エクセルは多くの企業で使われている利便性の高い表計算ソフトになり、表計算以外にもさまざまな用途で利用されていたり、企業独自の使い方がされている場合もあります。
しかし、業務で扱うデータの大部分をエクセルに依存してしまうことで、メンテナンスが複雑化したり、効率が悪くなったりするという課題も生じています。
エクセル依存による課題に対する解決策として、「脱エクセル」への取り組みに注目が集まっています。
脱エクセルがなぜ必要とされるのか、脱エクセルを阻む原因、課題を解決した先にある脱エクセルのメリットについて解説します。
資料ダウンロード

機能や料金、解決できる課題までわかる資料を、無料でダウンロード!
お申込みはこちら

こちらからお申し込みで、セキュアSAMBAの機能を無料でお試し可能!
脱エクセルとは何か
脱エクセルとは、エクセルの使用をやめてエクセルから別のツールへとシフトする取り組みのことをいいます。
仕事では会計管理や勤怠管理など、多岐にわたる業務で必ず何らかの数値を扱います。
その際に使うツールとして、「エクセル一択」、あるいは「とりあえずエクセル」という思考から脱却し、作業に適したほかの専用ツールを利用することで「脱エクセル」を進めていきます。
長らく当然のように使われてきたエクセルに対し、不便さや課題が顕在化して際やエクセルでの管理に限界を感じた際に、脱エクセルを考えることがほとんどでしょう。
脱エクセルが必要とされる理由
脱エクセルの背景にあるエクセルの不便さや課題とは何なのでしょうか。
脱エクセルがなぜ必要とされるのかを確認していきましょう。
メンテナンスが複雑化するため
仕事では、同じエクセルファイルであっても、取引先や他部署によって、形式が異なる複数のエクセルファイルが乱雑に存在する傾向にあります。
また、専門知識が必要になる機能を実装したエクセルファイルが存在することで、担当者以外はメンテナンスができないという問題も生じます。
これらの問題を解決するために「なんでもエクセルで処理する」のではなく、「作業や機能にマッチしたツールを導入する」という方が効率的ですし管理がしやすいので、脱エクセルの必要性が生じます。
働き方が変化しているため
エクセルは、ショートカットキーや関数の使用、データ集計や分析を自動化できる機能を実装することで、非常に効率よく業務をこなすことができます。
エクセルのこれらの機能は、個人の生産性を高めるために、相性のいいツールと言えるでしょう。
しかし、複数人が離れた場所からリアルタイムに同じシートで作業をおこなう際には不向きなケースもあります。
誰がどの作業をおこなっているかが不明であったり、シートの更新履歴がリアルタイムに反映されなかったりすることで、無駄な時間や手間が生じる原因になりかねません。
リモートワークやオンラインでの作業が増えていく中で、離れた場所にいても、お互いの作業状況が共有できる、エクセル以外のツールの必要性が高まったことも脱エクセルが必要とされる要因のひとつです。
データベースの一元管理のため
各支店や店舗などのデータをエクセルで管理していると、データ共有に多くの時間がかかります。
例えば、各支店によってデータを保管しているエクセルファイルの場所が異なる場合、本社の担当者は該当ファイルがどこにあるかが把握しづらくなります。
また、ファイルの細かい更新履歴を見ることができないため、最新の情報や数値が不明瞭です。
さらにエクセル管理の属人化により、担当者が不在の場合はデータを集めたくても対応することができません。
データ管理をエクセルでおこなっていた場合、このような非効率な作業が積み重なることで、業務負担が大きくなります。
効率よくデータ管理をおこなうために、各支店や各店舗のデータを一元管理できるツールへと移行する動きがとられていることも、脱エクセルの理由として挙げられます。
手作業を減らすため
エクセルと連携機能のないツールに集められた数値をエクセルに集約させる場合、手作業による転記が求められる場合があります。
単純な数値転記作業を人の手でおこなうことは、非効率であり長時間労働の元となりかねません。
本来自動化されるべき単純な作業を手離れさせるためにも、脱エクセルの動きが必要になります。
また、エクセルの利用はデータ管理などだけで利用されるとは限りません。
文書作成や資料作成など、本来はエクセルではない方が適しているものでもエクセルで作業することになっている場合は効率を考えて脱エクセルを進めるべき理由でしょう。
スピーディーにデータを共有するため
エクセルを誰かと共有しているケースにおいて、データに変更や修正が加えられるシーンは多くあります。
エクセルは編集履歴を閲覧することは可能ですが、「誰が」「いつ」「どの部分を」「どのように変更したか」という、詳細な履歴を表示することには不向きなツールです。
そのためエクセルの変更履歴機能を利用せずに、メールやチャットで件名に「修正版」とつけたファイルを送る人も少なくありません。
この方法は、リアルタイムでデータ更新が反映されるツールに比べると迅速さに欠けます。
複数人でデータを共有する場合には、詳細な更新履歴をスマートに見ることができるツールのほうが利便性が高いです。
第三者とのデータ共有においてスピード感や利便性に欠ける点も、脱エクセルが求められる理由のひとつです。
扱うデータの大容量化されたため
ひとつのエクセルファイルで大容量のデータを管理している場合、ソートや検索のような何らかの処理をかけたときに、予想以上の時間を有することがあります。
エクセルの容量が大きくなると、処理しきれずにエクセルが落ちてしまったり、パソコンがフリーズしてしまうことで、作業自体を進められなくなることもあります。
中には処理能力向上を図って、新規のエクセルファイルを作成しデータ入力を行うことで、ファイルの数が増え管理しきれなくなる、不要なファイルが増えてしまうという事例もあります。
そこで脱エクセルを進めて、大量のデータでも高速に処理できる別のシステムやツールを使うことが求められるようになったのです。
脱エクセルがなぜ進まないのか
脱エクセルが必要だと知りながら、それでも脱エクセルがなぜ進まないのでしょうか。
脱エクセルを妨げている要因や理由を見ていきましょう。
多くの企業で使われているソフトだから
業務標準化に関する実態調査2020年版によると、職場で最も多く使われているソフトにエクセルが挙げられています。
エクセルは多くの人や企業が使っているため、年齢層を問わず扱いやすいツールであることは確かです。
また、エクセルが多く使われていることで、「みんな使っているから」「他社とのやりとりに対応できる」という心理的安全性が働いていることも考えられます。
実際に、エクセルは扱いやすいだけではなく、表計算ソフトやデータ管理において優れたツールでもあります。
自社の脱エクセルがなぜ進まないのかを考える際には、利用率が高いことを重視して、利便性や効率化が後回しになっていないかを検討する必要があるでしょう。
導入時のトレーニングコストを抑えられるから
多くの企業がエクセルを用いて情報共有をすることから、入社前にすでにエクセルに触れたことがあるという人は多いでしょう。
また、多くの人に使われているエクセルは、書籍やインターネット上での情報量も多く、個人でもスキル習得が可能です。
基本的な操作であれば作業可能な人材に対して、勉強会や研修を省くことはトレーニングコストの削減につながります。
会社の費用内訳において、研修にかける人件費が多くかかることからも、トレーニングコストを抑えられるエクセルから抜け出せない企業は多いようです。
さらには、エクセルの利用が当たり前と考えていることが多いので、エクセルの知識があるというだけで重宝される人材がいる、社内のエクセル利用に独自ルールがあるということもあり、エクセル第一主義のような思想になってしまっている場合もあるようです。
使い慣れているから
エクセルよりもスピーディーで、効率のよいツールがあることを認知していても、中々別のツールへとシフトできないことも、脱エクセルが進まない理由に挙げられます。
使い慣れているエクセルから効率のよい他のツールへとシフトする際は、新たにツールの使い方を学ぶ必要があります。
また、エクセルでやっている、やってきたということでエクセルに悪い意味で固執してしまっていることもあるでしょう。
長期的な視点で見れば、エクセルよりも生産性を高められるツールを使用し、脱エクセルを進めるという思い切った転換が必要な状態でも、エクセルへの依存を強めているとシフトできないということもあるようです。
データベースツールとして長く使っているから
エクセルは本来、表計算をおこなうツールです。
エクセルは大容量のデータを蓄積することはできませんが、保存できるデータ量に限界を迎えるまで使い続けることは可能です。
しかし、計算や分析のためにデータ入力を繰り返すうちに、そのままデータベースツールとして使われているケースも少なくありません。
長期間保存し続けたデータを、専用のデータベースツールへと移す作業は、手間も時間もかかるものです。
データベースツールとして、エクセルを長く使い続けてしまったことで、エクセルから抜け出しにくいという現象が生じてしまう場合もあります。
脱エクセルのメリット
脱エクセルが必要だとわかっていながら、なかなか進められないのであれば、脱エクセルのメリットについて知ることも重要です。
脱エクセルのメリットはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
業務の属人化を回避できる
エクセル管理における業務属人化には、以下のような事例が挙げられます。
- エクセルで管理している任意のデータが、どのフォルダに保管されているのか担当者しかわからない
- マクロやVBAなどの自動化できる機能を埋め込んでいるため、専門知識がある人や作成者しかメンテナンスができない
このような課題が生じるエクセルよりも必要な業務に応じて、細かく設定されたクラウドサービスが多く普及しています。
多くのクラウドサービスは、誰もが使いやすいような仕様となっており、使い方がわからない、あるいはトラブルが発生した際でも、ベンダーが窓口となって対応してくれるので、属人化になりにくい特徴があります。
エクセルから抜け出し業務に最適なほかのツールを使うことは、業務属人化を回避し、生産性向上や業務効率化というメリットを生み出すことができるのです。
リアルタイムでデータが共有できる
既に挙げたように、エクセルは複数人での同時編集や更新箇所をリアルタイムに反映することには不向きなツールです。
リモートワークが普及しているなかで、離れた場所からでもオフィスの対面で作業をしているときと同等のパフォーマンスが求められます。
脱エクセルにより、複数人での編集に対応可能であり、かつリアルタイムに情報が更新されるツールを使えば、ほかの人のファイル編集作業を待つ必要がなく、生産性向上につながります。
数値入力が自動化できる
手作業によるエクセルシートへのデータ入力は、人的ミスによる数値の誤入力につながりやすいです。
エクセルであっても、マクロやVBAなどにより自動化できる部分はありますが、専門知識を必要とするため専任者の退職や異動などにより、メンテナンス不可能となるデメリットを持ち合わせています。
脱エクセルにより、ほかのツールへとシフトすることで、データ入力を自動化し、手入力によるミスをなくすことができます。同時に、データ入力を自動化できることで作業効率と生産性の向上にもつながります。
長時間労働の削減につながる
例えば、勤怠管理をエクセルでおこなっている場合、管理部門は集計をとるまで長時間労働が発生しているかを把握することはできません。
クラウドサービスの勤怠管理ツールの中には、リアルタイムに勤務時間を反映させることで、従業員の勤務状況を明確にすることができるサービスもあります。
また、脱エクセルはエクセルの非効率さを解消し、生産性を向上させることができるため、無駄が生じていた労働時間そのものの削減にもつながります。
このように脱エクセルは、長時間労働を是正し、適正な労働環境を保てるというメリットにつながるのです。
コスト削減につながる
エクセルは有料ツールですが、Googleスプレッドシートは、エクセルと同等の機能をもちながら無料で利用することができるため、年間コストを削減することができます。
また、クラウドツールを利用することで、メンテナンスをベンダーに任せることができるため、運用保守にかかる費用の縮小も可能です。
さらには、エクセルから効率のよいクラウドツールに移行し、ひとつの作業にかかる時間が短縮されれば、時間的コストの削減にもつながります。
目に見えるコストから時間的コストや人件費などの目に見えないコストまで、あらゆる面でのコストを削減できることも、脱エクセルの大きなメリットです。
大容量データを扱える
時代が進むにつれ、企業が扱うデータは巨大化しています。エクセルは、大容量データを蓄積することには不向きなツールです。
多くのデータを蓄積したいのであれば、クラウド上で利用できるデータベースツールを導入することで、膨大なデータを蓄積しながら、複数人でのデータ編集が可能になります。
データベースを目的としたクラウドツールは、巨大化するデータにも対応できるため、エクセルのように処理が遅くなることもありません。
蓄積された多くのデータは、会社の貴重な資産ともいえます。巨大化するデータを効率よく保管し、継続して活用できることも脱エクセルのメリットなのです。
脱エクセルで業務効率化を実現しよう
脱エクセルとはいっても、社外の相手とのやりとりやデータ集計など、エクセルが必要になるシーンは多くあり、完全にエクセルを使わないという手段をとる必要はありません。
重要なのは、最適なほかのツールがあるにも関わらず、「使い慣れているから」「みんな使っているから」という理由で、エクセルを使い続けることから抜け出す思考です。
エクセルを無理に使い続けるのではなく、業務に応じた適切なツールを使い分けるたことが脱エクセルというよりも、業務効率の観点からも重要です。
大容量データのバックアップや共有には、ビジネス利用に特化したオンラインストレージサービスのセキュアSAMBAを活用してみてはいかがでしょうか。
脱エクセルによるデータのバックアップやエクセルファイルの共有や保管には、ぜひ無料から使えるセキュアSAMBAをご検討ください。