いつどうなるかわからないリスクに備え、バックアップの知識を正しく身につけ、効果的なバックアップを行うことが重要です。
バックアップについて、範囲別・保存先別・方式別・目的別に様々な観点でバックアップの種類について解説します。
バックアップについて正しい知識を持って実践できるようにしていきましょう。
バックアップの種類:範囲別
まずは「範囲別」にバックアップの種類を紹介します。
バックアップには大きく「システムバックアップ」と「データバックアップ」があります。
それぞれの特徴を理解し、適切な範囲でバックアップを行いましょう。
システムバックアップ
システムバックアップとは、利用しているシステムと同じ構成のシステムを用意するバックアップです。
データ毎ではなく、OSを含めたシステム全体のバックアップを取ることで、最悪の事態に備えることができます。
システムが故障してしまった場合、データだけのバックアップだけでは復旧はできませんが、同じシステムをもう1セット用意しておくことで、スムーズに復旧することが可能です。
ただし、同じシステムを2つ用意するため、かかるコストは大きくなります。
また、システム全体のバックアップになるため、バックアップにかかる時間が長くなるデメリットがあります。
データバックアップ
データバックアップとは、その名の通り、データのみのバックアップを取ることを指します。
システムバックアップのようにもう1台機器を用意する必要もなく、データのみがバックアップ対象であるため、バックアップにかかる時間も短く、手軽に行うことが可能です。
ただし、OSなどのシステム自体にトラブルが起きた場合、復旧できるものはバックアップを取ったファイルのみになるため、注意が必要です。
バックアップの種類:保存先別
「保存先別」でバックアップの種類を紹介します。
バックアップデータを保存する場所はいくつか考えられますが、バックアップ対象物や範囲によって適切なものを選択しましょう。
HDD
HDDは、ハードディスクドライブの略で、金属でできたディスクに磁気でデータを記録する機器です。
大容量データの保存が可能で、容量あたりの単価も安いため、バックアップ先として多く使用されています。
ただし、衝撃や振動に弱いというデメリットがあるため、持ち運びにはあまり向いていない機器となっています。
SDD
SDDは、ソリッドステートドライブの略で、半導体メモリなどの電子部品にデータを記憶する機器です。
HDDと同じ容量でも価格が高めですが、振動や衝撃に強く、読み書きが高速という特徴があります。
オンラインストレージ
オンラインストレージは、クラウドサービスの一種で、インターネット上に存在する大容量HDDの一部をクラウド事業者から間借りしてデータを保存できるサービスです。
機器のメンテナンスやBCP対策はクラウド事業者が行ってくれるため、運用の手間がかかりません。
毎月のランニングコストが発生するデメリットがありますが、インターネットに繋がってさえいれば、どこからでもアクセスできるメリットがあります。
他の人とファイルを共有する場合も、いちいちデータの受け渡しを行う必要がなく、オンラインストレージに直接アクセスしてもらえば良いだけなのでとても便利です。
その他
ほかにもDVDやUSBメモリなどがあげられます。
DVDは単価が安く気軽に利用できる反面、ディスクを読み込むドライブが非搭載のパソコンが増加傾向にあるため、DVDを利用する場面は減少しつつあります。
USBメモリは、単価が安く小型のため、手軽にデータの持ち運びをすることには長けていますが、紛失しやすかったり、静電気による破損のリスクもあるため、バックアップ先としてはあまり適していない側面があります。
バックアップの種類:方式別
「方式別」でバックアップの種類を紹介します。
バックアップ方式にはいくつか種類があります。
特徴を理解して適切な方式を選択しましょう。
フルバックアップ
保存するデータを全てバックアップする方式です。
単純ですが、データ量が増えるため、バックアップに時間がかかります。
差分バックアップ
フルバックアップ後に追加や変更があった場合、毎回フルバックアップからの差分データをバックアップする方式です。
設定した世代数を超えた場合は、再度フルバックアップを取る必要があります。
フルバックアップと比較すると、データ量が減り、バックアップにかかる時間も短縮されます。
増分バックアップ
前回のバックアップ後に追加や変更があった場合、前回バックアップからの差分データのみをバックアップする方式です。
差分バックアップ同様に設定した世代数を超えた場合は、再度フルバックアップを取る必要があります。
フルバックアップや差分バックアップと比較してデータ量がかなり減るため、バックアップにかかる時間が最も短縮されます。
イメージングバックアップ
OSやアプリ、データなど現時点でのパソコンの中身を丸ごとバックアップする方式です。
イメージファイルと呼ばれるファイルに圧縮して保存されるため、中身を確認したり、復元したりするときは専用のアプリケーションやディスクが必要になります。
バックアップした時点にパソコンを戻すことができるため、OSが壊れてパソコンが起動しなくなっても、壊れていなかった状態に戻すことができるため、万が一の事態に対応することができます。
バックアップの種類:目的別
バックアップの種類を目的別に紹介します。
なぜバックアップが必要なのか、何に備えてバックアップを取るのかをいくつか説明していきます。
オペミスによるデータ損失を防ぐため
オペミスとはオペレーションミスの略で、いわゆる「人的ミス」のことを言います。
誤ったデータ更新や削除、うっかりや勘違いなどによって、データの破損や紛失が起きる可能性があります。
気を付けていても、人間が操作する以上は起こりうるのでバックアップが必要です。
システムバグによるデータ損失を防ぐため
利用しているソフトウェアのバグや相性の悪さが原因で想定していない動作をすることによってデータの破損や紛失が起きる可能性があります。
開発者も十分に気を付けているとはいえ、ソフトウェアを作っているのは人間なので、バックアップが必要になります。
故障によるデータ損失を防ぐため
当たり前ですが、パソコンは機械です。
機械は消耗品で、経年劣化によって不具合を起こしたり、物理的に故障してしまう可能性があります。
いつ故障するかは誰にもわからないため、備えておくことが必要です。
ウイルスによるデータ損失を防ぐため
悪質なウイルスやマルウェア感染が原因で想定していない動作をすることによってデータの破損や紛失が起きる可能性があります。
ウイルス対策ソフトをインストールしていても、すり抜けて感染する可能性は十分に考えられます。
BCP対策のため
BCPとはBusiness Continuity Planの略で、「事業継続計画」のことを指します。
自然災害やテロなどの突発的な緊急事態に遭遇した場合でも、事業の損害を最小限にとどめながら、事業を途切れずに継続させるための計画のことを言います。
これらの要因は誰にも予想できないため、普段からいつ何が起きても大丈夫なように対策をしておくことが重要で、定期的なバックアップをすることがそのひとつとなります。
バックアップ「3-2-1ルール」を実践しよう
「3-2-1ルール」をご存じでしょうか。
データのバックアップを取る際の理想的な方法のひとつとされる考え方です。
このルールは以下の3つ要素を踏まえたバックアップのことを言います。
- データはコピーして3つ持つ
- 種類の異なる2種類のメディアでバックアップを保存する
- バックアップのうち1つは違う場所で保管する
これらを履行することであらゆるリスクに対応でき、データ復旧可能な状態を維持することができると言われています。
バックアップ計画を立てるときには、是非頭に入れておきたいルールです。
バックアップ先はオンラインストレージがおすすめ!
「3-2-1ルール」を履行するためにぜひ活用したいものが「オンラインストレージ」です。
バックアップデータをクラウド上に保存することで様々なリスクに対応できます。
オンラインストレージ「セキュアSAMBA」ではアクセス経路とファイルが全て暗号化されるため、セキュリティも強固で安心して利用することができます。
また、シンプルで操作が簡単なため、直感的に利用することができます。
セキュアSAMBAは無料から使えてプランも豊富に用意されているため、ご利用シーンに応じた使い方が可能です。
オンラインストレージを活用した適切なバックアップ運用を検討してみてはいかがでしょうか。