必要なデータを必要な時に参照するためには、データを安全に保存しておくことが大変重要です。
データを保存する方法は複数あります。
しかし、保存方法によって、耐久性やコストに違いがあります。
データ保存方法を選ぶポイント、7つの具体的なデータ保存方法の特徴を解説します。
データの保存はなぜ必要?
パソコンで作業後、データを保存せずに消してしまうことは少ないでしょう。
普通ならアプリケーションの保存機能を実行し、パソコンの電源を落としているはずです。
このように日常的な「保存」を行っているにもかかわらず、別途データの保存方法を考えなければならないのはなぜなのでしょうか。
パソコンの物理的な破損に備える
パソコンが物理的に破壊されると、パソコン内に保存されていたデータは取り出せなくなってしまいます。
火災や洪水などの災害でパソコンが壊れる可能性は、常にあります。
水をこぼしてしまったり、上から落としてしまったりといった些細な事故でパソコンの電源が入らなくなることも考えられます。
一方で外部にデータを保存しておけば、パソコン本体が破壊されてもデータは守られます。
人為的なミスによるデータの消去、上書きリスクに備える
人間はミスをする生き物です。
大事なデータを間違って消してしまった、あるいは上書きしてしまって元データが見れないなどの人為的ミスを完全に防ぐことはできません。
そんな時元データを外部保存しておけば、データの復元は容易です。
人為的なミスによるデータの消去・上書きリスクに備えるためにも、外部へデータを保存しておくことは重要です。
データ保存方法を選ぶポイント
データ保存方法にはさまざまなものがあります。
やみくもに比べるよりも、比較ポイントを明確にしておく方が選択しやすくなります。
データ保存方法を選ぶためのポイントを紹介します。
イニシャルコストとランニングコスト
保存方法によってイニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(導入後の維持管理費用)はまるで違います。
保存方法は、イニシャルコストさえ払えばランニングコストはほとんどかからないものと、使い続ける限り費用が発生するものの2種類に大別できます。
会社の予算を念頭にデータ保存方法を選ぶことが重要です。
データ改ざんや不正アクセス防止機能
大事なデータが保存されている端末は、宝の山です。
悪意ある第三者に不正アクセスされてしまえば、情報漏洩によって会社の信頼度が一気に低下してしまうかもしれません。
データ保存方法を比較する際は、第三者がアクセスしたり、データ改ざんを試みたときに防止できる機能があるかを確認してみましょう。
災害時の安全性
選択した保存方法は、自社が災害にあったときでもデータを無事守ることができるでしょうか。
例えパソコン外にデータを保存したとしても、その保存先が手元にあれば自社の災害に巻き込まれてしまいます。
パソコンとデータ保存先はできるだけ離れていたほうが災害対策になります。
耐久性
データを保存する端末によって、耐久性はかなり変わってきます。
経年劣化を起こすものもありますので、大体何年ぐらいもつかは導入時に考えておきたいポイントです。
また、衝撃に強いかどうかも要確認です。
耐久性が低くすぐ壊れてしまうような端末にデータを保存すれば、いざというときにデータにアクセスできなくなる危険性があります。
容量
どれぐらいの容量を保存できるか、これも保存方法によってまちまちです。
年月が経過すれば保存データは膨れ上がっていきます。
使い続ければいつか容量が不足すると予想できる場合は、簡単に容量追加できるような保存方法を選ぶとよいでしょう。
利便性
データを保存した先にはスマートフォンやタブレットなど、様々な端末からアクセスできると便利です。
また、データ保存ツールが小型なら、持ち歩きができるので社外でデータを閲覧したいときにも役立ちます。
ただし、データを持ち歩くことで紛失のリスクがあるという点も忘れてはいけません。
データ保存方法の分かりやすさも比較ポイントです。
どれだけ費用をかけてデータ保存ツールを導入しても、誰も使いたがらないのでは意味がありません。
業務で使ったときの使い勝手をシュミレーションしながら、保存方法を選んでみてください。
データ保存方法:HDD
HDDは磁気ディスクを使った記憶装置です。
HDDは衝撃などに弱く、寿命が短いというデメリットがあります。
一方で、一度購入すればその後は維持管理費用無しで使い続けられる点はメリットです。
HDDといえばパソコンの中に組み込まれた記憶媒体を指す場合もありますが、ここで紹介するのは外付けHDDと呼ばれる製品です。
外付けHDDはUSBやLANでパソコンと接続し、パソコン外にデータを保存します。
LANで接続する補助記憶装置のことをNAS(Network Attached Storage)と呼びます。
NASの多くは、外付けHDDで構成されています。
NASを使うと一台の外付けHDDに対して、LAN内にある複数のパソコンを接続できるという強みがあります。
また、RAIDと呼ばれる機能を使えば、ひとつのデータを複数のHDDに分散保存できます。
ひとつのHDDが壊れてしまっても、他のHDDからデータを復元できるというのがRAID機能の特徴です。
データ保存方法:SSD
SSDは半導体メモリを使った記憶装置です。
HDD同様にパソコン内部の記憶装置としても使われますが、外付けで利用できるSSDも発売されています。
SSDはHDDに比べて読み書きが高速で、衝撃に強いという特徴を持っています。
また、小型で持ち運びしやすいというメリットがあります。
一方で、HDDに比べて割高であり、記憶できる容量は少なめです。
SSDでもNASを構成できますが、割高であるためHDD程の容量は確保できないかもしれません。
データを書き込むたびに劣化していくため、寿命が短めであるというデメリットもあります。
データ保存方法:SDカードやUSBメモリ
SDカードやUSBメモリはフラッシュメモリと呼ばれる記憶装置です。
フラッシュメモリは通電していなくても書き込んだデータを保存できます。
磁気ディスクなどと比べて、データの書き込みや読み出し速度が速く、衝撃に強いという特徴があります。
しかし、経年劣化や書き込みを何度も行うことでデータが読み込めなくなる可能性は残っており、数年で寿命を迎える端末もあります。
SDカードやUSBメモリは、容量によって価格が違うので自社に合った容量のものを選択しやすいです。
また、小型なので持ち運びに便利ですが、その分紛失によるデータ漏洩の危険性は高まります。
データ保存方法:DVDやBlu-ray
DVDやBlu-rayは光学ディスクに分類される記憶装置です。
100円ショップに売っているほど安価で、手に入れやすいです。
また、軽く薄いので持ち運びにも便利です。
ただしどこにでも持っていけるため、SDカードやUSBメモリ同様紛失によるデータ漏洩の危険性は高くなります。
耐久性には難があり、高温多湿など環境に影響されやすいというデメリットがあります。
表面が汚れたり、傷がついたりするとすぐにデータが読み出せなくなります。
薄いため、衝撃によって割れてしまいやすいのも欠点です。
最近では光学ディスクドライブが搭載されていないパソコンも増えているので、使い勝手はよくないかもしれません。
データ保存方法:M-DISC
M-DISCは、光学ディスクの一種です。
M-DISCは耐久性を高めたDVDやBlu-rayと言えます。
100年以上データを保存できるという試験結果も出ているほど、丈夫な保存方法です。
耐水性があり、高温、高湿でも劣化しにくいので、自然災害にも強いです。
なおM-DISCは上書きできない仕様になっているので、データを次々書き換えるという使い方はできません。
ただし、この特徴はデータ改ざんや誤消去を許さないという意味では強みになります。
読み込みは通常の光学ドライブで可能ですが、書き込みには専用機器が必要です。
データ保存方法:LTO
LTOは磁気テープ型の記憶装置です。
容量に対して単価が安く消費電力も低いという特徴があり、コストパフォーマンスに優れています。
大容量の記録が可能で、耐久性もあります。
30~50年超の長期保存に向いているデータ保存方法です。
デメリットとしては、ドライブやカートリッジが大変高額で手に入りにくいことです。
ドライブは高額なものでは100万を超えますし、カートリッジも数万円程の価格になります。
データ保存方法:クラウドストレージ
クラウドストレージは、データを保存できるオンライン上の倉庫です。
クラウドストレージを提供している会社と契約して使用する形になるので、使い続ける限りはランニングコストがかかります。
一方、自社に合った容量をプランから自由に選べたり、容量が足りなくなったら上位プランを契約できたりといった柔軟性があります。
クラウドストレージは、会社とは全く違うところにデータを保存できる点もメリットです。
仮に会社が災害にあっても、データセンターから迅速にデータ復旧が可能です。
また、物理的なツールではないので経年劣化の心配がありません。
サービスが終了しない限りは、継続して利用できます。
様々なデバイスや場所から利用できますし、不正アクセスを防止する機能も充実しているのでセキュリティ面での安心感もあります。
自社に合ったデータの保存方法を選ぼう
自社に合ったデータ保存方法を選ぶには、どのぐらいの容量のデータを何年ぐらい保存するのかあらかじめ見積もっておくことが大事です。
また、データ保存のためにいくら予算を組めるのかも考えておきましょう。
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