【2025年版】ファイル転送ツールおすすめ10選!法人向け比較

「メールで送れない大容量ファイルをどうしよう」「PPAPは危険だと聞いたけど、代わりの方法がわからない」といった悩みを抱えていませんか。
ビジネスで扱うデータが大きくなるにつれて、ファイル転送は多くの企業にとって重要な課題となっています。
本記事では、ファイル転送ツールの基本的な知識から、法人利用で失敗しないための選び方のポイント、そして具体的なおすすめツールまでを徹底比較します。自社に最適なツールを見つけ、安全で効率的なファイル共有を実現しましょう。
目次[非表示]
- 1.ファイル転送ツールとは?メール添付やPPAPの課題を解決
- 2.【法人向け】ファイル転送ツールの選び方5つの重要ポイント
- 2.1.ポイント1:セキュリティ機能で選ぶ(暗号化・ログ管理・認証)
- 2.2.ポイント2:送信するファイル容量と転送速度で選ぶ
- 2.3.ポイント3:ITに不慣れでも使えるか?操作のしやすさで選ぶ
- 2.4.ポイント4:料金体系で選ぶ(ユーザー課金か容量課金か)
- 2.5.ポイント5:導入後のサポート体制で選ぶ
- 2.6.ツールの導入時や運用中に不明点やトラブルが発生した際に、迅速に対応してくれるサポート体制があるかも確認しましょう。特に情報システム部門が小規模な中小企業にとっては、電話やメールでの問い合わせ窓口、わかりやすいマニュアルの有無は心強い味方になります。
- 3.【比較表】法人向けおすすめファイル転送ツール
- 4.セキュリティ重視の法人におすすめのファイル転送ツール7選
- 4.1.セキュアSAMBA|国産製で安心のサポート体制
- 4.2.DirectCloud-BOX|多彩なプランと高度な管理機能
- 4.3.クリプト便|金融機関レベルの高いセキュリティ
- 4.4.Box|世界中で利用される高機能クラウドストレージ
- 4.5.GigaCC|ファイル転送と共有を両立
- 4.6.eTransporter|誤送信対策に強み
- 4.7.SmoothFile|ユーザー数無制限でコストパフォーマンスに優れる
- 5.無料で使えるファイル転送ツール3選とビジネス利用の注意点
- 5.1.ギガファイル便|登録不要で300GBまで対応
- 5.2.データ便|会員登録で容量アップ
- 5.3.firestorage|期間設定が可能な手軽さが魅力
- 5.4.【注意】無料ツールをビジネスで利用する際のリスク
- 6.ファイル転送ツールの導入前に確認すべきこと
- 7.自社に最適なファイル転送ツールで安全な情報共有を
ファイル転送ツールとは?メール添付やPPAPの課題を解決
ファイル転送ツールは、大容量のデータをインターネット経由で安全かつ手軽に送受信するためのサービスです。
日々の業務で使う電子メールには容量制限があり、また従来の方法にはセキュリティ上の懸念も指摘されています。
まずは、なぜファイル転送ツールが必要とされるのか、その背景にある課題から見ていきましょう。
メール添付ではダメ?大容量ファイルを送る際の課題
仕事で使う資料に高画質な画像や動画を含めると、ファイルサイズはあっという間に大きくなります。しかし、一般的なビジネスメールで一度に送信できる容量は数MBから大きくても25MB程度が上限です。
これを超えるファイルを送ろうとするとエラーになったり、相手のメールサーバーに受信を拒否されたりすることがあります。
ファイルを分割して複数回に分けて送る方法もありますが、手間がかかる上に、受信側で元に戻す作業も面倒で、業務効率を大きく下げてしまいます。
なぜ危険?パスワード付きZIP(PPAP)の問題点と代替の必要性
大容量ファイルをメールで送るための工夫として、ファイルをパスワード付きZIPファイルに圧縮して送り、その後に別のメールでパスワードを通知する方法が広く使われてきました。
この手法は、それぞれの頭文字をとって「PPAP」と呼ばれています。
一見安全そうに見えますが、PPAPには重大なセキュリティリスクが潜んでいます。もし悪意のある第三者がメールを盗み見していた場合、ファイルとパスワードの両方が同じ経路で送られるため、両方とも入手されてしまう可能性が高いのです。
また、暗号化されたZIPファイルはウイルス対策ソフトのスキャンをすり抜けてしまうため、マルウェア感染の温床になりやすいという危険性も指摘されています。
こうした理由から、近年では政府機関や多くの企業がPPAPを廃止し、より安全な代替手段へと移行を進めています。
ファイル転送ツールとオンラインストレージの違いとは?
ファイル転送ツールと似たサービスに「オンラインストレージ」があります。両者は機能が重なる部分も多いですが、主な目的に違いがあります。
ファイル転送ツール
特定のファイルを相手に「送ること」を主目的としたサービス。アップロードしたファイルに有効期限付きのダウンロードURLを発行し、相手に共有するのが基本的な使い方です。
オンラインストレージ
ファイルをクラウド上に「保管・管理すること」を主目的としたサービス。ファイルの保管だけでなく、複数人での共同編集やバージョン管理など、継続的なコラボレーション機能が充実しています。
ただし、現在では多くのオンラインストレージが高機能なファイル転送(共有リンク発行)機能を備えており、両者の境界は曖昧になっています。本記事では、安全なファイル転送・共有が可能なサービスを広く「ファイル転送ツール」として紹介します。
【法人向け】ファイル転送ツールの選び方5つの重要ポイント
ビジネスでファイル転送ツールを導入するなら、無料ツールにはない法人向けの機能やサポートが不可欠です。ここでは、自社に最適なツールを選ぶために確認すべき5つの重要なポイントを解説します。
ポイント1:セキュリティ機能で選ぶ(暗号化・ログ管理・認証)
企業の機密情報や個人情報を取り扱う上で、セキュリティは最も重要な選定基準です。単に「安全です」という言葉だけでなく、具体的にどのような機能が備わっているかを確認しましょう。
- データの暗号化
通信経路がSSL/TLSで暗号化されているか、サーバーに保存されるデータ自体が暗号化されているかを確認します。これにより、通信の盗聴や不正アクセスからデータを守ります。 - ログ管理(監査ログ)
「いつ、誰が、どのファイルにアクセスし、何をしたか」という操作履歴を記録・確認できる機能は必須です。万が一の情報漏えい事故が発生した際に、原因追跡や影響範囲の特定に不可欠なだけでなく、不正行為の抑止力にもなります。 - アクセス制限・認証
特定のIPアドレスからしかアクセスできないようにする「IPアドレス制限」や、ID・パスワードに加えてスマートフォンアプリなどでの確認を求める「多要素認証(MFA)」に対応していると、なりすましによる不正ログインのリスクを大幅に低減できます。
ポイント2:送信するファイル容量と転送速度で選ぶ
自社で日常的にやり取りするファイルの平均的なサイズや、最大でどのくらいの容量が必要になるかを把握しておきましょう。
多くの法人向けサービスでは、プランによって送信可能なファイルサイズの上限が異なります。デザインデータや高画質の動画、CADデータなど、数GBから数十GBを超えるようなファイルを頻繁に扱う場合は、大容量に対応したプランが必要です。
また、大容量ファイルのアップロード・ダウンロードにかかる時間も重要です。特にクリエイティブ業界など、一刻を争うデータのやり取りが多い場合は、転送速度も考慮しましょう。
ポイント3:ITに不慣れでも使えるか?操作のしやすさで選ぶ
どれだけ高機能なツールでも、使い方が複雑で一部の従業員しか使えないようでは意味がありません。
ITツールに不慣れな人や、社外の取引先でも直感的に操作できるシンプルなインターフェースかどうかが重要です。ファイルをドラッグ&ドロップするだけでアップロードできたり、数クリックで共有リンクを発行できたりするような、簡単な操作性のツールを選びましょう。
使いにくいツールは形骸化し、従業員が会社の許可なく無料ツールを使い始める「シャドーIT」の原因にもなりかねません。
ポイント4:料金体系で選ぶ(ユーザー課金か容量課金か)
法人向けツールの料金体系は、主に「ユーザー課金」と「容量課金」の2種類に分けられます。
- ユーザー課金
利用する従業員のID数に応じて料金が決まるモデルです。チームの人数が比較的固定されている場合に適していますが、従業員が増えるにつれてコストも増加します。 - 容量課金
契約するストレージの総容量に応じて料金が決まるモデルです。このモデルの中には「ユーザー数無制限」のプランを提供しているサービスも多く、全従業員や多くの社外パートナーにアカウントを配布したい場合に高いコストパフォーマンスを発揮します。
自社の利用規模や将来的な拡張性を考慮して、最適な料金体系を選ぶことが大切です。
ポイント5:導入後のサポート体制で選ぶ
ツールの導入時や運用中に不明点やトラブルが発生した際に、迅速に対応してくれるサポート体制があるかも確認しましょう。特に情報システム部門が小規模な中小企業にとっては、電話やメールでの問い合わせ窓口、わかりやすいマニュアルの有無は心強い味方になります。
平日日中の対応だけでなく、緊急時のサポートが受けられるかどうかもチェックしておくとより安心です。
【比較表】法人向けおすすめファイル転送ツール
ここでは、法人利用におすすめの主要なファイル転送・オンラインストレージサービスを一覧表で比較します。自社の要件と照らし合わせながら、ツール選定の参考にしてください。
法人向けファイル転送・オンラインストレージ機能・料金一覧表
※料金は2025年10月時点のものです。正確な情報は各公式サイトでご確認ください。
ファイル転送ツールにおける無料と有料の違い
手軽に使える無料ツールは魅力的ですが、ビジネスで利用するには多くの課題があります。有料ツールとの最も大きな違いは「セキュリティと管理機能」です。
無料ツールは、広告収入で運営されているため、セキュリティ対策が最低限であったり、いつ誰がファイルにアクセスしたかを追跡するログ機能がなかったりする場合がほとんどです。万が一、機密情報が漏えいしても原因を特定できず、企業の信用を大きく損なうことになりかねません。
また、広告が表示されることで取引先にプロフェッショナルでない印象を与えてしまう可能性もあります。
有料ツールは、これらのリスクを回避し、企業の重要な情報を守るための投資と考えるべきです。
セキュリティ重視の法人におすすめのファイル転送ツール7選
ここでは、前述の選び方のポイントを踏まえ、特にセキュリティ機能が充実している法人向けのおすすめツールを7つ紹介します。
セキュアSAMBA|国産製で安心のサポート体制
法人向けに提供している日本製のオンラインストレージです。
操作性、サポート体制、料金プラン(ユーザー無制限)、専門性に優れており、中小企業を中心に8,000社以上の導入実績が有ます。
セキュリティ機能も充実しているためファイル転送活用にもおすすめです。
導入前からの申し込み段階や導入後の運用などについて、専任の担当者がサポートするため、初心者でも安心して利用できます。
DirectCloud-BOX|多彩なプランと高度な管理機能
ユーザー数無制限を基本としながら、企業の規模や用途に合わせて多彩なプランを選べるのが魅力です。
アクセス経路の制限やデバイス認証、ランサムウェア対策など、多層的なセキュリティ機能を標準で提供しています。
管理者向けの機能も豊富で、全社的なセキュリティポリシーの徹底をサポートします。
クリプト便|金融機関レベルの高いセキュリティ
金融機関の厳格な監査にも対応できる、極めて高いセキュリティレベルを誇るサービスです。
「いつ、誰が、誰に、どのファイルを送ったか」を詳細に記録する証跡管理機能が強みで、情報漏えい時の追跡を迅速に行えます。
企業の最も重要な情報を、最高レベルのセキュリティで保護したい場合に最適です。
Box|世界中で利用される高機能クラウドストレージ
単なるファイル転送にとどまらず、コンテンツ管理とコラボレーションのための統合プラットフォームです。
7段階の細かいアクセス権限設定や、ファイルへの電子透かし機能など、高度なセキュリティ機能を備えています。
多くのビジネスアプリケーションと連携できるため、既存の業務フローにスムーズに組み込むことが可能です。
GigaCC|ファイル転送と共有を両立
法人間のファイル転送・共有に特化した純国産サービスです。
企業のセキュリティポリシーに合わせて、承認フローやパスワードポリシーなどを柔軟に設定できます。直感的な操作性にも定評があり、ITリテラシーを問わず全社で利用しやすいのが特徴です。
eTransporter|誤送信対策に強み
メールにファイルを添付する感覚で、安全なファイル転送を実現するツールです。
送信後にファイルを削除したり、相手のダウンロード状況を確認したりできるなど、ヒューマンエラーによる情報漏えいを防ぐための誤送信対策機能が充実しています。
ユーザー数無制限で利用できるため、コストを抑えながら全社的なセキュリティ強化を図りたい企業に適しています。
SmoothFile|ユーザー数無制限でコストパフォーマンスに優れる
ユーザー数無制限の料金体系が特徴で、全社的に導入しやすいサービスです。
ファイル転送だけでなく、上長承認ワークフローや詳細なログ管理など、企業の内部統制を支える機能も充実しています。多言語に対応しているため、海外拠点や取引先とのやり取りが多いグローバル企業にも適しています。
無料で使えるファイル転送ツール3選とビジネス利用の注意点
急な要件で一時的に大容量ファイルを送りたい場合など、無料のファイル転送ツールが役立つ場面もあります。ここでは代表的な3つのサービスと、ビジネスで利用する際の注意点を解説します。
ギガファイル便|登録不要で300GBまで対応
ユーザー登録不要で、1ファイルあたり300GBという非常に大きなファイルまで無料で転送できる人気のサービスです。
操作もファイルをアップロードして生成されたURLを共有するだけと非常にシンプルです。ただし、手軽さの反面、ビジネス利用には後述するリスクが伴います。
データ便|会員登録で容量アップ
会員登録なしでも2GBまで利用できますが、無料の会員登録をすることで送信できる容量が5GBまで増えるのが特徴です。(有料プランも有)
ファイルをアップロードする際にパスワードを設定したり、相手がダウンロードした際に通知を受け取ったりする機能も備わっています。
firestorage|期間設定が可能な手軽さが魅力
登録不要で2GBまで利用でき、アップロードしたファイルの保存期間を最短1時間から最大7日間まで柔軟に設定できるのが特徴です。
ドラッグ&ドロップで直感的にファイルをアップロードでき、手軽に利用できます。
法人向けの有料プランも提供されています。
【注意】無料ツールをビジネスで利用する際のリスク
無料で便利なツールですが、企業の公式な業務で利用するには、以下のような重大なリスクを理解しておく必要があります。
情報漏えいのリスク
セキュリティ対策が法人向けツールほど強固ではなく、管理機能も限定的です。誤送信や設定ミスにより、意図せず第三者に機密情報が渡ってしまう危険性があります。
ウイルス感染のリスク
ファイルのアップロード・ダウンロード時に十分なウイルスチェックが行われない場合があり、マルウェア感染の経路となる可能性があります。
監査・追跡が不可能
誰がいつどのファイルを送受信したかというログが残らないため、問題が発生した際に原因を究明することが困難です。これは企業のコンプライアンス上、大きな問題となります。
シャドーITの温床
管理者の許可なく従業員が個人判断で利用することで、会社が把握できないところで重要な情報がやり取りされる「シャドーIT」につながり、組織全体のセキュリティレベルを低下させます。
これらのリスクを考慮すると、企業の重要なデータを扱う場合は、管理機能とセキュリティが担保された法人向けツールの利用が強く推奨されます。
ファイル転送ツールの導入前に確認すべきこと
自社に合ったツール候補が絞れてきたら、本格導入の前に最終確認を行いましょう。このステップを踏むことで、導入後の「こんなはずではなかった」という失敗を防ぐことができます。
無料トライアルで操作性や機能を確認する
ほとんどの法人向けツールでは、一定期間すべての機能を無料で試せる「無料トライアル」が提供されています。
本格契約の前に必ずトライアルを利用し、以下の点を確認しましょう。
- 操作性:情報システム担当者だけでなく、実際にツールを使う現場の従業員や、ファイルの受信側となる取引先にとっても使いやすいか。
- 機能:自社が必要とするセキュリティ機能(ログ管理、アクセス制限など)が要件を満たしているか。
- パフォーマンス:実際に大容量ファイルをアップロード・ダウンロードしてみて、速度に問題がないか。
実際に触れてみることで、カタログスペックだけではわからない使用感を確かめることができます。
社内のセキュリティポリシーと運用ルールを策定する
ツールを導入するだけでは、安全なファイル共有は実現できません。ツールをどのように使うか、社内でのルールを明確に定めておくことが重要です。
- 誰が管理するのか:ツール全体の管理者権限を誰が持つのかを決めます。
- どのような情報を共有してよいか:ファイルの機密性レベルに応じて、ツール利用の可否を定めます。
- 誰に共有してよいか:社外へのファイル共有時の申請・承認フローを決めます。
- どのように運用するのか:パスワードの設定ルールや、共有リンクの有効期限など、具体的な操作手順を定めます。
これらのルールを策定し、全従業員に周知徹底することで、ツールを安全に活用するための基盤が整います。
自社に最適なファイル転送ツールで安全な情報共有を
本記事では、ファイル転送ツールの必要性から、法人向けツールの選び方、具体的なおすすめサービスまでを解説しました。
メール添付の容量制限やPPAPのセキュリティリスクといった課題を解決するために、ファイル転送ツールは現代のビジネスに不可欠な存在です。
ツールを選ぶ際は、無料の手軽さに惹かれるのではなく、企業の重要な情報を守るという観点から、
- 強固なセキュリティ機能
- 誰でも使える簡単な操作性
- 自社の規模に合った料金体系
- 信頼できるサポート体制
といったポイントを総合的に比較検討することが成功の鍵となります。
多くの中小企業にとって、これらの要件を満たし、特にセキュリティとコストパフォーマンス、そして使いやすさのバランスが取れたツールが求められます。
こうしたニーズに応える選択肢の一つとして、国産のクラウドストレージであるセキュアSAMBAがあります。
ユーザー数無制限で利用できる料金体系は、従業員や取引先が増えてもコストを気にせず利用できる点で大きなメリットです。また、アクセス経路制限やログ管理といった法人利用で必須のセキュリティ機能を備えながら、直感的に使える操作性で、ITに不慣れな方でも安心して導入できます。
無料から始められるプランも用意されているため、まずは小規模なチームで試してみて、自社の業務に合うかどうかを確かめてみるのもよいでしょう。
ぜひ自社にとって最適なファイル転送ツールを見つけ、安全で効率的な業務環境を構築してください。
















