製造業のファイル共有を変革!オンラインストレージの選び方や活用事例紹介

目次[非表示]
- 1.そのデータ共有、限界では?製造業が抱えるファイル管理の課題
- 2.オンラインストレージが製造業の課題を解決する5つのメリット
- 2.1.メリット1:大容量のCADデータもスムーズに共有
- 2.2.メリット2:時間と場所を問わず最新情報へアクセス可能に
- 2.3.メリット3:強固なセキュリティで知的財産を守る
- 2.4.メリット4:ペーパーレス化による現場の生産性向上
- 2.5.メリット5:サーバー管理の負担軽減とBCP対策
- 3.【製造業向け】失敗しないオンラインストレージ選び 6つのポイント
- 3.1.ポイント1:セキュリティ機能は十分か
- 3.2.ポイント2:大容量データの扱いに耐えうるか
- 3.3.ポイント3:現場でも直感的に使える操作性か
- 3.4.ポイント4:CADデータなど特殊なファイルのプレビューに対応しているか
- 3.5.ポイント5:手厚いサポート体制が整っているか
- 3.6.ポイント6:コストは費用対効果に見合っているか
- 4.部門別!製造業でのオンラインストレージ活用シーン
- 4.1.設計・開発部門:CADデータの一元管理とバージョン管理の効率化
- 4.2.生産・工場現場:タブレットで最新図面を確認し、ミスを削減
- 4.3.営業部門:外出先から最新の納期情報や在庫データにアクセス
- 4.4.経営・管理部門:BCP対策とIT管理コストの最適化
- 5.製造業でのオンラインストレージ活用事例紹介
- 5.1.事例1:佐鴻興業株式会社様
- 5.2.事例2:株式会社飛鳥エンジニアリング様
- 5.3.事例3:株式会社モリタ興産様
- 6.自社に合ったオンラインストレージで競争力を強化しよう
「このCADデータ、容量が大きすぎてメールで送れない」
「工場の現場と最新の図面をリアルタイムで共有したいが、良い方法がない」
日本のものづくりを支える製造業の現場では、日々膨大なデータが生まれています。
しかし、その管理・共有方法が旧態依然のままで、業務のボトルネックになっているケースは少なくありません。
本記事では、製造業が抱える特有のファイル管理の課題を明らかにし、その解決策として「オンラインストレージ」がいかに有効であるかを解説します。
サービスの選び方から具体的な活用シーンまで、貴社の競争力強化に繋がるヒントを提供します。
そのデータ共有、限界では?製造業が抱えるファイル管理の課題
製造業のDX推進にデータ活用は不可欠。しかし「大容量データ共有」「多拠点連携」など、従来手法では限界の課題が多くあります。
なぜ製造業特有の問題が起きるのか?DXを阻むボトルネックの正体を具体的に解説します。
製造業におけるDXとデータ活用の重要性
人手不足やグローバル競争の激化といった課題に直面する製造業にとって、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は待ったなしの状況です。
設計から生産、販売に至るまでの各工程で生まれるデータをいかに効率的に収集・活用し、生産性向上や新たな価値創造に繋げるかが、今後の成長を左右するといっても過言ではありません。
そのDXの基盤となるのが、スムーズで安全なデータ共有環境です。
まずは、多くの製造業が直面しているファイル管理の課題から見ていきましょう。
従来手法では対応困難な製造業ならではの課題
製造業では、オフィスワーク中心の他業種とは異なる、特有の課題が存在します。
課題1:CADなど大容量ファイルの受け渡しに時間がかかる
製品の設計に不可欠な3D CADデータやシミュレーションデータは、ファイルサイズがギガバイト単位になることも珍しくありません。
メールでの添付は非現実的で、無料の大容量ファイル転送サービスではセキュリティ面に不安が残ります。
USBメモリや外付けHDDでの物理的な受け渡しは、手間と時間がかかる上に紛失のリスクも伴います。
課題2:工場や海外拠点など、多拠点での情報共有が難しい
本社、設計拠点、国内工場、海外工場、営業所など、物理的に離れた拠点間で、常に最新の情報を同期させるのは至難の業です。
VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用したファイルサーバーへのアクセスは、回線速度が遅い海外拠点などでは、ファイルのダウンロードに時間がかかり、業務効率を著しく低下させることがあります。
課題3:取引先との安全なデータ共有ができない
製品開発には、多くの部品メーカーや加工業者といったサプライヤーとの連携が不可欠です。
機密性の高い図面や仕様書を安全に共有するため、パスワード付きZIPファイルをメールで送り、パスワードを別送する、といった手間のかかる方法を取っていませんか。
この方法はセキュリティリスクが高いだけでなく、手間もかかり、やり取りの履歴も追いづらくなります。
課題4:図面や仕様書のバージョン管理が煩雑化している
設計変更は日常茶飯事です。
そのたびに、「図面A_v3_修正版_最終.dwg」のようなファイルが乱立し、どれが本当に最新の正式版なのかわからなくなることがあります。
誤って古いバージョンの図面で生産してしまい、手戻りや材料の無駄が発生するリスクを常に抱えています。
課題5:機密情報である設計データのセキュリティが不安
設計データは、企業の競争力の源泉であり、最も重要な知的財産です。
万が一、サイバー攻撃や内部からの情報持ち出しによって設計データが流出すれば、企業の存続に関わる深刻なダメージを受けかねません。
しかし、十分なセキュリティ対策を自社だけで構築・維持するには、多大なコストと専門知識が必要です。
オンラインストレージが製造業の課題を解決する5つのメリット
前述のような製造業特有の課題は、法人向けに設計されたオンラインストレージを導入することで、その多くを解決できます。
メリット1:大容量のCADデータもスムーズに共有
オンラインストレージは、大容量ファイルの扱いに長けています。
アップロード・ダウンロードが高速なサービスを選べば、ギガバイト級のCADデータもストレスなく共有できます。
ファイル転送のために業務の手を止める必要がなくなり、設計・開発のスピードアップに繋がります。
メリット2:時間と場所を問わず最新情報へアクセス可能に
データはクラウド上で一元管理されるため、インターネット環境さえあれば、国内外のどの拠点からでも、いつでも同じ最新情報にアクセスできます。
海外出張中のPCからでも、工場のタブレットからでも、必要なファイルにすぐにたどり着けます。
メリット3:強固なセキュリティで知的財産を守る
法人向けのオンラインストレージは、企業の重要なデータを守るための高度なセキュリティ機能を備えています。
通信やファイルの暗号化、IPアドレスや端末によるアクセス制限、詳細なアクセス権限設定などにより、不正アクセスや意図しない情報漏えいを防ぎ、企業の生命線である知的財産を安全に保護します。
メリット4:ペーパーレス化による現場の生産性向上
これまで紙で印刷して持ち歩いていた図面や作業指示書、マニュアルなどを、工場の現場に設置したタブレットやPCで直接閲覧できるようになります。
これにより、常に最新版の情報を確認でき、古い図面を使うことによるミスを防止できます。
また、印刷コストや保管スペースの削減にも繋がります。
メリット5:サーバー管理の負担軽減とBCP対策
自社でファイルサーバーを運用する場合、機器の購入やメンテナンス、セキュリティパッチの適用、バックアップといった管理業務が発生します。
オンラインストレージを利用すれば、こうした運用・保守はすべてサービス事業者に任せられるため、情報システム部門の負担を大幅に軽減できます。
また、データは災害対策が施された堅牢なデータセンターで保管されるため、自社が被災した場合でもデータを保護でき、事業継続計画(BCP)の観点からも非常に有効です。
【製造業向け】失敗しないオンラインストレージ選び 6つのポイント
数あるオンラインストレージの中から、製造業のニーズに合ったサービスを選ぶためには、以下の6つのポイントをチェックすることが重要です。
ポイント1:セキュリティ機能は十分か
最優先で確認すべき項目です。
「誰が、いつ、どのファイルにアクセスしたか」を記録するログ管理機能、特定の拠点以外からのアクセスをブロックするIPアドレス制限、取引先ごとにアクセスできる範囲を細かく制御できる権限設定など、製造業の厳しいセキュリティ要件に応えられる機能があるかを確認しましょう。
ポイント2:大容量データの扱いに耐えうるか
将来的にデータが増加することも見越して、十分なストレージ容量が確保できるかを確認します。
また、大容量のCADデータなどを扱う上で、アップロード・ダウンロードの速度も重要です。
無料トライアルなどを活用し、実際の利用環境で速度を試してみることをお勧めします。
ポイント3:現場でも直感的に使える操作性か
ITに不慣れな従業員が多い工場の現場などでも、マニュアルなしで直感的に使えるシンプルなインターフェースであることが重要です。
多機能でも操作が複雑では、結局使われなくなってしまいます。
誰もが簡単に使えることが、導入を成功させる鍵です。
ポイント4:CADデータなど特殊なファイルのプレビューに対応しているか
専用ソフトをインストールしていないPCでも、ブラウザ上でCADデータのプレビュー(簡易表示)ができる機能があると非常に便利です。
営業担当者や管理職が、出先で手軽に図面の内容を確認できるなど、業務の幅が広がります。
ポイント5:手厚いサポート体制が整っているか
導入時の設定支援や、運用中にトラブルが発生した際の対応など、サポート体制の充実度は重要です。
特に、日本の製造業の事情を理解し、日本語で迅速・丁寧に対応してくれる国産サービスの安心感は大きなメリットといえるでしょう。
ポイント6:コストは費用対効果に見合っているか
もちろんコストも重要です。
しかし、単に価格の安さだけで選ぶのは危険です。
必要なセキュリティ機能やサポートが備わっているかなどを総合的に判断し、自社の課題解決に見合う費用対効果の高いサービスを選びましょう。
製造業向けオンラインストレージ選定チェックリスト
チェック項目 | 確認するポイント |
---|---|
セキュリティ | ログ管理、IPアドレス制限、アクセス権限設定、暗号化は十分か? |
容量・性能 | CADデータを扱うのに十分な容量と転送速度があるか? |
操作性 | IT専門家でなくても、現場の作業員が直感的に使えるか? |
機能 | CADファイルのプレビュー機能やバージョン管理機能はあるか? |
サポート | 日本語での迅速なサポート(電話・メール等)を受けられるか? |
信頼性 | 導入実績や第三者認証(ISMS等)はあるか?国産サービスか? |
部門別!製造業でのオンラインストレージ活用シーン
実際にオンラインストレージを導入すると、業務はどのように変わるのでしょうか。
部門別の活用シーンをご紹介します。
設計・開発部門:CADデータの一元管理とバージョン管理の効率化
すべての設計データをオンラインストレージに集約。
バージョン管理機能を使えば、誰がいつ更新したかが明確になり、先祖返りを防ぎます。
複数人での共同設計や、他部門とのレビューもスムーズに進みます。
生産・工場現場:タブレットで最新図面を確認し、ミスを削減
現場に設置したタブレットから、常に最新の図面や作業標準書にアクセス。
紙の図面の差し替え漏れによる製造ミスや手戻りを撲滅し、品質向上と生産性向上を実現します。
営業部門:外出先から最新の納期情報や在庫データにアクセス
顧客先や移動中に、スマートフォンやノートPCから製品カタログや価格表、在庫・納期情報にセキュアにアクセス。
顧客からの急な問い合わせにも、その場で正確な情報を提供でき、商談の機会損失を防ぎます。
経営・管理部門:BCP対策とIT管理コストの最適化
自社でサーバーを持つことなく、重要なデータを安全に保管。
サーバーの運用・保守にかかっていたコストと人的リソースを削減できます。
また、自然災害など不測の事態が発生しても、データを失うことなく事業を継続できる体制を構築できます。
製造業でのオンラインストレージ活用事例紹介
事例1:佐鴻興業株式会社様
HDDでのデータ管理による破損リスクや容量圧迫に課題を抱えていました。また、現場でのデータ閲覧が難しく、顧客との大容量ファイルの共有もメール頼りで非効率でした。
そこでオンラインストレージを導入。直感的な操作性でデータ管理の負担を軽減し、破損リスクを回避しました。現場で教育動画を確認できるようになったほか、メール送受信の手間も削減。今後は全データをクラウドへ移行し、現場でのタブレット活用による教育コストの圧縮を目指しています。
事例2:株式会社飛鳥エンジニアリング様
大容量CADデータをメールで分割送信する手間と、顧客が求める高いセキュリティ水準の確保に課題を抱えていました。
IT導入補助金を活用し、AWS基盤の信頼性や外国人従業員にも使いやすい操作性を評価してオンラインストレージを導入。補助金で費用を1/2に抑え、ファイル共有を効率化。現場での図面確認やサーバー不要での拠点開設も可能になり、業務改善と事業拡大を実現しました。
株式会社飛鳥エンジニアリング様のオンラインストレージ活用事例はこちら
事例3:株式会社モリタ興産様
外出先から社内サーバにアクセスできず営業対応が遅れる点や、サーバ管理者の負担増に課題を抱えていました。
社内サーバのように使え、高セキュリティなオンラインストレージを導入した結果、社員の意識に変革が。導入を機に保存ルールが明確化され、社内の情報整理が促進されました。誤って上書きしたファイルも世代バックアップ機能で復元でき、万一の際も安心と高く評価されています。
自社に合ったオンラインストレージで競争力を強化しよう
ここまで、製造業が抱える課題を解決するオンラインストレージの有効性と、失敗しない選び方について解説してきました。
大容量の設計データや拠点間の情報共有、サプライヤーとの連携、そして何よりも重要な知的財産の保護といった課題は、適切なオンラインストレージを選ぶことで解決への道が開けます。
選定の際は、本記事で挙げた「強固なセキュリティ」「大容量データへの対応」「現場での使いやすさ」「手厚いサポート体制」といったポイントを総合的に評価することが不可欠です。
これらの製造業特有の要件を満たす選択肢として、国産の法人向けクラウドストレージである「セキュアSAMBA」があります。
官公庁や金融機関にも採用される高水準のセキュリティ機能と、誰でも直感的に使えるシンプルな操作性を両立。
データはすべて堅牢な国内データセンターで管理され、国産ならではの丁寧なサポートも受けられます。
中小企業から大企業まで、多くの製造業の現場で導入されており、コストパフォーマンスの高さも魅力です。
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