ファイルサーバーはクラウド化すべき?双方のメリット・デメリットを徹底比較!

目次[非表示]
- 1.クラウド型ファイルサーバーとは
- 1.1.クラウドサーバー利用の現状
- 1.2.クラウド型とオンプレミス型の違い
- 2.クラウドストレージを選ぶ際のポイント
- 3.ファイルサーバーをクラウド化するメリット
- 3.1.どこからでもアクセス可能
- 3.2.BCP対策になる(データの安全性が高い)
- 3.3.保守やメンテナンスのコストがいらない
- 3.4.物理的な媒体が必要ないため、場所を取らずに即導入できる
- 3.5.社外とのファイル共有にも活用ができる
- 3.6.システムの拡張性が高く、好きな時にできる
- 4.ファイルサーバーをクラウド化するデメリット
- 4.1.自社のネットワーク環境に依存する
- 4.2.クラウドサービスならではのセキュリティリスク
- 4.3.カスタマイズ性が高くない
- 4.4.社内サーバーのクラウド化ならセキュアSAMBA
近年では急速なDX化の促進や、働き方の多様化の影響に伴い、自社内のファイルサーバーを従来型の「オンプレミス型」から「クラウド型」へ移行する企業が増えています。
オンプレミス型では難しかった社内外でのファイル共有や編集などの共同作業が容易になったり、堅牢な環境でデータが守られるため高い冗長性が担保されるなどのメリットがクラウド型にはあります。
しかし、メリットだけではなく各人の通信環境等に依存してしまう点や、どこからでもアクセスができるために設定ミス次第では情報漏えいのきっかけになってしまうなどのデメリットもあります。
そこで本記事では、クラウド型のファイルサーバーを選ぶ際のポイントや、メリット・デメリットについて解説をします。
クラウド型ファイルサーバーとは
クラウド型のファイルサーバーとは、その名の通りクラウド上に構築されたファイルサーバーのことです。
一般的にはクラウドストレージを提供する事業者の環境へデータを格納し、そこからインターネット経由でデータへのアクセスや編集・管理を行います。
物理的な媒体を自社内で保管する必要がないため、保守やメンテナンスの工数削減や、災害時のBCP対策としても広く浸透しつつあります。
クラウドサーバー利用の現状
総務省が行っている『令和4年通信利用動向調査』によるとクラウドサービス全体の利用状況は年々増えてきており、令和4年度には約70%以上もの企業がクラウドサービスを利用しています。
中でもクラウドサービス利用の用途を見ると1位は「ファイル保管・データ共有(64.6%)」となっており、ファイルに関連する部分のクラウド化の優先度が高いことがわかります。
利用の効果については、利用企業の約9割が「非常に効果があった」又は「ある程度効果があった」と回答しており、これからも利用する企業は加速していくでしょう。
クラウド型とオンプレミス型の違い
ここで、簡単にクラウド型のファイルサーバーとオンプレミス型ファイルサーバーの違いについて解説をします。
クラウド型ファイルサーバー |
オンプレミス型ファイルサーバー |
|
設置場所 |
各サービスのデータセンター |
社内または自社の施設内 |
初期費用 |
インターネット回線とサービス 初期費用のみで利用可能 |
サーバー機器や回線の料金が必要 初期投資が必要 |
運用コスト |
サービスの維持費のみ |
使用している機器の保守と 保守に関わる人件費がコストになる |
機能や機器の カスタマイズ |
業者がデータセンターで管理 カスタマイズ性が低い |
自社で用意した機器のため カスタマイズ性が高い |
ファイル編集 |
インターネット回線があれば場所を選ばず可能 |
社内ネットワーク内でのみ可能 |
セキュリティ対策 |
サービス利用者に一定のセキュリティ対策を提供 |
自社の対策状況に影響を受ける |
情報管理 |
サービス会社によって異なる 柔軟な設定ができる場合も多い |
ファイルの閲覧・編集権限の付与 などの細かな設定ができる |
運用管理工数 |
ほぼ無し |
導入時の情報セキュリティ方針の 制定やルーター設置など事前準備、日々のモニタリング |
どちらも良い点はありますので、自社の環境を踏まえたうえで比較検討をしていく必要があります。
クラウドストレージを選ぶ際のポイント
ここからは、クラウドストレージを選ぶ際のポイントについてご説明します。
クラウドストレージを選ぶ際には、主に以下の点に注目して検討すると良いでしょう。
- 料金形態
- データの保存容量
- サポート体制
- 対応している端末
- セキュリティ機能
料金形態
クラウドストレージの料金形態は、主に利用する人数によって料金が決まるものか、利用する容量によって利用料が決まる従量課金制のものがあります。
社内で利用するであろう人数や、容量についてしっかりと把握したうえで自社に適した料金プランのサービスを選択することが大切です。
また、従業員の増加やデータ容量の増加が見込まれる場合は、将来的な金額も想定して検討しましょう。
データの保存容量
料金形態に関わらず、利用できるデータ容量が自社に適しているものを選ぶことは重要です。
特に十分な容量が用意されていない場合、クラウドストレージを整理する工数や手間が余計にかかっていしまいます。
また、特に動画や図面データなどの大容量ファイルを取り扱う方は、1ファイル当たりのアップロード上限などもしっかりと確認しておきましょう。
サポート体制
社内システムの根幹であるクラウドストレージに万が一のことが発生した場合、迅速に対応できるかどうかは事業を継続する上でも重要です。
クラウドストレージを契約する前に手厚いサポート体制が整っているかを確認しましょう。
特に、メールだけでの問い合わせではなく、電話・直接訪問などの状況に応じて丁寧なサポートをしてもらえるサービスを選ぶと良いでしょう。
対応している端末
クラウドストレージでは、サービスによって利用できる端末やOSが異なります。
まずは自社のパソコンのOSのバージョンなどを確認し、不具合なく利用ができるかをトライアル環境などを実際に触ることで試しておきましょう。
また、iPhoneやAndroid、タブレット端末などのスマートデバイスでの利用を想定している場合は、しっかりと対応しているかも確認する必要があります。
セキュリティ機能
最後に、自社の求めているセキュリティ水準を満たすためのセキュリティ機能が揃っているかを確認しましょう。
例えば、法人向けのクラウドストレージではグローバルIPによるアクセス制限や、ユーザーの利用履歴などが確認できるものもあります。
その際には、設定が容易に行うことができるか、設定ミスが起きづらい仕様になっているかなど、管理者視点での仕様も確認しておきましょう。
ファイルサーバーをクラウド化するメリット
ファイルサーバーをクラウド化することで、多くのメリットがあります。
ここでは、クラウド化する6つのメリットについて解説をしていきます。
どこからでもアクセス可能
まず1つ目は、オフィス以外の自宅や外出先など好きな場所からインターネットさえあればアクセスできることです。
離れた拠点や、自宅からでも好きなようにデータにアクセスができるため、働き方の柔軟性を担保することができます。
特に外出が多い職種では、外出先からのデータの閲覧にも役立ち、データを確認するためだけの移動も削減できるため業務効率化にも役立ちます。
また、リモートワークツールやVPNなどの機器の導入も不要になり、コスト削減出来るケースもあります。
BCP対策になる(データの安全性が高い)
2つ目のメリットは、データの可用性や信頼性が非常に高い点です。
オンプレミス型のファイルサーバーだけでデータを管理をしている場合は、オフィスが被災してしまった場合やオフィスに出社できない事態が発生した場合はデータにアクセスできません。
また、ウイルス感染や災害によって重要なデータが損失してしまい、事業を継続することが困難になってしまう会社も少なくありません。
しかし、多くのクラウドストレージでは、非常に強固なセキュリティで守られた堅牢なデータセンターにて安全に管理されています。
そのため、万が一の際にもデータ損失などのリスクを回避し、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスでき業務が継続できるため安心です。
保守やメンテナンスのコストがいらない
3つ目のメリットは保守やメンテナンスの工数やコストを大幅に削減できる点です。
オンプレミス型のファイルサーバーでは、導入にかかる物理的な媒体費用だけでなく、構築後も一定保守やメンテナンスにコストがかかります。
セキュリティを維持するためのアップデート費用や、万が一のためのデータバックアップ、ネットワークの管理や容量などの見直しなど、様々な管理が必要です。
しかし、クラウド型であればこれらの管理やサービス提供者が行うため、自社内の管理者の工数や人件費を大幅に削減することにつながります。
物理的な媒体が必要ないため、場所を取らずに即導入できる
4つ目のメリットは、物理的なサーバーが不要になるため、社内のスペースを効率利用できる点です。
サーバーを管理する部屋では、空調設備による温度調整や防音対策、施錠管理などの物理的なセキュリティ対策をする必要があるなどの手間があります。
しかし、クラウド化してしまえば自社内にサーバーを置く必要性もなくなるため、サーバー室の用意やその管理が不要になります。
社外とのファイル共有にも活用ができる
5つ目のメリットは、社内だけにとどまらず、社外とのファイル共有や共同編集にも活用ができる点です。
オンプレミス型ファイルサーバーのデータを社外と共有する場合は、物理的なUSBメモリなどで共有するか、メールなどで添付をするしかありません。
しかし、物理的な媒体での共有では紛失や盗難、情報漏えいのリスクもあります。
また、メールでは大容量のファイルは送れず、誤送信やウイルス感染のリスクも高いことから最近ではあまり利用されていません。
クラウドストレージを利用すれば、URLを共有するだけで安全に大容量データを送れたり、フォルダ自体を共有して複数ファイルを双方向で共有・共同編集できます。
システムの拡張性が高く、好きな時にできる
6つ目のメリットは、システムの拡張性が非常に高い点です。
例えば、オンプレミス型の場合は容量を追加するだけでも新たにサーバーを追加購入する必要が出てきます。
しかし、クラウド型であれば容量追加の際に必要な分だけ必要なタイミングで購入をすれば拡張できます。
自社の利用人数や利用容量などの応じて柔軟・迅速に変更できるため、不要なコストを抑えて運用をすることができます。
ファイルサーバーをクラウド化するデメリット
ここからは、ファイルサーバーをクラウド化する際にでてくるデメリットについて解説をします。
自社のネットワーク環境に依存する
まず1つ目のデメリットは、ネットワーク環境に依存する点です。
あくまでもクラウドストレージではインターネットを利用してデータへアクセスをします。
そのため、自社内のネットワークの速度が遅い場合は、オンプレミス型と比較して挙動が遅くなり、通常業務に支障が出てしまう可能性があります。
自社内のネットワーク環境でも問題なく利用できるかを確認し、もし難しいようであればネットワーク環境の改善を検討しましょう。
クラウドサービスならではのセキュリティリスク
2つ目のデメリットは、クラウドサービスならではのセキュリティリスクが発生することです。
オンプレミス型であれば、そもそも自社内のネットワーク内からでしかアクセスできないことが多く、情報漏えいなどのリスクはそこまで高くありません。
しかし、クラウド型であればIDやパスワードが漏えいしてしまった場合に不正アクセスをされてしまったり、管理者による設定ミスにより公開範囲が不特定多数になってしまっていた、というケースもあります。
これらを防ぐためにも、二段階認証やアクセス履歴の確認、ユーザーインターフェースのわかりやすさなどを導入前にしっかり確認しておきましょう。
カスタマイズ性が高くない
3つ目のデメリットはカスタマイズ性が高くない点です。
クラウドストレージではサービス提供者側が販売しているパッケージ化されたサービスを各社が利用します。
そのため、ベンダーに依頼して設置してもらう自社専用のオンプレミス型と比較すると自由度は高くありません。
そのため、自社内で実現したい要件をしっかりと整理したうえで、クラウドストレージ内の設定機能で実現ができるのかどうかの確認が必要です。
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