テレワークの必要性を目にする機会が増えているにもかかわらず、テレワークは難しいとして普及率は伸び悩んでいます。
テレワークを促進するには「適した環境整備が必要」であることや「テレワークができる職種であるか」など、企業ごとに解決すべき課題があるためです。
環境整備が難しいからといってテレワークを促進しなければ、企業の存続にとっての障壁になる可能性も考えられます。
テレワークは難しいのか、テレワークが難しいと感じる理由や解決策について、考えていきましょう。
テレワークは難しいものなのか
そもそもテレワークは難しいかどうかですが、企業の業務内容や設備環境・経営戦略・企業規模などにより「難しいと感じる場合」があります。
テレワーク導入を考えたときに環境整備が多く必要な場合や、そもそもテレワークができない業態であれば、テレワークは難しいと結論づけられやすいでしょう。
しかし、テレワークは難しいと感じる場合でも、まったくテレワークができないわけではありません。
テレワークが難しいと感じるのはなにが原因なのかを明確にし、課題に対しての解決策を模索すれば、テレワーク実現につながります。
また、製造業や接客業などのテレワークが現実的に難しい職種でも、事務業務や企業の経営内部に関わる業務では、テレワークができる可能性があります。
環境整備など企業にとって大きな変革が必要になるテレワークは、難しいと感じやすいですが「難しいからできない」と結論づけるのはもったいないことでしょう。
テレワークが難しいとされる理由:企業側
テレワークが推奨されているにもかかわらず普及しない理由には、主に業務内容や設備環境の問題があります。
テレワークが難しいとされる企業側の理由を、考えてみましょう。
業務内容がテレワーク向きではない
テレワークは職場以外の場所で業務をおこなう状態です。
職場まで足を運ばないと業務がおこなえない職種などでは、テレワークが難しいのは明らかでしょう。
製造業やサービス業・医療職・介護職などは、テレワークが難しい業種であるといえます。
業種の特性を考えたときに、業務内容がテレワーク向きではない・テレワークが困難であれば、テレワークは難しいとされやすいです。
設備環境を大きく変更しなくてはならない
テレワークが可能な職種であっても、既存システムが古すぎる・テレワークできる設備がまったく整っていないと、設備環境の改善が必要です。
設備環境を整えるためには、コスト・時間・人手が必要となります。環境整備のために必要なものが確保できなければ、テレワーク導入は現実的ではありません。
設備を変更する必要があればあるほど、テレワークは難しいといわれやすいでしょう。
勤怠・進捗管理、人事評価の方法を変える必要がある
テレワークでは職場に出社していたときと同じように、勤怠管理や進捗管理・人事評価などをおこなえません。
働く環境が大きく変わるため、テレワークに合わせた管理・評価方法の検討が必要なためです。
しかしながら、企業に根付いた習慣やルールを変更するのは、片手間でできるほど簡単ではありません。
既存の社内ルールなどの刷新が必要になる可能性があるため、テレワークは難しいといわれる理由になるのです。
テレワークが難しいとされる理由:働く側
テレワークが難しいのは企業の課題だけでなく、実際にテレワークで働く労働者側が感じる課題にも理由があります。
テレワークが難しいとされる働く側の理由を考えてみましょう。
テレワークできる環境がない
テレワークするには、職場以外に労働スペースの確保が必要です。
労働者側にテレワークできる環境がないことには、テレワークの促進は難しくなります。
- 自宅に働ける部屋がない
- 業務できる設備がない
- 子どもが家にいて集中できない
上記の環境問題などが、テレワークの難しさにつながると考えられるでしょう。
必要資料の閲覧ができない
出社しないと業務に必要な資料が閲覧できない状態では、テレワークは難しいと言われて当然です。
出社の必要が出てきてしまう状況では、テレワークとは言い難いためです。
- 機密資料の持ち出しができない
- 過去資料が膨大でとても持ち帰れない
上記の課題がクリアになっていなければ「テレワークは今の状況では難しい」と、労働者が感じる要因になるでしょう。
テレワークは難しいからやらないはもったいない
テレワークが難しいのには企業ごとに理由があります。
難しいからといって「やらない」と早期に結論付けてしまうのはもったいないと考えられます。
なぜなら、以下のメリットが挙げられるためです。
- コスト削減
- 緊急時の事業継承対策
- 生産性向上・業務効率化
- 企業イメージの向上
- 働き方多様化の実現で離職率低下
- 従業員満足度の向上
特に昨今の情勢に鑑みれば、災害時・感染症流行時などへの対策は企業にとって必要です。
国をあげてテレワークを推進している背景も重なり、働き方の多様化について対策がおこなわれていない企業は、今後さらに企業イメージの低下につながる可能性もあります。
難しいからといって「やらない・やめる」と短絡的に判断するのはもったいなく、企業の発展や存続を考慮したときにはリスキーだとも考えられるでしょう。
「難しいからやらない」のではなく、まずは自社企業でのテレワーク導入方法を模索するのが、望ましいでしょう。
テレワークは難しいから脱却するための解決策
テレワークは職場に出社する働き方と大きく環境が変わるため、社内ルール見直しや企業の体制を変えることが解決策となりやすいです。
テレワークが難しい状況から脱却するための解決策を考えていきましょう。
人事評価の基準・方法の見直し
テレワークは職場以外の場所で業務をおこなうため、管理者などの目が届かない状況になりやすいです。
そのため労働者は、正しく評価してもらえるか不安に陥りやすく、不平不満の原因にもなりかねません。
事実として2020年におこなわれた厚生労働省の「テレワークをめぐる現状について」の調査では「上司から公平・構成に評価してもらえるか不安」の項目で、31.4%の人が課題に感じると答えています。
そもそも成果物のみが評価の対象とならないように、企業が労働者に対して求める働きや水準をあらかじめ示すことが重要です。
そのうえで「1on1ミーティングを定期的に開催する」や「業務達成までにかかった時間を明確にする」など業務プロセスを見える化し、共通認識できる対策の導入が望ましいでしょう。
労働時間の管理方法の見直し
テレワークは自宅でおこなう人が多く、仕事とプライベートのオンオフが付けづらいという懸念点が挙げられます。
また、少し休憩するなど、いわゆる中抜け時間の実態が見えにくくなるため、明確な定義や管理方法が整っていないと不平不満が生まれる可能性が高まります。
- 労働時間を管理するツールを導入
- 離席確認ができるツールの導入
- 残業のルール
上記についてなど明確に定めて、労働時間の見える化を進めることが大切です。
業務の一部分をテレワーク化する
接客業や製造業、介護職などは、物理的にテレワーク化するのが困難な職種です。
テレワークはどう考えても難しいと感じられる業種でも、業務の一部分をテレワーク化するならできる可能性があります。
なぜなら、すべての仕事は利益がでるため事務作業が必要となるからです。
また、シフト制で人員を配置する場合には、シフトを作る作業なども人と接することなくできる作業です。
初めから「難しい」と諦めるのではなく、できる行程を模索し少しずつでもテレワーク化できれば促進のきっかけになるでしょう。
コミュニケーション方法の最適化
共通認識をもつことや気軽に相談ができる環境は、スムーズな業務遂行の手助けとなったりトラブルを未然に防げたりします。
そのため他者とのコミュニケーションは、企業にとって重要です。
テレワークの特性上、オフィスにいたときのように気軽な会話などがしにくくなります。
- チャットツールを導入し会話するようなテンポでコミュニケーションできる
- 週に数回Webミーティングを開催する
- 責任者はいつでも通話可能な状態にする
以上に挙げた内容などで、コミュニケーション方法の最適化をおこなうのが望ましいです。
トラブル予防や労働者同士の誤解が生まれにくくなる可能性が高まり、テレワークの難しさを感じづらくなるでしょう。
セキュリティ対策
テレワークを難しいと感じやすい事案として、機密情報などの持ち出しや取り扱いについてがあります。
そもそも機密情報や顧客情報などは、社外に持ち出しが禁止されている場合があります。
そのため「情報が持ち出せない=テレワークは難しい」と結論付けられやすいのです。
テレワークをするには自社外への情報持ち出しが必須となるため、紛失・盗難に備えたセキュリティ対策などを強固にするのが重要です。
- 情報を持ち出す形状によりルール策定をする
- 紛失しやすい形状のまま運ばない
- 二段階認証以上が必要なツールで情報管理する
- 強固なセキュリティのオンラインストレージを導入する
これらなどのセキュリティ対策を検討して、情報持ち出しに関するルール改変を進めるのが望ましいでしょう。
書類などのIT・デジタル化
テレワークが難しい状況の解決に役立つのが、書類などのIT・デジタル化です。
書類などをIT・デジタル化させると情報を持ち出せる環境が整えやすくなります。
テレワークしづらい理由として社外に情報を持ち出せないことが挙げられます。
「情報の持ち出し禁止」は下記が理由とされている場合がほとんどです。
- 紛失しやすい
- 紛失時に見つけにくい
- 盗難の可能性が高まる
- 情報漏洩リスクが高まる
書類などのIT・デジタル化が進めば、PCに情報を入れて持ち運べるため、紛失の可能性は減りやすくなります。
さらに使用するツールによっては「資料閲覧のために二段階認証の導入」や「情報閲覧や更新などのログの管理」も可能です。
社外に情報を持ち出せずテレワークが難しいなら、セキュリティ対策方法の見直しをして、社内ルールを改変できるのが望ましいでしょう。
利用機器やツールの整備
テレワークにはルールなどの内面的な内容だけでなく、利用機器やツールなどの環境整備が必要です。
- PC・タブレットなどのデバイス
- Wi-Fi
上記さえあれば業務が可能な場合もあれば、ヘッドセットやプリンターなどほかにも機器が必要となる場合もあるでしょう。
また、下記のツールなども、テレワークの際に利用する可能性が高まります。
- チャットツール
- Web会議サービス
- 電子サイン
- 勤怠管理システム
- オンラインストレージ
業務に必要な機器・ツールの整備を着実におこなうことは、テレワーク導入への解決策となります。
そうとはいえ一時的に大きなコストがかかる場合もあり、環境整備を進めたくても進められない状況になることも考えられるでしょう。
厚生労働省が「人材確保等支援助成金(テレワークコース)のご案内」という、中小企業が良質なテレワークを推進できるような支援を発表しています。
支援制度も活用しながらテレワークの準備を進めていければ、コストに悩む企業でもテレワークを進めやすくなるでしょう。
テレワークが難しいは解決できるものが多い
各企業や業態により理由はさまざまですが、テレワークが難しいと感じるのには理由があります。
設備環境が整っていなくてテレワークが進められない、テレワークができるルールが整っていないなど、まずはテレワークがなぜ難しいと感じるのかを明確にするのが最優先です。
原因に沿って解決方法を模索すれば、テレワークができる状態へと着実に近づくでしょう。
中でも情報の持ち運びができない状態は、テレワークが難しいとされる理由として挙げられます。
ネット上で情報を管理ができるオンラインストレージは、テレワークでの情報閲覧におすすめのツールです。
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テレワークをしやすい環境と整える第一歩として、無料から利用できるセキュアSAMBAの導入を検討してみてはいかがでしょうか。