すのに、時間と手間がかかることが挙げられます。
具体例を挙げると、ある契約書を閲覧したいときに、まずその資料は紙とデジタルのどちらで保存されているかを考えなければいけません。
紙で保管されているのであれば、書庫に移動して、キャビネットに保管されている書類の中から、実際に手を動かして探します。
PDFなどのデジタル媒体で保存されている場合は、パソコンのストレージに保存しているのか、あるいは受信メールに添付されたままになっているのか、など、あらゆるファイルを参照し、探し出す作業を繰り返します。
仮に、目的のファイルを探しに費やす1回あたりの作業時間は少なくても、積み重ねれば実に多くの時間をロスしていることになるでしょう。
このような非効率さに対する解決策として、オンラインストレージを活用すれば、仕事で扱うデータをオンラインストレージ上で一元管理できるようになるのです。
オンラインストレージのファイル検索機能を用いて、日付や会社名、書類の種類などで検索すれば、目的のファイルにたどり着くまでの時間を短縮することが可能になります。
オンラインストレージを活用することで、データ管理における時間や手間をなくし、業務を大幅に効率化できるのです。
大容量データ共有の効率化
建設業務では、オフィスと現場の間で図面や設計図の共有は欠かせません。
CADデータや設計図、画像などの大容量データを相手に届けたい際に、メールでは添付できるファイル容量に制限があることから、複数回に分けて送る必要があります。
何度もメールを受信することは、時間も手間もかかるうえに、受信側にとってもストレスを感じるものです。
また、受信者のネット環境や端末によっては、そもそもデータを閲覧できないトラブルが生じるかもしれません。
法人向けのオンラインストレージは、バックアップできるデータ容量が大きいという特性があります。
その特性を活かすことで、図面や画像の共有を効率化することができます。
必要なデータを、容量を意識せずに短時間で手元に入手できることで、これまでのようにデータ共有に費やしていた無駄な時間が減り、作業効率の向上につながります。
メールでは共有がしづらかった大容量データは、オンラインストレージの特性を活用することで、ストレスなく短時間で共有できるのです。
PDF資料の共有でコスト削減
会議やセミナー、プレゼンなどで使う資料を紙で配布していた場合、紙やインクのコストがかかるという課題が生じます。
参加人数が多ければ、その分のコストもかかり、参加人数が把握できない場合においては、不足しないように多めに資料を用意しておかなければいけません。
こうした課題を解決するには、紙の資料をPDF化して、オンラインストレージにアップロードしておきましょう。
会議やプレゼン前に、共有したい資料のファイルを公開しておくことで、参加者がダウンロードしたり、そのまま閲覧したりすることが可能になります。
ほとんどのビジネスパーソンが、パソコンやスマートフォンなど、何らかのデジタル端末を所有している昨今では、共有されるデジタル資料は、各々の端末で見ることができます。
タブレット端末を用意しておけば、全員が同じ環境下で、資料を閲覧することが可能になるでしょう。
オンラインストレージを活用することで、紙の資料が必要なくなるため、インクや用紙にかかるコストを削減することができるのです。
距離の離れた相手と情報共有をおこなう
物理的に距離の離れた相手と情報共有をする際に、紙媒体やメールを用いた場合、対応に時間がかかるという課題が発生します。
リモートワークだけではなく、工場や物流センターなど、広大な敷地内で仕事をしていれば、出社していたとしても、地理的に離れていることで、情報共有にかかる時間はリモートワークと大差ないケースもあるかもしれません。
営業や開発部門と連携をとりながら、工場で製品を製造するケースを例に挙げると、オンラインストレージのファイル共有機能を活用することで、プロダクトに必要なデータをクラウド上で一元管理することができます。
オフィスと工場のように地理的に距離が離れていたとしても、各部署は常に同じバージョンのファイルの閲覧が可能になります。
たとえば、工程や仕様に変更が加わった際には、ファイル内の仕様書を更新し、オフィスから工場へとビジネスチャットで更新箇所の確認を呼びかければいいのです。
オンラインストレージを活用することで、物理的に距離が離れた相手であっても、最新情報をリアルタイムで共有することができるのです。
オンラインストレージを活用するためのポイント
オンラインストレージは単に導入するだけでは、活用することはできません。
そこで、オンラインストレージを活用するためのポイントについて解説します。
オンラインストレージの選定ポイントを考える
オンラインストレージを最大限に活用するためには、自社に最適なオンラインストレージサービスを選ぶことが大切です。
オンラインストレージ選びでは、主に以下のような項目が選定ポイントとして挙げられます。
- 容量
- ユーザー数
- セキュリティポリシー
- 対応できるデバイス
- 操作性
- カスタマイズ性
- 無料期間の有無
これらの項目に対し、自社に必要な条件が満たされているかを検討しましょう。
反対に、自社に必要ではない部分にコストをかけることは、コストの無駄使いになります。
オンラインストレージサービスによっては、導入支援サポートが受けられることもあります。
自社の判断では最適なプランが選べないのであれば、こうしたユーザーサポートを受けることもよいでしょう。
オンラインストレージの使い方を考える
オンラインストレージを導入しても、どのような使い方をするかで、活用効果は変化します。
オンラインストレージには、「バックアップ」「ファイル共有」「共同編集」が基本機能になりますが、相手が社内であるか、社外であるかによって、使い方が異なる場合もあります。
ファイル共有に関して具体例を挙げると、社内の相手であれば、あらかじめユーザー登録をしておくことで、アップロードされたファイルにアクセスすることができます。
一方で、社外の相手とメールを用いてファイルの受け渡しをおこなうのであれば、ダウンロードリンクを生成します。
なお、ユーザー登録をしている社内の相手に対して、メールでダウンロードリンクを伝えることは、かえって時間がかかるものです。
オンラインストレージの使い方で考えるべき点は、状況に応じた使い方ができるかでオンラインストレージの活用メリットが左右されるということなのです。
オンラインストレージの活用効果を考える
そもそもオンラインストレージを活用して、どのような課題を解決したいかを考えましょう。
たとえば、ファイル共有に時間や手間がかかるという課題があるなら、オンラインストレージを利用することは最適です。
しかし、共有するファイルのサイズが小さく、コミュニケーションを重視したいのであれば、ビジネスチャットのほうが使いやすいケースもあります。
「大容量ファイルを共有したい」「離れた場所にいる相手とリアルタイムで共同編集したい」という課題を解決したいから、オンラインストレージを活用するという問いに対する解を明確にしましょう。
課題が解決され、「業務効率化」「コスト削減」などのメリットを享受できたことで、オンラインストレージの活用効果を感じることができるはずです。
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オンラインストレージを活用することで、基本機能で得られる業務効率化やコスト削減に加え、多様な働き方への貢献やBCP対策、シャドーIT対策など、幅広い活用メリットを受けることができます。
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