テレワークは誰でも効率よく成果が出せるわけではありません。
生産性を高めるには個人と企業、どちらにもテレワークの工夫が必要です。
テレワークでできる工夫にはどのようなものがあるかを確認していきましょう。
テレワークに工夫は必要?
テレワークで良い成果を出すためには、積極的な工夫が必要です。
業務環境が優れていればいいのですが、一般家庭はそもそもデスクワークを行うことに向いていません。
パソコンモニターのサイズ、机の高さ、椅子の座り心地、同居人の生活音など、イライラして集中力を保てなくなる要因がたくさんあるためです。
テレワークの工夫をしないと、日々の小さなストレスが数か月にわたり積み重なって、体を痛めたり精神的に落ち込んだりすることにもなりかねません。
テレワークの工夫次第で、精神的なストレスや身体的な痛みから解放され、集中力も増し、快適な仕事環境を得られます。
テレワークを快適におこなうためにはテレワークならではの工夫が重要になるのです。
テレワークの工夫:働く側の工夫
テレワークでより生産性を高めるために、働く側の個人でできるテレワークの工夫があります。
厚生労働省の「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」にもあるように、テレワークの実施には安全衛生へ配慮した作業環境が大切です。
ワークスペースの改善や生活面への気遣いで、より健全で効果的なテレワークが行える工夫を進めましょう。
作業環境の改善
テレワークを始めるにあたって、ワークスペースの見直しは必須です。
特にイスは腰や肩を痛める原因にもなるため、きちんとしたデスクワークチェアに買い替えた方が良いでしょう。
また、部屋の照明は300ルクスを目安にし、空調や湿度管理も工夫すると快適な環境を保てます。
パソコン・周辺機器の改善
処理速度の速いパソコンや周辺機器の便利グッズをそろえてみましょう。
デュアルディスプレイやモニターアーム、ノートパソコンスタンドなどを駆使すると、驚くほど快適に作業ができます。
通信環境の改善
通信環境はかなり重要です。
ネット回線の早い・遅いによって作業効率や精神的ストレスに大きな影響を与えます。
Wi-Fi環境の安定性や通信速度を確保するためには、多少コストがかかっても、十分なスペックのルーターを用意しましょう。
デスク周りの整頓
デスク周辺がごちゃごちゃしていると集中力が途切れやすくなります。
スマートフォン、雑誌、マンガなど、気が散る要素が点在しては仕事に悪影響です。
収納スペースを確保し、デスク周りをスッキリ整頓しましょう。
メガネやコンタクトレンズの新調
眼精疲労を少しでも軽減するため、パソコン用に度数を合わせたメガネやコンタクトレンズの装用も有効です。
眼精疲労だけでなく、頭痛や肩こりの改善につながることもあります。
家族とスケジュールを共有
同居する家族がいる場合、仕事のスケジュールを共有し、在宅テレワークへの協力を依頼します。
何時からオンライン会議とか、いつまでに納期だから集中したいといった情報を共有すれば、在宅のストレスを軽減できます。
セルフストレスチェックをする
テレワークでは気がつかないうちにメンタルヘルスを悪化させているケース」があります。ストレスチェックをこまめに行いましょう。
ストレスチェックを行なった結果、数値が悪い、あるいは自覚的にも落ち込みがあると感じる場合、必ず会社や産業医に相談してください。
高ストレスを放置するとうつ病になる可能性もあるため、結果を受け止めて抱え込まないことが重要です。
ストレスチェックはアプリや専用のサイトで簡単に行えます。
オンラインで運動不足解消する
テレワークによる運動不足の解消には、外出して運動する以外にも、オンラインフィットネスや無料配信のエクササイズ動画の活用が有効です。
習慣化するためにも運動する時間を決めておくのもいいでしょう。
食生活を見直す
食べ過ぎを防ぐために、栄養管理の見直しをしましょう。
オフィス勤務よりも一日に必要なカロリーは減っています。
これまでと同じような食事内容では肥満になるのは必至です。
カロリー計算アプリやサイトを利用して食生活を見直せば、生活習慣病になりにくい体づくりも期待できます。
テレワークの工夫:企業側の工夫
企業側ができるテレワークの工夫もあります。
テレワークの工夫として企業ができるものにはどのようなものがあるかを確認していきましょう。
労務管理の徹底
企業側が最も力を入れるべき工夫の一つに、労務管理の改善や見直しがあります。
テレワークで問題になるのは労働時間と生活時間の境界があいまいで、勤務時間の正確な把握がしにくいという点です。
企業が実際の労働時間を認識できなければ、サボる人と超過勤務する人で不公平感が生まれ、モチベーションの低下を招くこともあるでしょう。
クラウドツールを使った勤怠管理や、時間外のアクセスを許可しない方法など、ICTを活用した管理方法を取り入れるべきです。
また、テレワークでは「育児をしながら仕事をする」といった、仕事と仕事以外の区別を明確にできない就業時間帯が存在します。
このようなグレーゾーンにあたる勤務の仕方にどこまで寛容になるべきか、就業規則全体の見直しも必要です。
中抜け時間の管理
テレワーク中の中抜け時間をどのように扱うかについて、あらかじめ就業規則を見直し、周知させることが大切です。
中抜けは労働時間と生活時間をあいまいにする理由の一つです。
事前にどのように扱うかを表明しておかないと、長時間労働の原因になってしまいます。
厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、「企業は中抜け時間を把握してもしなくてもよい」としつつ、休憩時間として扱い終業時刻を遅らせるのか、有休として扱うのかなど、事前に定めておくよう通達しています。
また、中抜け時間の報告は社員側からの自己申告で管理することもあり、日頃から信頼関係を築いておくことも重要です。
健康相談の受け口を広げる
リモート社員が気軽に健康相談できる窓口を設置します。
従業員の健康管理も企業の役目ですが、テレワークによって健康問題が可視化しにくく、相談しにくい状況になりがちです。
例えばChatworkなどのチャットツールを用いて、提携している産業医や看護師、保健師と気軽に話せるシステムを作るのがいいでしょう。
食事や睡眠の質などを社員が個別に管理できるような健康アプリの提供を進めるのも一つの手段です。
ストレスチェックの実施
ストレスチェックの実施回数を増やし、メンタルヘルスの問題の早期解決に努めるのも、これまで以上に企業の積極的な関与が必要となりました。
2015年より従業員が50人以上いる事業所にはストレスチェックが義務化されています。
しかしテレワークによって個々のメンタルヘルスの状況がわかりにくくなるため、テレワーク以前と同じような感覚では不十分かもしれません。
厚生労働省が「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」を無料配布するなど、チェックツールも充実しています。
離職率を下げ、生産性を向上させるためにもストレスチェックは積極的に行いましょう。
コミュニケーションの目的を作る
孤独の作業になりがちなテレワークでは、社員同士のコミュニケーションの場を積極的に設けたいものです。
行き詰ったときにすぐに相談できる、ちょっとした雑談ができるといったオンラインの場を提供すれば、テレワークの閉塞感から解放され、ストレス発散の機会となるでしょう。
テレワークを工夫して働きやすい環境を作ろう
働きやすい環境作りのためには、仕事環境を整えること、生活環境を見直すこと、家族に協力してもらうことなど、いくつものやり方があります。
テレワークの工夫は身近な工夫でも作業効率は確実に上がるでしょう。
しかし、重要なのは、やはり企業側のテレワークの工夫です。
リモート社員一人一人の健康状態の把握から納得できる人事評価まで、誰にも不利益が生じないような、管理体制の見直しが欠かせません。
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