ファイル共有の方法として、メールに添付しての共有方法がビジネスにおいても主流とされてきましたが、効率や安全性を考えれば適切な方法とは言えません。
特に、大容量ファイルを送る際にはメール添付では送れない場合も多く、大容量ファイルの送り方や方法を悩むこともあるでしょう。
大容量ファイルの送信にはどのようなものがあるのか、大容量ファイルの送り方を選ぶポイントや、どの方法が大容量ファイルの送り方として最適であるかを確認していきましょう。
大容量ファイルの送信方法として使われるもの
まずは、大容量ファイルの送信方法には、どのようなものがあるかを見ていきましょう。
外付けストレージ
外付けストレージとは、スマートフォンやパソコン外部に設置するストレージ(記憶装置)にデータを記憶するための媒体のことです。
主な外付けストレージには、USBメモリやHDD、SSDなどが挙げられます。
外付けストレージは、専門的な知識がなくても手軽にデータ転送ができるため、デジタル知識をもたない人でも扱いやすい方法です。
コンパクトなサイズで持ち運びがしやすく、人の手から手に渡すことで、物理的に「データを渡した」という安心感を得ることができます。
しかし、コンパクトであることや物理的であることから、紛失や盗難に遭いやすいというデメリットも持ち合わせています。
外付けストレージは、物理的に大容量を送る方法であり、手軽さの一方で、紛失による情報漏えいのリスクがあると認識しておきましょう。
NAS
NASとは、HDDやSSDと同様にパソコンの外部に設置する記憶装置ですが、異なる点がいくつかあります。
HDDやSSDは、主にUSBケーブルを用いてデータ転送をおこなうのに対し、NASはネットワーク経由でデータ転送が可能です。
また、USBケーブルを用いたデータ転送では、USBケーブルでつないだパソコンのデータのみ転送がおこなわれるのに対し、NASはネットワーク上にあるデバイスであれば複数台のアクセスが可能です。
複数人でデータ共有をおこなう際には、HDDやSSDよりも効率がよいというメリットがあるが、HDDやSSDよりも導入時のコストがかかることがデメリットとなります。
また、NASは基本的に社内ネットワーク上でのデータ共有を目的としているため、リモートワークやモバイルワークに対応するには、別途設定が必要になることから、人的リソースを確保しなければいけません。
NASは、主に社内で大容量ファイルを送信する方法であり、導入の際にはIT人材が必要になる方法です。
無線通信機能を用いた共有機能
Windowsの共有フォルダやApple社のAir Dropなど、Wi-FiやBluetoothなどの無線通信機能を用いて、データ共有をおこなう方法です。
パソコン内の任意のフォルダに対し、別のパソコンがアクセスすることで、データを送ります。
WindowsやMac Bookに標準搭載されている機能であるため、ソフトウェアやアプリケーションをインストールする必要がないため、簡単にデータを送ることが可能です。
ただし、同じネットワーク上にあるパソコンであれば、データを共有することが可能であるため、不特定多数の人が利用するカフェや駅のWi-Fiでは、情報漏洩などセキュリティ面でのリスクが大きくなります。
そのため少人数のオフィス内で限定されたデバイスでのみ、データ送信をおこなうための機能であると考えましょう。
ファイル転送サービス
ファイル転送サービスとは、メールに添付できない大容量ファイルを送信する際に使われるサービスです。
送信したいファイルをインターネット上にアップロードし、生成されたリンクをメールやメッセージで相手に送り、リンクを受け取った相手がファイルをダウンロードする方法です。
よく知られているファイル転送サービスに、ギガファイル便やデータ便などが挙げられます。
ファイル転送サービスには無料で利用できるものもあり、コストをかけずに大容量ファイルを送信できるというメリットがあります。
一方で、無料のファイル転送サービスは、画面上に広告が多く表示されることやデータを預けるサーバーを不特定多数の人と共有することなどにより、ビジネスでの利用を禁止している企業もあります。
機密性の高い内容やセキュリティ対策への意識が高い企業に対して、大容量ファイルを送信する際は、十分な配慮が求められます。
ビジネスチャット
ビジネスチャットは、コミュニケーションを目的としたチャット機能がメインとなっていますが、大容量ファイルを送信することもできるサービスです。主なビジネスチャットのサービスには、ChatworkやSlackなどが挙げられます。
Chatworkの場合、フリープランでも1アカウントにつき5GBまでの容量を使うことができます。
ビジネスチャットでは、ファイル共有とともにメッセージを送ることもできるので、伝えたい要件とファイルを関連づけて相手と共有したいときには使いやすいツールです。
ただし、1つのチャットルームに参加している人数が多い場合は、チャットでの発言数が多くなるにつれ、該当のファイルが流れてしまうというデメリットもあります。
ビジネスチャットは、大容量ファイルの共有方法というよりは、コミュニケーションを重視したファイル共有と相性のよい方法と考えておきましょう。
オンラインストレージ
オンラインストレージとはクラウド上にデータをアップロードして、データの保管や共有をおこなうサービスです。
クラウド上にデータをアップロードするという部分では、ファイル転送サービスと似ていますが、いくつかの異なる点もあります。
オンラインストレージはファイル転送サービスと異なり、ファイルにアクセスできる人やデバイスを細かく設定できます。
さらに、オンライン上でデータを共有しながら同時編集が可能である点も、ファイル転送サービスにはない特徴です。
この特徴により、その都度ダウンロードしてファイルを編集する必要がなくなるため、ダウンロードに時間を要する大容量ファイルの送信の際は、効率のよい方法といえるでしょう。
大容量ファイルの送信方法にメールは不向きである理由
これまでビジネスにおけるファイルの送信といえば、メールが主流とされてきました。
しかし、大容量ファイルの送信方法にメールは不向きであるという共通認識が持たれています。
大容量のファイル送信にメールが最適ではない理由について、詳しく見ていきましょう。
データサイズに限界があるから
メールに添付できるファイルの容量は、約20〜30MBとなっています。
デジタル技術の向上によりデータの大容量化が進んでいることから、メールに添付できるファイルの容量を超えてしまうことは珍しくありません。
さまざまなファイル共有ツールが普及している昨今において、メールは添付できるファイルのサイズが小さいため、大容量ファイルの送信方法として最適ではありません。
効率が悪いから
どうしてもメールで大容量ファイルを送信したいのであれば、ファイルの分割や圧縮をおこなうことで、ファイルサイズを小さくするという方法があります。
しかし、ファイルの分割や圧縮には、その都度時間と手間がかかります。
また、受信者も同様に、送られてきたファイルの解凍や結合をおこなう必要があります。
大容量ファイルの送信にメールを用いることは非効率であることから、最適な送信方法とは言い難いでしょう。
安全ではないから
Emotetのようなマルウェアによる被害は、メールが原因となっているケースが多くみられます。
また、メールは一度送信してしまうと、基本的に送信取消をすることはできません。
そのため間違った相手にデータを送信してしまった場合、意図しない相手に機密情報がわたってしまうリスクを抱えています。
このことから現代におけるメールは、大事なデータをやりとりするには、安全面に欠けているツールという認識が広がりつつあります。
誤送信やマルウェアによる情報漏洩のリスクを抱えることから、大容量ファイルを含めビジネスにおけるファイル送信方法には適していないといえます。
受信先の環境によっては負担がかかるから
大容量ファイルを分割して複数回にわたりメールに添付して送信すると、相手に何度も受信通知が表示されてしまいます。
何度も表示される受信通知によって、相手の作業の手を止めてしまったり、トラブルがあったのかと心配をかけてしまったりすることも考えられます。
ファイルを添付したメールを短時間の間に何度も送信することで、相手のメールボックスを圧迫してしまい、相手に迷惑をかけてしまう懸念もあります。
相手の環境によって、大きな負担になりかねないことから、メールで大容量ファイルを送信することは不向きであるといえるでしょう。
大容量ファイルの送り方を選ぶポイント
大容量ファイルの送り方はさまざまですが、大容量ファイルの送信方法を選ぶポイントについて詳しく見ていきましょう。
ファイル容量は適切か
業務で扱う最大のファイルサイズや、月間でファイルを送信する頻度などを考慮して、使うツールやサービスに十分なファイル容量があるかをチェックしましょう。
ただし、サブスクのサービスを利用する場合などは、ファイル容量が大きくなるにつれて月額料金も上がっていきます。
また、外部ストレージにおいても、大容量データを保存できるものは高額になります。
必要以上に大きなファイル容量のプランを選択したり、外部ストレージを購入したりすると、無駄なコストが発生してしまいます。
あらかじめ自社に必要なファイル容量を把握しておき、最適なサービスやツールを選びましょう。
安全性の高さ
取り扱う大容量ファイルの内容が機密性の高い情報である場合は、「どの方法で送るか」について細心の注意を払いましょう。
送り先によっては、情報漏洩の原因となりやすいことから、USBメモリやファイル転送サービスを用いたファイル送信を受け付けないケースもあります。
大容量ファイルの送り方を選ぶ際は、「強固なパスワードがかけられるか」「共有権限を細かく設定できるか」など、ファイルの機密性と安全性の高さが比例しているかを意識してみましょう。
共有先の環境が整っているか
大容量ファイルを送る場合は、相手の端末や通信環境に合った送り方を選ぶこともポイントです。
相手の端末内にダウンロードが必要となる場合であれば、端末の内部ストレージに十分な空き容量が必要となります。
また、通信速度が遅い環境であれば、ファイルのダウンロードに多くの時間を要してしまいます。
大容量ファイルをダウンロードすることで、相手に負担がかかるのであれば、ダウンロードせずに、ファイルの閲覧や編集が可能な送り方を選ばなければなりません。
さらに、ビジネスチャットを用いて大容量ファイルを送信する場合であれば、送り先の相手も同じサービスのアカウントをもっている必要があります。
人によっては、「ビジネスチャットは社内コミュニケーションツールとして使うもの」と認識しているケースもあります。
自分にとっては最適なファイル送信方法と認識していても相手とのコンタクト方法によっては、送り方を変更しなければならないということも意識しておきましょう。
ランニングコストが負担にならないか
ランニングコストとは大容量ファイルを送信するために導入した方法を、継続して運用するためにかかるコストのことです。
ランニングコストがかかる方法には、サブスクで利用するサービスや機器の運用保守に人材を採用するというケースがあります。
大容量ファイル送信における効率性や安全性、ランニングコストのバランスがほどよく保てることも意識したいポイントであります。
適切な操作性があるか
大容量ファイルの送信方法を選ぶ際には、適切な操作性があるかについて考える必要があります。
例えば、NASは、初期設定や社内ネットワークの構築が必要になるため、専門的な知識を有する人以外にとっては、ハードルが高い方法と捉えられてしまいます。
一方で、USBメモリやHDDなどの物理メディアやファイル転送サービスは、仕事で一度は利用したことがあるという人も多く、手軽に操作することが可能です。
オンラインストレージサービスであれば、パソコンのエクスプローラーのように、直感的に操作できるものも多いです。
大容量ファイルの送り方で意識したいポイントとして、知識の有無やスキルレベルに関係なく、社内の誰もが使いやすい方法であるかを考えましょう。
大容量ファイルの送信に最適な方法とは
大容量ファイルの送り方として、メールは不向きであることや送り方を選ぶポイントを踏まえると、以下の4点をクリアしていれば適しているといえます。
- 容量を満たしている
- 効率性
- 安全性
- 共有リンクが生成できる
この4点を満たす送信方法として挙げられるのは、オンラインストレージです。
ビジネスチャットは、送りたいメッセージとファイルを紐づけて送ることができる、利便性の高いコミュニケーションツールです。
ただし、フリープランでは大容量ファイルのやりとりに十分な容量を確保できないこともあることに注意しましょう。
大容量という視点で見れば、USBメモリやSSDなどの外部メディアであれば対応可能ですが、物理的に人の手に渡さなければいけないため、距離が離れた相手に渡す場合には、時間を要するため効率性には欠ける面があります。
特に、USBメモリは紛失や盗難によるリスクを考えると、安全性の高い送信方法とは言い難です。
情報漏洩を防ぐためにはファイルへのアクセス権限を細かく設定し、不正ログイン防止のためにも、2段階認証がある方法やサービスを選びたいところです。
オンラインストレージは相手がアカウントをもっていない、あるいはメールアドレスしかわからない場合でも、生成した共有リンクをメールに記述することで大容量ファイルを送ることが可能です。
どのような状況においても効率よく利用できて安全なオンラインストレージサービスを利用することができれば、大容量ファイルの送り方として最適な方法といえるでしょう。
大容量ファイル送信にはセキュアSAMBA
仕事では、ファイルを共有する機会が多いものです。
これまで使ってきた大容量ファイルの送り方が「本当に安全なのか」、「効率よくできないか」などを見直してみよう。
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