多くの企業や個人がクラウドストレージを活用しています。
クラウドストレージとはWeb上の共有フォルダに写真やビジネスデータのバックアップなどを保存・シェアできるサービスです。
また、クラウドストレージはオンラインストレージやストレージサービス(storage service)と呼ばれることもあります。
クラウドファーストが普及している昨今、ファイルサーバーやNASからクラウドストレージに切り替えしている企業も増えてきました。
これからクラウドストレージを活用したいと考える方向けにクラウドストレージとはなにか、活用例とメリット、選定ポイントなどを解説します。
クラウドストレージとは
クラウドストレージとは、オンラインストレージとも呼ばれていて、クラウド事業者が提供するストレージをインターネットを介して利用できるサービスのことを指します。
ファイルを保存している場所のURLを共有することで、ファイルをメールなどで送付することなくファイル共有を簡単に行えます。
クラウドストレージサービスの価格は無料から有料まで様々あり、容量についても100GBから契約できたり、1TB以上や無制限などサービスにより異なります。
クラウドストレージの例としては、AppleのiCloudやGoogleのGoogleDrive、OneDrive、Dropbox、Boxなどがあり、iPhoneやAndroid用のアプリも充実しています。
また、セキュアSAMBAのような法人やビジネス利用に特化したクラウドストレージサービスもあります。
クラウドストレージを利用することで、自社内にファイルサーバーを設置する必要や場所の確保が無くなるだけでなく、運用の手間やコスト削減、メールなどのセキュリティリスクの軽減になるなど様々なメリットがあるため、ビジネスで利用されることも多くなってきています。
クラウドストレージとは:仕組みと保存方式
クラウドストレージには3つの保存方式があります。
各方式のクラウドストレージの仕組みを確認していきましょう。
ファイルストレージ方式
PC内でデータやファイルを保存するときに活用されているのがファイルストレージ方式です。
こちらの方式ではファイルにPC内のどのフォルダに保存されているかといったメタデータを書き込んでファイルを保管し、フォルダ/ファイルパスによってファイルにアクセスします。
NASの保存方法として一般的です。
ブロックストレージ方式
ブロックストレージ方式はファイルやデータをブロックに分解し、保管する方法です。
ファイル・データを読み込むときには、ブロックを結合し、必要な情報を呼び出します。
データやファイルをまるまる引き出すわけではないため、必要なデータやファイルに素早くアクセスできる点が特長です。
一般的にSANストレージで活用されている仕組みです。
オブジェクトストレージ方式
オブジェクトストレージ方式ではすべてのファイルやデータがフラットな位置づけで保存されます。
ファイルストレージ方式とは異なり、ファイル・データが一律の情報のもと記録されることになるため、アクセスが用意になります。
クラウドストレージに多く採用されている仕組みです。
クラウドストレージとは:主な利用目的
クラウドストレージを利用することでどのようなことが実現できるのでしょうか。
クラウドストレージの利用目的として多い例を見ていきましょう。
社内外のファイル共有の円滑化
メールやUSBメモリを利用したファイル共有は効率的ではないだけでなく、セキュリティ面にも不安が多い方法です。
社内外でファイルやデータのやり取りをすることはビジネスを進めるうえであったり、情報共有をするうえでも欠かせないものです。
安全かつ効率的なファイル共有手段として、クラウドストレージの利用検討が大きな理由として挙げられるでしょう。
遠隔地やテレワーク環境下でのファイル共有
コロナ禍や働き方改革によってテレワークを推進している企業も多くなりましたが、テレワークを推進する際の懸念のひとつに、VPN環境がないと自宅から会社のファイルサーバーのファイルを見ることができないという点があります。
クラウドストレージを利用することで、インターネットに繋がっていればVPNに接続することなくどこからでも利用できるようになるため、テレワーク推進やファイル共有の円滑化のために活用されることが増えています。
また、テレワークだけでなく遠隔地へのファイル共有や出張先などでもクラウドストレージは効果を発揮するでしょう。
PPAPの解消
PPAPとは、「Password付きZIPファイルを送ります」、「Passwordを送ります」、「Angoka(暗号化)Protocol(プロトコル)」の頭文字を取った略語で、添付ファイルをパスワード付きZIPファイルで送信し、別のメールでパスワードを送信する方法のことです。
元々はセキュリティ対策のために推進されていましたが、近年ではPPAPはセキュリティ対策にならずに、逆にリスクを増大させる恐れがある方法です。
そのため、PPAPを廃止している企業も増えてきていますが、自社にPPAPの文化があって取引先がPPAPを廃止している場合にファイルをどうやって共有しようか迷うこともあるかと思います。
解決方法としてはメールでファイル共有しないことになりますが、メールからの代替方法としてクラウドストレージが活用されています。
最近では、自社内だけでなくクラウドストレージの活用によって他社とのファイル共有を行う企業が多くなっています。
バックアップや格納庫としての利用
パソコンのドライブやハードディスクでのバックアップは社内や機器になにかトラブルが起きれば消失してしまう可能性があるので、バックアップ先としてクラウドストレージの利用をしているということも多いです。
また、後に利用するかもしれないデータや、一時的な保存先としてクラウドストレージを利用することもあります。
ローカルや社内以外の環境にデータを置いておけるようにすることで、データ保全につながることやストレージ容量の圧迫を回避する、データの整理になる、ということで、文字通りにストレージとしてのクラウドストレージの利用は大きな目的のひとつでしょう。
クラウドストレージとは:利用するメリット
クラウドストレージを活用するメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。
従来のデータ共有や保管の方法にはないクラウドストレージのメリットを確認していきましょう。
コストが抑えられる
クラウドストレージはデータサーバや記憶媒体の代わりとして活用できます。
ビジネスにおいて、各種データのバックアップを残すことは重要です。
しかし、バックアップデータを保管するためのデータサーバや記憶媒体を設置する方法にはコストがかかります。
クラウドストレージを活用すれば、データサーバなどにかかるコストを削減できます。
運用や保守の負荷軽減ができる
クラウドストレージは、インターネットを介してクラウド事業者の元にあるストレージを利用するため、ファイルサーバーのように自社に設置する必要がありません。
また、OSのバージョンアップやウイルス対策、機器のメンテナンスなどの運用や保守も不要になるため、手間やコストが削減されます。
容量の拡張性が高い
ストレージ容量が不足した場合、ファイルサーバーやNASは機器を入れ替えたり、HDDを増設したりと改めて調達や構築などが必要になります。
クラウドストレージはオプションの申し込みやプランの変更をするだけでストレージ容量を増やすことができるため、拡張性がとても高いと言えます。
テレワークなど柔軟な働き方の対応がしやすくなる
クラウドストレージは、インターネットに繋がってさえいれば、VPN環境などの特別な設備も不要でどこからでも利用できるため、テレワークに最適です。
また、どこからでも利用できるということは出先や海外などでも活用できるので、柔軟な働き方の導入や移行に役立つでしょう。
いつでも・複数人で同時にアクセスできる
クラウドストレージはWeb上にファイルやデータを保存・活用できるものです。
ブラウザからのアクセスやスマホ専用のアプリがあれば、いつでもアクセスできます。
また、複数人が同時に編集・保存できる仕組みも魅力のひとつでしょう。
セキュリティ対策につながる
クラウドストレージはインターネット上のストレージのため、セキュリティの観点で不安を感じることもあるかもしれません。
しかし、物理的な方法でデータを保存することも安全とは言えませんし、自社のファイルサーバーで強固なセキュリティを構築する場合でも専門の技術者が必要となり簡単にできるものではありません。
自社で設計や設定のミスをしてしまうリスクを犯すよりも、セキュリティが強固なクラウドストレージサービスを利用した方がむしろセキュリティ向上が期待できると考えられるようになってきています。
BCP対策や災害時のリスク回避になる
万が一、自社が自然災害などの被害に遭ってしまった場合、社内に設置している機器が故障してしまったり、保存しているデータが消えてしまうリスクがあります。
遠方のクラウド事業者が管理しているクラウドストレージを活用することで、それらのリスクを軽減させることが可能になるため、BCP対策としてとても有効です。
自社が災害に見舞われた場合もデータセンターが無事であれば、災害の被害を受けることはありません。
クラウドストレージとは:選定のポイント
実際にクラウドストレージを選定する際に注目していただきたいポイントを見ていきましょう。
利用する目的や内容に応じて選定ポイントは変わる部分もありますが、ビジネス利用の場合は安全性が高いクラウドストレージを選ぶことは意識しておきましょう。
満足するストレージ容量が提供されているか
利用しようとしているストレージが満足する容量が提供されていることです。
無料サービスという謳い文句に惹かれて利用すると数GBしか利用できずに全然足りなかったということがないようにきちんと確認することが大切です。
大抵のクラウドストレージはオプションやプラン変更によって臨機応変に容量を選択することが可能です。
操作性が優れているか
新しいシステムを導入する際に重要な点は、直感的に誰でも簡単に操作できることです。
複雑な操作性の場合、ユーザーが使いこなせずに教育や管理のコストも嵩んでしまいます。
なるべくシンプルで簡単に操作できるサービスを選ぶことをおすすめします。
対応デバイスが豊富であるか
パソコンだけではなく、外出先からスマートフォンやタブレットなどから操作したい場面も多くなってきています。
様々なデバイスに対応しているサービスを選定すると、さまざまな場面で効果的に利用することができるでしょう。
ファイルや通信の暗号化がされているか
ファイルや通信の暗号化は必須機能で、実装されていないクラウドストレージは利用すべきではありません。
セキュリティが懸念される声もあるクラウドストレージを利用する際に最も気を付けたいセキュリティ機能になります。
セキュリティ機能が十分な内容か
アクセス権の設定はもちろん、二段階認証やデバイス制限などのセキュリティ機能を有効活用することで、クラウドストレージのセキュリティリスクはかなり削減されます。
とくにビジネス利用を考えているのであれば、セキュリティ内容には注意して安全に利用できるものであるかを見極める必要があります。
データセンターの場所が問題ないか
企業によっては、セキュリティポリシーで海外のデータセンター利用を禁止していることがあります。
実際にクラウドストレージが設置されているエリアのことをリージョンと呼びますが、リージョンを確認し、自社のセキュリティポリシー的に問題がないかを確認することが重要です。
事前に評価が可能か
無料の試用プランなどで実際の使い勝手や操作性、設定方法などを確認できるサービスを選択しましょう。
事前に評価することで、導入後の失敗を防ぐことができます。
クラウドストレージとは:運用のポイント
クラウドストレージは選定も重要ですが、運用を適切にすることでより安全に利用することができます。
クラウドストレージの運用ポイントを確認していきましょう。
フォルダ構成や命名規則のルールを明確にする
各自が自由に決まりなくストレージを利用してしまうと、ファイルを見つけづらくなるなど効率が低下します。
フォルダ構成や命名規則をルール化して従業員に徹底させることで業務効率の向上に期待できます。
保管場所や保存期間を定める
あらゆるデータを扱う中で一時的な共有で済むものもあれば、長期的に保存する必要があるものも出てくるでしょう。
それらが整理されずにストレージ内にあると、誤って削除されてしまったり、不要なファイルが残り続けて容量を圧迫してしまう場合があります。
快適に利用するためにも、データの保管場所や保存期間によってフォルダ分けや定期的な整理をするようにしましょう。
適切なアクセス権を付与する
必要最低限のアクセス権を付与することで、ヒューマンエラーや内部不正によるセキュリティ事故のリスクを軽減させることができます。
事前に適切にアクセス権限を設定しておけば、適切な人しかデータの閲覧や操作を行うことはできないので安全です。
ログを定期的に確認する
いつ誰がどんな操作をしたかのログを監視し、不正アクセスや不正な動作がないかを確認することで、事故を防いだり、問題の早期発見につなげることができます。
操作ログが残らないサービスであると、記録が残らない、何かあった際の証拠が残らないともいえるのでログを確認できるサービスを選ぶ方があらゆる面で安全になるでしょう。
運用方法を定期的に見直す
運用方法は、利用者の声を取り入れながら定期的に見直しましょう。
厳しすぎるルールは利用率や効率を低下させる要因にもなるため、クラウドストレージを導入した目的を振り返りながら臨機応変に対応することが大切です。
また、同時に利用状況も確認し、無駄な使い方がないか容量を増加させる必要はないかなど適切に利用できているかも確認しましょう。
クラウドストレージ・セキュアSAMBAの活用事例
クラウドストレージ「セキュアSAMBA」を活用し、業務改善を実施した3つの事例を紹介します。
クラウドストレージ活用事例:株式会社アヴァンザ様
- 導入前の課題:共有HDDの破損や火災、地震、落雷などの物理的なデータの破損を懸念
- 導入の決め手:VPN接続の機能をコストで比較したときに導入しやすい料金体系だった点を評価
- 導入の効果:導入前の課題が無いほか、外出先からでも共有のデータを閲覧できることで利便性が拡大!
情報・通信サービスを提供するある企業では各種ファイルやデータを共有HDDに保管していましたが、データ破損の危険性を危惧していました。
その課題を解決するためにクラウドストレージを導入。
その結果、データ破損のリスクを回避しました。
詳しい事例はこちらから
クラウドストレージ活用事例:松澤社会保険労務士事務所様
- 導入前の課題:クライアントとのファイル共有でメール添付を利用していたため大きな手間に
- 導入の決め手:操作性と安全性からセキュアSAMBAを採用!
- 導入の効果:ファイルが必要な時にフォルダを見に行くことができるので共有が楽に!
こちらの社労士法人では顧客とのファイルのやりとりをメールで行い、業務負荷を感じていました。
この問題を解決するために、クライアントとの資料共有を目的とするクラウドストレージを導入。その結果、業務効率化を実現しました。
詳しい事例はこちらから
クラウドストレージ活用事例:株式会社リミックスポイント様
- 導入前の課題:拠点間でのファイル共有が不便だった
- 導入の決め手:エクスプローラー感覚で利用できる利便性と価格でセキュアSAMBAを導入!
- 導入の効果:拠点間のファイル共有がスムーズに!さらにテレワークでもセキュアSAMBAを活用!
こちらの企業がクラウドストレージの活用を決めたのはテレワーク対応のため。
不便さを感じていた拠点間のファイル共有をクラウドストレージ経由にすることで、業務効率化を実現しました。
操作方法がわかりやすいサービスを選んだことで無理なく活用できています。
詳しい事例はこちらから
個人向けクラウドストレージサービス3選
まずは個人が活用するのにおすすめなクラウドストレージサービスについて見ていきましょう。
※記載の内容は記事公開時点のものになるため変更等が生じている場合があることをご了承ください。
Dropbox
容量 | 2GB~2TB |
月額料金 | 無料~月2,000円 |
利用可能ユーザー数 | 1名~6名 |
Dropboxは無料版・有料版ともに充実したクラウドストレージです。
個人向けでありながら最大6名と共有して活用できる点が特長です。
個人向けサービスに共通していえることですが、まずは無料版からスタートし、使用感を確かめてから有料サービスにプランアップするということもできます。
OneDrive
容量 | 5GB~1TB |
月額料金 | 無料~年12,984円(Microsoft 365のサービスに含まれる) |
利用可能ユーザー数 | 1名 |
OneDriveはもともと無料版のみのサービスでしたが、2012年に有料版がリリースされ、サービスが充実しました。
個人向けのOneDriveはMicrosoft 365のサービスにも含まれ、実質無料で1TBを活用可能です。
GoogleDrive
容量 | 15GB~2TB |
月額料金 | 無料~年13,000円 |
利用可能ユーザー数 | 1名~家族利用 |
GoogleDriveは名前の通りGoogleが提供するサービスです。
GoogleDriveの有料版は家族での利用が可能で、プライバシーに留意すればクラウドストレージを活用するメリットを最大限に感じられるはずです。
GoogleDriveの有料版を個人で活用する場合には、他の個人向けサービスと比較し、割高になってしまうでしょう。
法人向けクラウドストレージサービス3選
法人が活用するのにおすすめなクラウドストレージサービスを見ていきましょう。
個人情報や機密情報などを扱う可能性がある場合やビジネスに使用する際は、法人向けのクラウドストレージを利用するといいでしょう。
※記載の内容は記事公開時点のものになるため変更等が生じている場合があることをご了承ください。
セキュアSAMBA
容量 | 5GB~5TB |
月額料金 | 無料~月178,000円 |
利用可能ユーザー数 | 3名~無制限 |
セキュアSAMBAは無料から活用をスタートできるクラウドストレージです。
無料でも5GBのストレージを3名で共有することができます。
セキュリティが強固であると同時に無料から使えるので試しやすく、利用規模に応じたプランが用意されています。
Dropbox Business
容量 | 5TB~無制限 |
月額料金 | 月1,500円~月2,400円 |
利用可能ユーザー数 | 3名 |
ビジネス向けDropboxの特長は豊富な容量です。
月額2400円で容量無制限で活用できるサービスは企業にとって頼もしい存在です。
firestorage(法人)
容量 | 1TB~9TB |
月額料金 | 月49,800円~月89,800円 |
利用可能ユーザー数 | 無制限 |
ファイル共有サービスで有名なfirestorageによるサービスです。
他のサービスと比較し月額料金が高価格に設定されています。
その分社内の既存システムとの連携や権限設定が充実している点が魅力です。
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クラウドストレージの仕組みや導入事例、活用方法について解説しました。
近年、クラウドストレージは個人活用・ビジネス利用、双方のシーンで浸透してきています。
GoogleDriveやOneDriveといったサービスを活用している個人や企業も少なくないでしょう。
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